1 — 量子力学第3:試験問題 — 2000 2.10 (13:00—16:00) 初貝 I. ポテンシャルが原点近傍半径 a の範囲でのみ有限となるとき散乱の積分方程 式が次のように与えられることを認め以下の問に答えよ。(入射波は +z 方 向であるとする。) ( ) 1 2m 1 ∫ eik|r−r | ikz Ψ (r) = e − dr V (r )Ψ+ (r ) 2 3/2 (2π) |r − r | h ¯ 4π r<a + I.1 ボルン近似による波動関数を書き下せ。 I.2 散乱振幅 f (θ) はボルン近似で ( fB (θ) = − ) 2m 1 ∫ drei(k −k)·r V (r), k = kˆ z , kˆ · zˆ = cos θ h ¯ 2 4π となるが、K = k − k として K 方向の極座標で角度積分を実行せよ。 I.3 以下のポテンシャル の場合に散乱振幅 f (θ) をボルン近似で θ の関数と して求めよ。 e−µr V (r) = A r ∑ ˆ II. フェルミ粒子の場の演算子を ψ(r) = j φj (r)cj と規格直交化された完全系 {φj (r)} および対応するフェルミ粒子の消滅演算子 cj で展開する。( {cj , c†k } = δjk , {cj , ck } = 0, {c†j , c†k } = 0 ) ˆ II.1 反交換関係 {ψ(r), ψˆ† (r )} を求めよ。 II.2 2粒子状態 |2 = c†1 c†2 |0 に関して相互作用 1 ∫ 3 3 ˆ† ˆ† ˆ )ψ(r) ˆ Hi = d r d r ψ (r)ψ (r )v(r − r )ψ(r 2 の期待値を計算しよう。 II.2.1 以下の式をまず示せ。 ˆ ψ(r)|2 = φ1 (r) c†2 |0 − φ2 (r) c†1 |0 ˆ )ψ(r)|2 ˆ II.2.2 同様に ψ(r を計算せよ。 II.2.3 2|Hi |2 を計算せよ。ただし J, K を次のように定義する。 ∫ J = d3 r d3 r |φ1 (r )|2 |φ2 (r)|2 v(r − r ) ∗ K = K = ∫ d3 r d3 r φ∗1 (r )φ2 (r )φ∗2 (r)φ1 (r)v(r − r ) 2 III. 相互作用の無い電子系での電子配置をまず考えスピンと角運動量を保存する 相互作用の効果を摂動論で考えよう。 III.1 相互作用の無いとき電子配置 (2p)2 の縮退度はいくつか III.2 相互作用により電子配置 (2p)2 から生じる多重項を 縮退度とともに示せ。(L = S, P, D, · · ·) 2S+1 L の形でその III.3 フントの規則とは何かその物理的理由とともに述べよ。 IV. ローレンツ力 F = eE + er˙ × B について考えよう。 IV.1 正準変数の組 r, p とあるハミルトアン H が与えられたとき正準方程式 を書き下せ。(ヒント:自由粒子の場合を考えてみよ。) IV.2 次のハミルトニアンに対する正準方程式を書き下せ。 H(r, p) = 1 1 (p − eA(r, t))2 + eφ(r) = (pα − eAα )(pα − eAα ) + eφ 2m 2m IV.3 ローレンツ力に従う粒子のニュートンの運動方程式を導け。なお電場 ˙ E = −A − ∇φ、磁場 B = rot A である。 V 正準変数のボーズ粒子表示 √ qkσ = h ¯ (a†−kσ + akσ ), 2ωk √ pkσ = i h ¯ ωk † (akσ − a−kσ ) 2 を用い以下の問に答えよ。 V.1 qkσ , pk σ の交換関係を導け。 V.2 次の輻射場のハミルトニアンを生成消滅演算子で書け。 ( Hrad 1∑ ∑ =+ pkσ p−kσ + ωk2 qkσ q−kσ 2 σ=1,2 ) k V.3 通常の原子が関与する光学過程において光の波数としては k = 0 とし 2 1 である。 て良い理由を述べよ。ただし微細構造定数 α = 4πe0 ¯hc ≈ 137
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