1 平成 20 年度 長崎大学2次試験前期日程 (数学問題) 平成 20 年 2 月 25 日 • 教育・薬・工学部は, 2 ∼ 4 , 6 数 I・II・III・A・B(120 分) • 経済・水産・環境科学部は, 1 , 5 数 I・II・A・B(80 分) • 医・歯学部は, 2 , 6 ∼ 8 数 I・II・III・A・B(100 分) 1 a を正の定数とする.曲線 A : y = −x2 + a2 (2a + 1) と曲線 B : y = x3 + ax2 は 相異なる 3 点 P,Q,R で交わるものとし,3 点の中で x 座標が最大であるもの を P,最小であるものを R とする.また,点 P における曲線 B の接線を l とす る.次の問いに答えよ. (1) a はどのような範囲にあるか. (2) 点 Q の x 座標を b,点 R の x 座標を c とする.b,c を a を用いて表せ. (3) b < −a が成り立つことを示せ. (4) 点 P の座標と直線 l の方程式を,a を用いて表せ. (5) 曲線 A と直線 l で囲まれた部分で x 用いて表せ. 0,y 0 である領域の面積を,a を 2 i を虚数単位として,次の問いに答えよ. (1) 3 次方程式 x3 = 1 を解け. √ √ (2) α = m + 7 ni とするとき,α3 = 225 + 2 7 i が成り立つ.このような整 数 m,n の組を求めよ. √ (3) β 3 = 225 + 2 7 i を満たす複素数 β をすべて求めよ. 3 − 1 2 x 5 で定義される関数 f (x) が関係式 2 f (x) = (1 − x)| x − 1 | + | x | − 1, f (0) = 0, f (1) = − 1 6 をみたすとき,次の問いに答えよ. (1) 関数 f (x) を求めよ. (2) y = f (x) のグラフの傾き,f (x) の最大値と最小値を求めよ.また,その ときの x の値を求めよ. 2 4 ∠An = 90◦ ,∠Bn = θ である相似な直角三角形 An Bn Cn (n = 1, 2, 3, · · · ) が, 次のような規則で座標平面上に並べられている. 規則 1) 三角形どうしが,辺以外で重なることはない. 規則 2) 頂点 B1 は座標平面上の原点 (0, 0) と一致し,C1 は点 (1, 0) と一致してい る.また,A1 は第 1 象限にある. 規則 3) m を自然数とするとき,三角形 A2m B2m C2m と三角形 A2m−1 B2m−1 C2m−1 において,B2m は B2m−1 と一致し,C2m は A2m−1 と一致している. さらに,三角形 A2m+1 B2m+1 C2m+1 と三角形 A2m B2m C2m において,頂点 B2m+1 は A2m と一致し,C2m+1 は B2m と一致している. 次の問いに答えよ. (1) A2 の座標を,θ を用いて表せ. (2) A4m (m = 1, 2, · · · ) の座標 (xm , ym ) を,θ を用いて表せ. (3) lim xm および lim ym を求めよ. m→∞ m→∞ 5 三角形 ABC において,AB = AC = 1,∠A = θ とし,この三角形の外接円の中 −→ −→ −→ 心を O とする.また,AB = b,AC = c とし,実数 s,t に対し,AP = sb + tc 1 となる点 P を考える.cos θ = であり,P が外接円の周上にあるとき,次の 3 問いに答えよ. −→ (1) AO を,b,c を用いて表せ. (2) s,t の満たすべき関係式を求めよ. (3) s + t = u,st = v とおくとき,v のとりうる値の範囲を求めよ. −→ (4) 上の (3) において,v が最小値をとるときの AP を,b と c を用いて表せ. また,中心 O との位置関係がわかるように,点 P を図示せよ. 6 放物線 y = x2 上に,x 座標が t である点 P(t) をとる.ただし,t 0 とする. h = 0 とし,放物線の P(t) における法線と,P(t + h) における法線を考える. h → 0 とするとき,この 2 法線の交点の x 座標の極限値を u(t),y 座標の極限 値を v(t) とする.さらに (u(t), v(t)) を Q(t) とする.