もっと詳しく見る - 熊本の税理士|税理士法人 優和パートナーズ

FAX NEWS №281
平成 27 年 1 月 5 日
税理士法人 優和パートナーズパ〒860-0026
熊本市中央区鍛冶屋町 8 優和ビル 3 階
Tel 096-319-3339 FAX 096-319-3331
URL
http://www.s-ket.com/
速報!ユウワ通信
新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。昨年 11 月に法人名を優和パ
ートナーズに変更をし、心機一転本年も皆さんのお役に立てるよう精進してまいります。新生、優和パー
トナーズをどうかよろしくお願い申し上げます。
さて、12 月 30 日に例年より2週間以上も遅れて平成 27 年度の税制改正大綱が発表されました。
その中から、皆様に影響のありそうな項目をピックアップしてお伝え致します。
平成 27 年度税制改正の基本的考え方
安倍内閣が進めてきた三本の矢からなる経済政策を税制面から補完するため、平成 25 年、26 年と賃金引
き上げや設備投資を促進するための措置が講じられてきました。
経済再生と財政健全化を両立させるため、平成 26 年4月からは消費税率を3%引き上げたわけですが、
その後、個人消費には力強さに欠ける状況が続いています。
今後も、デフレ脱却・経済再生をより確実なものにしていくため、税制においても、企業が収益力を高
め、賃上げにより積極的に取り組んでいくよう促していく必要があります。
そこで、平成 27 年度からは法人税改革に着手し、課税ベースの拡大により財源を確保しつつ、経済の好
循環の実現を力強く後押しするために税率引き下げを先行させます。
弱い会社をケアする従来政策からの転換です。成長する収益性ある会社を優遇する政策です。賃上げに
より、個人消費を促し、それがまた企業業績に跳ね返るような好循環経済への転換を目指します。
デフレ脱却・経済再生
〇成長志向に重点を置い
た法人税改革
〇住宅取得等資金に係る
贈与税の非課税措置の延
長・拡充
〇NISAの拡充
地方創生
〇地方拠点強化税制の創
設
〇ふるさと納税の拡充
〇ふるさと納税の拡充
・27 年度を初年度とし、以後数年で、法人実効税率を 20%台まで引き下
げることを目指す
-27 年度改正:①欠損金繰越控除の見直し、②受取配当等益金不算入の見
直し、③法人事業税の外形標準課税の拡大、④租税特別措置の見直しによ
り、財源を確保(中小企業に配慮して、大企業中心に改革)。先行減税分
を合わせて、27 年度▲2.51%、28 年度▲3.29%の引き下げを決定
-28 年度改正:課税ベースの拡大等により財源を確保して、28 年度にお
ける税率引き下げ幅のさらなる上乗せを図る(▲3.29%+α)
・所得拡大促進税制の拡充などにより、賃上げの取組みを後押し
・グリーン投資減税の適用期限を平成 28 年 3 月 31 日までに1年円超する
も、対象設備から太陽光発電設備が除かれ、風力発電設備のみに
・足元の住宅市場活性化策及び消費税率 10%への引き上げ(平成 29 年4
月)に伴う駆け込み、反動減対策の観点から、適用期限を延長した上で拡
充(非課税枠:1,000 万円→最大 3,000 万円)
・ジュニアNISAを創設(20 歳未満の者の口座開設を可能に。年間投資
上限額 80 万円)
・投資上限額を引き上げ(年間 100 万円→120 万円)
・地域再生法の新たな枠組みの下、企業の本社機能等に関し、東京圏から
地方への移転又は地方における拡充の取組みを支援するため、税制措置を
創設
※東京 23 区からの移転の場合
①本社等の建物に係る投資減税:特別償却 25%or 税額控除7%(27・
28 年度、29 年度は4%)
②雇用促進税制の特例:地方拠点の増加雇用者数1人当たり最大 80 万
円の税額控除(最大の場合、3年間合計で 140 万円)
・住民税の特例控除額を拡充(上限:個人住民税所得割の1割→2割)
・申告手続を簡素化(確定申告を行わない給与所得者等について、寄附先
〇外国人旅行者向け消費
税免税制度の拡充
〇結婚・子育て資金の一
括贈与に係る贈与税の非
課税措置の創設
の団体が本人に代わって控除手続を行う「ふるさと納税ワンストップ特
例」を創設)
・商店街やショッピングモール内などにおける消費税の免税手続きを、
「免税手続カウンター」でまとめて行えるようにする
・祖父母や両親の資産を早期に移転することを通じて、子や孫の結婚・出
産・育児を後押しするため、これらに要する資金の一括贈与に係る非課税
措置を創設(非課税枠:1,000 万円)
消費税率引き上げ時期の変更に伴う対応
〇消費税率 10%への引き上げ施行日の変更:平成 27 年 10 月1日→平成 29 年4月1日
〇景気判断条項(税制抜本改革法附則 18 条3項)の削除→平成 29 年4月1日に必ず税率引き上げ
〇住宅ローン減税等の適用期限の変更:平成 29 年 12 月 31 日→平成 31 年6月 30 日
※一般の住宅取得に係る給付措置(すまい給付金)等の対象期
間についても1年半延長
〇消費税の軽減税率の導入については、今後検討
国債課税関連
〇国境を越えた役務の提
供に対する消費税の課税
見直し
〇外国子会社配当益金不
算入制度の適正化
〇出国時における譲渡所
得課税の特例の創設
〇非居住者に係る金融口
座情報の自動的交換制度
の整備
・国内外の事業者間の競争条件の公平性を確保する観点から、国外事業者
が国境を越えて行う電子書籍・音楽・広告の配信等の電子商取引を消費税
の課税対象とする
・国際的な二重非課税を防止する観点から、外国子会社において損金に算
入される配当を外国子会社配当益金不算入制度の適用対象から除外
・クロスボーダーでの課税逃れを防止する観点から、巨額の含み益(未実
現のキャピタルゲイン)を有する株式等を保有して出国する者に対する譲
渡所得課税の特例を創設
・非居住者の金融口座情報を各国税務当局と自動的に交換するため、金融
機関に対し非居住者の金融口座情報の報告を求める制度を整備
その他
〇車体課税の見直し
・エコカー減税(自動車重量税・自動車取得税)について、燃費基準の円
滑な移行や足元の自動車消費の喚起の観点から、2年間の経過的な措置と
して、減免税車の対象範囲を見直し
・軽自動車税について、一定の環境性能を有する四輪車等について、燃費
性能に応じた軽課を導入。二輪車等の税率引き上げの適用開始を1年間延
期し、平成 28 年度分からとする
〇たばこ税(旧3級品)
・旧3級品の紙巻たばこ(わかば、ゴールデンバットなど国産6銘柄)に
対する特例税率(一般税率よりも低い税率)について、WTO協定等の内
外無差別原則の遵守を確実なものとするため、段階的に縮減・廃止
〇円滑・適正な納税のための環境整備
・国外扶養親族に係る
扶養控除の適正化
・マイナンバーが付さ
れた預貯金情報の効率
的な利用に係る措置
〇登録免許税
【税理士 岡野 訓】
・国外居住親族に係る扶養控除等の適用の適正化の観点から、適用を受
ける納税者に対し、親族関係書類等を義務づけ
・マイナンバーが付された預貯金情報を納税手続きにおいて効率的に利
用する観点から、銀行等に対し預貯金情報をマイナンバーにより検索可
能な状態で管理することを義務づけ
・土地の売買による所有権移転登記、住宅用家屋の所有権の保存及び移転
登記に関する税率の軽減措置を2年延長
・会社分割に伴う軽減措置は、適用期限の到来をもって廃止