第24回日本呼吸器外科学会総会号 245(439) PS−056晶 繍茜群に対するcomPletion Pneumonectomy PS−056−2 大阪市立総合医療センター呼吸器外科 熊本中央病院呼吸器科 高濱 誠,山本 良二,中嶋 隆,舟木 壮一郎,多購 弘人 丸山 正子,丸塚 孝,最勝寺 哲志 1目的】当センターにおける腫瘍性病変に対するCompietion pneumonectomy 【目的1臨床病期i期葬小細胞肺癌においては葉切除が標準治療となるが,併 存疾患のために根治手術が不能であることも多い・部分切除術と放射線治療 の治療成績について検討した.【対象】1997年から2005年に当院にて治療を行 った非小細胞肺癌のうち,臨床病期1期と診断し,部分切除術あるいは放射 (CP)症例をretrospectlveに検討する.【方法】1993年12月から2006年11月ま でに施行されたCP24例のうち腫瘍性病変に対する手術8例を対象とした、 男性:女性=6:2,平均年齢は62.5±13.6(38∼81)歳原発性肺癌6例(異時 性重複玉例,局所再発5例),転移性肺癌1例,Piasma cell granuloma1例.先 行手術は,左上葉切除3例,左下葉切除2例,左下葉切除+気管支形成,PA 形成1鰐.右上葉切除1例,左肺部分切除(5回)1例.初團手術よりCPまでの 観察期間は,50.1±37.1ヵ月(10∼104:中央値45ヵ月).CP術前FVC2440 ±1050ml,FEV1.01810土650mi.原発性肺癌では,初回手術での病理病期 IA/IB/HIA=2/2/2、IIIA期の2例に初回手術後化学療法および放財線治療 50Gyが追加されていた、術後平均観察期間は31.7ヵ月(2∼113:中央値19ヵ 月〉.【成績】術側:LIR=1/7、手術時問320±94.6分.アプローチは,後側方 切開6例,胸骨正中切開+肋間開胸2例.心嚢内ff珪管処理は7例.人工心肺使 用は1例,輸血は4例に施行した.術後合併症は,胸骨骨髄炎および膿胸1例. 嗅声1例.手術死亡及び手術関連死は認めなかった.CP後の3年生存率は, 7工.4%であった.【結論1当センターにおけるCP症例を検討した.CPまで の平均観察期問は50.1ヵ月と長期であった.原発性肺癌では,主に左側の局 所再発例に対して手術が施行されていた.初回手術後遠隔期の再発例に対し ても,CPは有用な治療の選択肢になり得ると考えられた. PS−056−3 原発睦肺癌における胸壁合併切除断端1雛例の検討 肺癌根治手術不能例に対する部分切除術と放射線治 療の治療成績の検討 線治療を施行した70例.1結果1部分切除症例は24例で,平均年齢69.6(56−80) 歳男/女:16/8例,AD/SQ:16/8例,cIA/IB:23/1例,PSは全例0・放 射線療法症例は46例で,平均年齢77、3(67−87)歳,男/女:35/11倒,AD/ SQ:23/23例,cIAIIB:32/14例,PSは0/1/2/3:32/10/3/1例・全死心から の生存率(3盈/5生〉は,部切では9L7/72.2%,放治では63.9/44.2%と有意差 をもって部切例が予後良好(p=0.034).組織型別にみた生存率(3生/5生)は, ADで部切では87.5/87.5%,放治では58.5/312%と有意に部切例が予後良好 (p=0.015),一方SQで部切では100/50%,放治では68、6/53.3%と予後に差は 見られなかった.再発は,部切例で4例(うち局所再発3例〉,放治倒で11例 (うち局所再発3例).部切・放治ともに治療関連死はなかった.【結語】切除 不能肺癌症例に対して部分切除術および放射線治療を検討するとき,SQで は爾治療ともほぼ同等の治療効果が見られたが,ADでは部分切除において 良好な予後が得られていることから可能な限り部分切除を行うことが望まし いと考えられた. PS−056−4 進行非小細胞癌に対して救援外科切除(Salvage手 術)を施行した3症例 栃木県がんセンター呼吸器外科 !山梨県立中央病院外科,2山梨県立中央病院呼吸器内科 石川 義登,松隈 治久,申原 理恵,鈴木 晴子 櫻井 裕幸玉,羽瞬 真朗1,宮下 義啓2 【背景】胸壁浸潤を伴う肺癌に対しても胸壁合併切除にて完全切除が達成でき ればある程度の割合で根治が目指せる.しかし,胸壁合併切除では術中に断 端陰性を診断することが困難な場合があり断端陽性例では,術後に放射線治 療が試みられるがその有効牲は明らかではない.1対象と方法】1986年から 継的】進行非小細胞肺癌に対して救援外科手術を施行した3症例につき報告 する.【症例1症例1.72歳,男性.2004年4翔咳徽を主訴に当院受診.精査に て左肺篇平上皮癌,臨床病期丁4N2MO mBと診断され,化学療法(カルボ から3A期の症例40例中・胸壁切除断端陽性例の護例を対象として,補助療法, 再発形式,予後に関して調査した・1結果】患者内訳は,全例男性.年齢は, プラチン・パクリタキセル)6コース施行し・一旦PRが得られるも,腫瘍の 再増大を認めたため,化学療法のレジメンを変更したが,さらに腫瘍の局所 増大を認めたため,2005年7月6日左肺全摘術施行した、術後1年4ヶ月経過し た現在無再発生存中である.症例2、78歳,男性、検診の胸部異常影にて当 65歳から79歳全鰹で術後放射線照射50∼56Gy施行,全例術後化学療法は 院受診精査にて左下葉大細胞神経内分泌癌・臨床病期丁2N2MO IHAと診 2000年までの非小細胞肺癌切除例のうち胸壁合併切除がおこなわれた2B期 施行していない.腫瘍径は直径2.6∼8.5cm,病理学的リンパ節転移は,NOが 3例,N2が1例で断端陽性の理由は元々完全切除困難な症例であった.経過は, 全例1年5ヶ月以内に再発した.再発形式は,肝転移1例,肺内転移1例,照射 野局所再発2健で,全例3年4ヶ月以内に死亡した.【考察】断端陽性例では, 遠隔転移再発も多く,術後照射したにもかかわらず半数で断端再発が認めら れていることから,術前に放射線÷化学療法にて微小転移の制御と完全切除 率の向上を計るべきと思われた. 断され,化学療法(カルボプラチン・エトポシド)を4コース施行し,治療効 果はPRで,残存する腫蕩に対し,2005年8月24隣に左肺下葉切除術を施行 した.術後1年2ヶ月無再発生存中である.症例3.53歳,男性.2004年8月右 肩痛にて発症.精査にて右肺パンコースト型扁平上皮癌(椎体浸潤〉,臨床病 期丁4NOMO mBにて根治的化学放射線療法(カルボプラチン・パクリタキ セル6コースおよび計66Gy照舞寸)施行したのち,残存する腫瘍に対し2005年4 月8日胸壁合併切除を伴う右肺上葉切除術施行した.術後1年7ヶ月無再発生 存中である.【結論】治療方針を決定しうる治療前の病期診断は重要である. 非小細胞肺癌に対する救援外科手術の役害尊に関してはいまだ明確ではないが, われわれの経験した本3症例においては良好な成績であった.
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