次の問いに答えよ. (1) u(t) と v(t) を求めよ. (2) Q(t) が上の放物線上にあるとき,t の値と Q(t) の座標を求めよ. (3) 上の放物線,曲線 x = u(t),y = v(t) および y 軸で囲まれた図形の面積を 求めよ. 3 √ 7 1 辺の長さ 2a の正方形の折り紙がある.正方形 ABCD の中心を点 O とし, AO 上に点 E をとり,EO = b とする.図 1 の斜線部分を取り去り,OB,OE に沿って折り,OC と OD を貼り合わせ,図 2 のように三角錐 O-BCE を作って 平面に置いた.O より三角形 BCE に下ろした垂線と三角形 BCE との交点を H とするとき,次の問いに答えよ. √ O D A E 2a b O B C(= D) E H C 図1 −→ −→ −→ −→ (1) OH を OB,OC,OE を用いて表せ. (2) 三角形 BCE の外心を点 P とする.HP = て表せ. B 図2 −→ a のとき OH の長さを a を用い 4 √ 8 漸化式 a1 = 1,an+1 = 1 + an (n = 1, 2, · · · ) によって定められる数列 {an } に ついて,次の問いに答えよ.次のことは既知としてよい. n と無関係な定数 M について,次の A) または B) のうち一方が成立すれ ば,n → ∞ のとき数列 {xn } は有限な極限値を持つ. A) xn < xn+1 < M (n = 1, 2, · · · ) B) xn > xn+1 > M (n = 1, 2, · · · ) (1) n → ∞ のとき {an } は有限な極限値をもつことを証明せよ. (2) lim an を求めよ. n→∞ 4 正解 1 (1) y = −x2 + a2 (2a + 1),y = x3 + ax2 から y を消去すると −x2 + a2 (2a + 1) = x3 + ax2 ゆえに (x − a){x2 + (2a + 1)x + 2a2 + a} = 0 ··· 1 A と B が異なる 3 点を共有するには, 1 が異なる 3 つの実数解をもてば よい.ここで,f (x) = x2 + (2a + 1)x + 2a2 + a とおくと,a > 0 より f (a) = a2 + (2a + 1)a + 2a2 + a = 5a2 + 2a = 0 方程式 f (x) = 0 が,異なる 2 つの実数解をもつとき, 1 は異なる 3 つの 実数解をもつ.このとき,方程式 f (x) = 0 の係数について (2a + 1)2 − 4·1(2a2 + a) > 0 整理すると (2a + 1)(2a − 1) < 0 a > 0 に注意して,これを解くと 0<a< 1 2 (2) f (x) = 0 の解を α,β とすると,解と係数の関係により α + β = −(2a + 1), a > 0 であるから α + β < 0,αβ > 0 αβ = 2a2 + a ゆえに α < 0,β < 0 α,β ,a の符号から,P の x 座標が a である.したがって,方程式 f (x) = 0 の解が b,c である (b < c). √ √ −2a − 1 + 1 − 4a2 −2a − 1 − 1 − 4a2 よって b= ,c = 2 2 (3) (2) の結果から √ √ −2a − 1 + 1 − 4a2 1 − 4a2 − 1 a+b=a+ = 2 √ 2 √ 2 2 ( 1 − 4a − 1)( 1 − 4a + 1) −2a2 √ = =√ <0 2( 1 − 4a2 + 1) 1 − 4a2 + 1 よって b < −a 5 (4) P の x 座標が a であり,P は B : y = x3 + ax2 の点であるから P(a, 2a3 ) y = x3 + ax2 を微分すると y = 3x2 + 2ax 5a2 P における B の接線 l の傾きは よって,l は点 P(a, 2a3 ) を通り,傾き 5a2 の直線であるから y − 2a3 = 5a2 (x − a) よって y = 5a2 x − 3a3 3 a 5 (5) (4) の結果から,l と x 軸との交点の x 座標は 求める面積は,下の図の斜線部分であるから y B P 2a3 O 3 a 5 x a l A この面積を S とすると a S= {−x2 + a2 (2a + 1)}dx − 0 x3 + a2 (2a + 1)x 3 8 2 = a4 + a3 5 3 = − a 1 2 2 − a4 5 0 3 a − a ·2a3 5 6 2 (1) x3 = 1 より (x − 1)(x2 + x + 