添付資料2 ●ミトコンドリア病(小児ミトコンドリア病)について <病気の概要> ・様々な臓器異常を起こすエネルギー産生異常の遺伝性疾患であり、2009 年に指定難病にな った。 ・ミトコンドリアは、細胞の機能維持に必要なエネルギーを産生する器官で、あらゆる細胞・ 組織・臓器に存在する。 ・どこの組織・臓器のミトコンドリアが、どれだけ異常を起こすかにより、様々な症状が出る (組織・臓器特異性がある)。 ・脳卒中発作や筋力低下、心筋症、白内障、肝不全のほか、難聴やけいれん、知能の発達障害 等が起こる。 ・ミトコンドリア遺伝子は 37 種類全てでミトコンドリア病が見つかっているのに対して、核 遺伝子は 1000~1500 種類が推定され、現時点でまだ 2 割程度しか見つかっていない。 <新生児~小児のミトコンドリア病> ・多くは両親から受け継いだ核遺伝子が原因とされる(1/4 の確率で発症する常染色体劣性 遺伝が多い) 。 ・ミトコンドリア遺伝子は、父親からは伝わらず母親からのみ伝わるが、母親がミトコンドリ ア病でもこどもが発症しない例もある(逆もある) 。 <疫学> ・本邦でミトコンドリア病の包括的な調査がされておらず、患者数や頻度は明らかではない。 我々の研究からも本邦での発症頻度は欧米と同様におよそ約 5000 人に対し1人と推定され ている。 <治療の現状> ・これまでは、発熱やけいれんを抑える薬を投与するなど対症療法が中心だった。 ・最近では、候補治療薬の企業による臨床試験(治験)や医師主導治験が進んでいる。 ミトコンドリア病が発症する仕組み 細胞内の遺伝情報 両親由来 ↓ 染色体 核遺伝子異常 核遺伝子 異常ミトコンドリア I III IV V II ミトコンドリア遺伝子 ↓ 母由来 呼吸鎖酵素(電子伝達系)の 機能低下に基づく エネルギー産生障害 臓 器 ご と の 障 害 へ と つ な が る ミトコンドリア遺伝子異常 ミトコンドリアDNA 異常ミトコンドリア I II III IV V 呼吸鎖複合体酵素 2016年7月10日(日)日本経済新聞 村山取材記事 を元に資料作成
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