新潟県内における障害者の就労実践現場に関する調査 - 新潟青陵大学

提出期限:平成 26年 4月 4日
【新潟青陵大学学術研究委員会規定 第○○条第○号様式】 提出先:学術研究委員長(経営企画課 亀山課員)
平成
26 年
4
9
月
日
新潟青陵大学学長殿
平成 25 年度 新潟青陵大学共同研究 報告書
1. 研究課題名
新潟県内における障害者の就労実践現場に関する調査
2. 研究組織
代表者: 新潟青陵大学 福祉心理 学科
分担者:
職名:
准教授
藤瀬 竜子
氏名:
㊞
所 属
職 名
氏 名
新潟青陵大学看護福祉心理学部福祉心理学科
助教
海老田 大五朗
新潟青陵大学看護福祉心理学部福祉心理学科
助教
佐藤 貴洋
3. 研究期間
平成
25
年4月1日 ~ 平成 26 年3月31日
4. 研究成果の概要(当該研究期間のまとめ)
本共同研究は、これまでほとんど研究されることのなかった「障害者を雇用する側」の視点から、雇用者
(企業)側が障害者の特性や抱える困難に配慮する「労働のデザイン」に焦点を定めて分析を行った。具体
的には、新潟県内の障害者雇用に高い実績を有する企業2社の事業主等へのインタビュー調査を実施し
た。雇用に踏み切った理由や実際の雇用現場におけるサポート体制、労働作業の工夫等について明らか
にしつつ、労働のデザインとして「採用」「実習」「実践」の3つのデザインを記述した。
まず1つめの「採用」に関しては、「募集」「家族からの支援体制構築」についてのデザインがある。前者で
は「公募しないという開かれた積極性」と「人物ありき」というデザインが、後者では家族との情報共有の工夫
がデザインされており、障害者の雇用定着率に寄与することが明らかとなった。2つめの「実習」に関しては、
「実習期間・時間」「実習プログラム」「実習評価」の3つのデザインを記述した。「フルタイムの8時間労働が
基本」「就職した場合に想定していない仕事もプログラムされている」「作業部署の評価が意思決定の判断と
なる」ことを記述した。3つめの「実践」では「ミシン」と「指示系統の一本化」のデザインを記述した。これらは
いずれも健常者にとっても有効なデザインであり、健常者が使用しても作業効率が上がるものであることが
明らかになった。
ここまで述べた研究成果は、下記の2つの学会における合計4本の発表、日本保健医療社会学会誌への
論文投稿という形で発表している。
これらの記述されたデザインは、同時にデザインそのものが会社へのメリットになることが明らかになり、障
害者雇用を躊躇する企業や社会的認識への再考を迫ることになるものと考える。本研究では、雇用する側
のメリットも記述できた点が大きな成果である。実際に学会発表後は各方面からのアクセスがあり、平成26年
8月には日本職業リハビリテーション学会にて自主ワークショップを開催する予定となっている。
5. 交付決定額(配分額)
300,000 円
使用額
300,000
円
6. 研究発表
区分
学会誌名・学会名等
発表者
論文名・演題名等
年
月
発表すみ 日本保健医療社会学会第39回大会
海老田大五朗・藤瀬竜子・佐藤貴洋
障害者の就労支援における労働のデザインについて
―障害者の労働はどのようにデザインされているか?ー
H25
5
発表すみ 日本職業リハビリテーション学会第41回大会
藤瀬竜子・海老田大五朗・佐藤貴洋
障害者の労働デザインとワークプレイスについて1
H25
8
発表すみ
日本職業リハビリテーション学会第41回大会
佐藤貴洋・藤瀬竜子・海老田大五朗
障害者の労働デザインとワークプレイスについて2
H25
8
発表すみ 日本職業リハビリテーション学会第41回大会
海老田大五朗・藤瀬竜子・佐藤貴洋
障害者の労働デザインとワークプレイスについて3
H25
8
海老田大五朗・藤瀬竜子・佐藤貴洋
障害者の労働はどのように「デザイン」されているか?
-知的障害者の一般終了を可能にした方法の記述ー
H25
10
投稿中 日本保健医療社会学会
7 添付書類 4 枚 (両面印刷)
※ 研究成果を発表した雑誌等の目次、研究発表会等のプログラムのコピーを添付のこと。
8 研究発表以外の、研究成果活用に関する報告
(講演会講師、シンポジウム開催、一般向け広報物への原稿掲載、コメンテーター等の活動など。)
事項
年月日
概要
新潟県肢体不自由児
父母の会
社会参加研修会
講師
H25.10.8
障害者の社会参加の1形態である「就労」に関して、県内企業2社への調査
結果について報告した。
京都社会調査研究会
公開企画
「エスノメソロジストは『軽
度障害の社会学』をどの
ように読んだか」
H25.6.15
添付資料のとおり公開企画にて秋風千恵著『軽度障害の社会学-異化&統
合」をめざして』の書評を行った。
今後の外部資金申請状況(予定を含む)
申請先(予定を含む)
検討中
申請テーマ(予定を含む)