1) = 0 √ −1 ± 3 i これを解いて x = 1, 2 √ √ (2) α = m + 7 ni より α3 = m3 − 21mn2 + n(3m2 − 7n2 ) 7 i √ α3 = 225 + 2 7 i であるから √ √ m3 − 21mn2 + n(3m2 − 7n2 ) 7 i = 225 + 2 7 i m,n は整数であるから,上式の両辺の実部と虚部を比較すると m3 − 21mn2 = 225, n(3m2 − 7n2 ) = 2 m,n は整数であるから,(∗) の第 2 式から · · · (∗) n = ±1, ± 2 これを (∗) の第 2 式に代入して,m が整数となるのは,次の 2 組 (m, n) = (−3, −2), (3, 2) このうち,(∗) の第 1 式をみたすのは β α (3) β 3 = α3 より (m, n) = (−3, −2) 3 =1 √ β −1 ± 3 i (1) の結果から = 1, α 2 √ −1 ± 3 i したがって β = α,β = α 2 これに,(2) の結果を代入して √ β = −3 − 2 7 i, 1 2 √ √ √ 3 ± 2 21 + (2 7 ∓ 3 3)i (複号同順) 7 3 (1) f (x) = (1 − x)| x − 1 | + | x | − 1 − 1 2 x 5 2 より 1 x2 − 3x − x 0 2 f (x) = x2 − x (0 x 1) 5 −x2 + 3x − 2 1 x 2 · · · (∗) 1 f (0) = 0,f (1) = − により 6 1 3 3 2 1 x − x − x 0 3 2 2 1 1 x3 − x2 (0 x 1) f (x) = 3 2 1 3 2 5 − x3 + x2 − 2x + 1 x 3 2 3 2 (2) (∗) より 1 x(x − 3) − x 0 2 f (x) = x(x − 1) (0 x 1) 5 −(x − 1)(x − 2) 1 x 2 したがって,f (x) の増減表は次のようになる. x f (x) f (x) − 12 ··· + 5 − 12 0 ··· 0 − 0 よって ··· + x = 0, 2 のとき 最大値 0 1 x = − のとき 2 1 0 − 16 最小値 − 5 12 2 ··· 0 − 0 5 2 − 16 y − 21 O 1 − 16 5 − 12 2 5 2 x 8 4 (1) An Bn Cn と An+1 Bn+1 Cn+1 の相似比は 1 : cos θ であるから y A2 = B3 = B4 A4 θ θ Bn Cn = cosn−1 θ したがって A3 = C4 2 A2 B2 = B3 C3 = cos θ A1 = C2 θ 1 C1 x θ B1 = B2 = C3 線分 A2 B2 が x 軸の正の向きとなす角は 2θ であるから A2 (cos2 θ cos 2θ, cos2 θ sin 2θ) (2) A3 B3 C3 について A3 C3 = B3 C3 sin θ = cos2 θ sin θ 線分 A3 B3 が x 軸の正の向きとなす角は を x1 とすると π 2 + θ であるから,A3 の x 座標 π + θ = cos2 θ sin θ(− sin θ) = − sin2 θ cos2 θ 2 x1 = A3 B3 cos 線分 A2 A4 は x 軸と平行であるから,A4 の y 座標を y1 とすると y1 = cos2 θ sin 2θ = 2 sin θ cos3 θ また,A4 の x 座標と A3 の x 座標は等しいから A4 (x1 , y1 ) −−−→ −−−−−−−→ さらに,A4m A4m+4 = (cos4m θ)B1 A4 であるから m cos4(k−1) θ = − sin2 θ cos2 θ × xm = x1 k=1 m cos4(k−1) θ = 2 sin θ cos3 θ × ym = y1 k=1 (xm , ym ) = (3) (2) の結果から − cos2 θ(1 − cos4m θ) 1 + cos2 θ lim xm = − m!1 1 − cos4m θ cos2 θ(1 − cos4m θ) = − 1 − cos4 θ 1 + cos2 θ 2 sin θ cos3 θ(1 − cos4m θ) 1 − cos4m θ = 1 − cos4 θ 1 − cos4 θ , 2 sin θ cos3 θ(1 − cos4m