No.383 事業用資産の買替え特例の改正 - 税理士法人トータル

No.383
TMブレーンニュース
㈲トータルマネジメントブレーン
坪多税理士事務所
平成24年6月27日
【大阪本社】〒530-0045 大阪市北区天神西町 5-17 アクティ南森町 6F
TEL:06-6361-8301 FAX:06-6361-8302
【東京支社】
〒104-0031 東京都中央区京橋 1-17-1 昭美京橋第 2 ビル 9F
TEL:03-3562-1607 FAX:03-3562-1608
U R L http://www.tsubota-tmb.co.jp/
mail [email protected]
事業用資産の買換え特例の改正
事業用資産の買換え特例は、平成 23 年・平成 24 年と続けて改正が行われてきました。平成 23 年度改正(6 月
改正)では、特定資産の買換え特例の類型が 19 通り(個人は 18 通り)から 10 通りに縮小されましたが、適用
期限は、個人は 26 年 12 月 31 日までに、法人は 26 年 3 月 31 日までに延長されました。
さらに、そのうちのどこにでも買換えができるとして一番人気であった「長期所有土地等から国内にある土地、
建物、構築物、機械装置等への買換え」
(9 号買換え)の適用期限が個人も法人も 23 年 12 月 31 日まででしたが、
平成 24 年度改正により適用期限が 3 年間延長されて 26 年 12 月 31 日までとなりましたが、買換えで取得する土
地等に一定の要件を設ける見直しが行われました。
つまり、取得する買換え資産の「土地等」について「事務所等の一定の建築物等の敷地の用に供されているもの
で、面積が 300 ㎡以上のものに限定する」とする要件が新たに付されたためです。この要件について詳しく説明
致します。
(事務所等とは?)
・事務所、事業所その他の政令で定める施設(
「特定施設」
)の敷地の用に供されるもの(当該特定施設に係る事
業の遂行上必要な駐車場の用に供されるものを含む。
)
・駐車場の用に供されるもの(建物又は構築物の敷地の用に供されていないことについて政令で定めるやむを得
ない事情があるものに限る。
)
※政令で定める「特定施設」の敷地の用に供される「土地等」とは、事業活動に活用される建物等の敷地の用
に供されるものに限定されるということで、この建物等には、工場、研究所、事務所、店舗、倉庫、ホテル、
レストラン、病院、映画館、住宅等が該当することになります。
23 年 6 月改正における買換え特例の見直しでは、1 号買換え(既成市街地等の内から外への買換え)の譲渡資
産から「店舗」が除かれるなどの改正があったことから 9 号買換えにおける特定施設の範囲がどのように規定さ
れるか関心が寄せられていました。自己使用か貸付用かなどについての改正はないので、現行通り事業用の用に
供されていれば貸付用も対象となります。
今回の見直しでは、駐車場や資材置き場など、有効利用とはいえない場合に適用を制限するため、駐車場につい
ては、特定施設に併設され事業遂行上必要となる駐車場だけが対象となります。建物等の敷地の用に供されてい
ない場合には、開発許可申請を行っていて許可が下りるまでに時間がかかるようなやむを得ない事情がある場合
に限り、駐車場の用に供される土地等も対象となります。
また、建替えの切り札とされていた法人税の特例である立体買換え(マンション等の等価交換)は平成 23 年 6
月改正で廃止になっています。同様の立体買換えの税効果を期待するには、上記の 9 号買換えを適用することし
かできません。ここで、新たに付された「面積が 300 ㎡以上のものに限定する」という規定が大きく影響すると
想定されます。
今後は特例が適用できるかどうかが非常に重要な判断基準となります。適用できない場合は思わぬ税負担が予測
されますので、適用できるかどうか十分ご検討ください。
(本間
裕貴)