θ) cos2 θ 1 + cos2 θ 1 − cos4 θ , lim ym = − m!1 2 sin θ cos3 θ 1 − cos4 θ 9 5 (1) AB = AC より,AO は ∠BAC の二等分線で あるから A −→ AO = k(b + c) (k は定数) AD を ABC の外接円の直径とすると −→ −→ AD = 2AO = 2k(b + c), −→ −→ −→ BD = AD − AB = (2k − 1)b + 2k c −→ −→ AB⊥BD であるから,AB·BD = 0 より O B C D b·{(2k − 1)b + 2k c} = 0 ゆえに (2k − 1)|b|2 + 2k b·c = 0 1 1 |b| = 1,b·c = |b||c| cos θ = 1·1· = 3 3 1 3 したがって (2k − 1)·12 + 2k· = 0 これを解いて k = 3 8 −→ 3 よって AO = (b + c) 8 −→ −→ 3 (2) (1) の結果から AD = 2AO = (b + c) 4 −→ −→ P が円周上にあるとき,AP·DP = 0 であるから ここで −→ −→ −→ −→ −→ −→ AP·(AP − AD) = 0 ゆえに |AP|2 − AD·AP = 0 したがって 3 | sb + tc |2 − (b + c)·(sb + tc) = 0 4 3 3 2 2 s |b| + 2stb·c + t2 |c|2 − s(|b|2 + b·c) − t(b·c + |c|2 ) = 0 4 4 よって s2 + 2 3 st + t2 − s − t = 0 10 (3) s + t = u,st = v より,s,t を解とする 2 次方程式 x2 − ux + v = は実数 解をもつから u2 ··· 1 u2 − 4v 0 ゆえに v 4 (2) の結果から 4 4 (s + t)2 − st − (s + t) = 0 ゆえに u2 − v − u = 0 3 3 したがって 3 v = (u2 − u) 4 3 すなわち v = 4 1 u− 2 v 2 − 9 16 v= 34 (u2 −u) 9 16 ··· 2 v= 14 u2 1 を満たしながら動くとき, 2 の表す図形 は右の図の実線部分である. 3 9 よって − v 16 16 1 2 O 3 − 16 1 1 3 (4) v が最小となるとき,(3) で示したグラフから u = ,v = − 2 16 1 3 2 このとき,s,t は 2 次方程式 x − x − = 0 の解であるから 2 16 (s, t) = 3 1 ,− 4 4 , 1 3 − , 4 4 −→ −→ 3 1 1 3 AP = b − c または AP = − b + c 4 4 4 4 −→ 5 3 −→ 3 5 (1) の結果から BO = − b + c,CO = b − c 8 8 8 8 よって 3 b− 4 1 − b+ 4 1 c= 4 3 c= 4 −→ −→ 3 3 5 b+c + b − c = AO + CO 8 8 8 −→ −→ 3 5 3 b + c + − b + c = AO + BO 8 8 8 P は O に関して B,C と対称な点であるから,次のようになる. A P P O B C 3 2 u 11 2 解説 s2 + t2 + st − s − t = 0 の表す図形は楕円1 であるから,(s, t) を θ の正 3 則な関数として表すことができる.この方程式を θ で微分すると 2 2s + t − 1 3 ゆえに ds dt , dθ dθ ds + dθ 2 s + 2t − 1 3 2 2 2s + t − 1, s + 2t − 1 · 3 3 dt =0 dθ ds dt , dθ dθ =0 · · · (∗) は楕円の接ベクトルであるから 2 2 2s + t − 1, s + 2t − 1 3 3 は楕円の法ベクトルである. また,st は θ の関数であるから,f (θ) = st とおくと f (θ) = ds dt t + s = (t, s)· dθ dθ ds dt , dθ dθ f (θ) が極値をとるとき,f (θ) = 0 であるから (t, s)· ds dt , dθ dθ =0 · · · (∗∗) このとき,(∗),(∗∗) より 2 2 2s + t − 1, s + 2t − 1 3 3 (s − t) s + t − したがって 1 2 // (t, s) =0 上式をみたす楕円上の点は (s, t) = (0, 0) , 3 3 , 4 4 , 3 1 ,− 4 4 , 1 3 − , 4 4 よって,st は (s, t) = (s, t) = 1 3 3 9 , のとき最大値 , 4 4 16 3 1 1 3 3 ,− , − , のとき最小値 − 4 4 4 4 16 http://kumamoto.s12.xrea.com/nyusi/Qdai ri 2010.pdf の 5 の解説を参照. 12 6 (1) y = x2 を微分すると y = 2x 放物線上の点 (t, t2 ) における法線の方程式は 1(x − t) + 2t(y − t2 ) = 0 すなわち x + 2ty = t + 2t3 ··· 1 s = t とする.放物線上の点 (s, s2 ) における法線の方程式は x + 2sy = s + 2s3 ··· 2 2 − 1 より 2(s − t)y = s − t + 2(s3 − t3 ) ゆえに y = s2 + st + t2 + 1 2 これを 1 に代入すると x + 2t s2 + st + t2 + 1 2 = t + 2t3 ゆえに x = −2st(s + t) −2st(s + t), s2 + st + t2 + 2 直線 1 , 2 の交点の座標は 1 2 この点を s −→ t とした極限の点が (u(t), v(t)) であるから u(t) = lim{−2st(s + t)} = −4t3 s→t v(t) = lim s2 + st + t2 + s→t 1 2 = 3t2 + 1 2 (2) Q(t) が放物線 y = x2 上にあるから 3t2 + ゆえに よって 1 = (−4t3 )2 2 整理すると (2t2 − 1)(4t2 + 1)2 = 0 √ Q(− 2, 2) t 32t6 − 6t2 − 1 = 0 1 0 に注意して t = √ 2 13 1 2 3 1 ゆえに 2x = (−2t)3 ,y = (−2t)2 + 4 2 3 1 2 上の 2 式から t を消去すると y = (2x) 3 + 4 2 (3) (1) の結果から x = −4t3 ,y = 3t2 + 求める面積は,下の図の斜線部分である. y 2 Q 1 2 √ − 2 x O この面積を S とすると 0 S= √ − 2 2 3 1 (2x) 3 + − x2 4 2 2 = 解説 曲線 y = の 9x(2x) 3 x x3 + − 20 2 3 dx 0 √ − 2 = 11 √ 2 15 3 2 (2x) 3 + 1 を放物線 y = x2 の法線群の包絡線という. 4 http://kumamoto.s12.xrea.com/nyusi/Qdai ri 2009.pdf 3 の解説を参照. 14 7 (1) 図 1 の直角三角形 OBE について,OB = a,OE = b から BE = √ a 2 + b2 , BE = DE 図 3 の二等辺三角形 BCE の BC の中点を M とすると a BM = √ 2 図 3 の直角三角形 BEM について EM = √ BE2 − BM2 = a2 + b2 2 a OM = √ 2 図 1 の直角二等辺三角形 OBC から OEM の 3 辺の長さから,∠EOM = 90◦ である. また,図 3 から H は EM 上にあるから,図 4 から EH OE = , OE EM HM OM = OM EM C(=D) O √ b M E √a 2 a2 + b2 図3 B √a 2 H E a2 2 + b2 M 図4 したがって a2 OE2 OM2 : = OE2 : OM2 = b2 : = 2b2 : a2 EM EM 2 −→ −→ −→ 2 2 OB + OC − → − − → a OE + 2b · −→ a2 OE + 2b2 OM 2 OH = = 2b2 + a2 a2 + 2b2 −→ −→ −→ a2 OE + b2 OB + b2 OC = a2 + 2b2 EH : HM = よって 15 (2) 図 3 の二等辺三角形 BCE について θ = ∠BEC とすると,余弦定理により BE2 + CE2 − BC2 √ √ 2BE·CE √ ( a2 + b2 )2 + ( a2 + b2 )2 − ( 2a)2 b2 √ √ = = 2 a + b2 2 a2 + b2 a2 + b2 cos θ = sin θ = ゆえに √ 1− cos2 θ= 1− 2 b2 a2 + b2 √ a a2 + 2b2 = a 2 + b2 二等辺三角形 BCE の外接円の半径 EP は,正弦定理により 1 BC 1 √ a2 + b2 EP = · = × 2a × √ = 2 sin θ 2 a a2 + 2b2 a2 + b2 2(a2 + 2b2 ) (1) で示した結果から EH = OE2 = EM b2 a2 2 = + b2 2b2 2(a2 + 2b2 ) 二等辺三角形 BCE の外心 P は EM 上にあるから,a > b に注意して HP = EP − EH = HP = a のとき 4 a2 + b2 2(a2 + 2b2 ) a2 − b2 2(a2 + 2b2 ) = − a 4 2b2 2(a2 + 2b2 ) ゆえに = a2 − b2 2(a2 + 2b2 ) 7a4 − 18a2 b2 + 8b4 = 0 a (a2 − 2b2 )(7a2 − 4b2 ) = 0 a > b > 0 により b = √ 2 a このとき,図 4 の OEM について,OE = OM = √ ,EM = a から 2 したがって OH = a 2 よって −→ a |OH| = 2 16 8 (1) i) 漸化式から,明らかに an > 0 √ √ a1 = 1,a2 = 2 より,a2 − a1 = 2 − 1 > 0 であるから, an+1 − an > 0 であると仮定すると an+2 2 − an+1 2 = ( したがって √ 1 + an+1 )2 − ( 1 + an )2 = an+1 − an > 0 an+2 − an+1 > 0 よって,{an } は単調増加列である. √ ii) 漸化式の補助方程式 c = c + 1 から √ 1+ 5 c − c − 1 = 0 c > 0 に注意してこれを解くと c = 2 2 a1 − c < 0 であるから,an − c < 0 であると仮定すると an+1 − c = したがって √ 1 + an − c2 an − c 1 + an − c = √ =√ <0 1 + an + c 1 + an + c an+1 − c < 0 よって,すべての自然数 n に対して an < c i),ii) より an < an+1 < c (n = 1, 2, · · · ) よって,{an } は有限な極限値をもつ. (2) (1) の結果から |an+1 − c| = √ したがって lim 1 n→∞ cn−1 |an − c| < = 0 であるから |an − c| 1 < |an − c| c 1 + an + c 1 cn−1 |a1 − c| lim an = c = n→∞ 1+ √ 2 5 17 別解 (1) の結果から,{an } は収束して lim an = lim an+1 = α n→∞ とおくと,an+1 = n→∞ √ 1 + an より √ lim an+1 = lim 1 + an n→∞ n→∞ すなわち α= √ 1+α α は (1) で求めた補助方程式の解であるから lim = α = c = n→∞ 補足 幾何学的には,極限値 α は,y = √ 1+ √ 5 2 1 + x と y = x の交点の y 座標である. y a3 a2 a1 √ y= 1+x −1 1 x O y=x 解説 数列 {xn } が n と無関係な定数 A について xn < xn+1 < A (n = 1, 2, · · · ) が成り立つとき,A は {xn } の上界で,連続公理により,上限 s = sup A ∈ R が 存在する.上限は上界であるから,すべての n ∈ N に対し xn s が成り立つ. 一方,任意の ε > 0 に対して,s − ε < s だから,s − ε は M の上限ではない. そこである n0 ∈ N が存在して s − ε < xn0 となる.このとき,{xn } の単調増加 性により,任意の n n0 に対して s − ε < xn0 xn s ゆえに |xn − s| < ε よって lim xn = sup A n→∞ 同様に,数列 {xn } が n と無関係な定数 B について xn > xn+1 > B (n = 1, 2, · · · ) が成り立つとき,B は {xn } の下界で,連続公理により,下限 inf B ∈ R が存在 し, lim xn = inf B が成り立つ. n→∞
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