2007 東北大学(理系)前期日程 1 解答解説 問題のページへ 2 2 2 2 (1) x を x - 6x - 12 で割ると, x = ( x - 6x - 12 ) × 1 + ( 6x + 12 ) より, a 2 = 6 , b2 = 12 n (2) x を x 2 - 6x - 12 で割った商を q n ( x ) とおくと, 条件より, x n = ( x 2 - 6x - 12 ) q n ( x ) + ( a n x + bn ) すると, x n +1 = x ( x 2 - 6x - 12 ) q n ( x ) + ( a n x 2 + bn x ) { } = x ( x 2 - 6x - 12 ) q n ( x ) + a n ( x 2 - 6x - 12 ) + ( 6x + 12 ) + bn x = ( x - 6x - 12 ) { xq n ( x ) + a n } + ( 6a n + bn ) x + 12a n 2 ここで, x n +1 を x 2 - 6x - 12 で割った余りが a n +1 x + bn +1 より, a n +1 = 6a n + bn , bn +1 = 12a n ………(*) (3) (1)より a 2 = 6 , b2 = 12 なので, (*)から, 帰納的に a n と bn はともに 6 の倍数で あり, 素数の公約数として, 2 と 3 をもつ。 さて, a n と bn が 5 以上の素数 m を公約数としてもつとき, k, l を整数として, an = m × k , bn = m × l (*)から, 6an -1 + bn -1 = m × k , 12an -1 = m × l 22 × 3an -1 = m × l , 2bn -1 = m ( 2k - l ) m≧5 より, an -1 と bn -1 は素数 m を公約数としてもつ。 すると, 帰納的に, a 2 と b2 は素数 m を公約数としてもつことになるが, これは a 2 = 6 , b2 = 12 に反する。 以上より, a n と bn の公約数で素数となるものは 2 と 3 のみである。 [解 説] (3)では, 記述はしていませんが, a 3 と b3 も計算をして結論を推測しています。そ の後, 簡略に書きましたが, 帰納法を用いて証明をしています。 −1− © 電送数学舎 2007 2007 東北大学(理系)前期日程 2 解答解説 問題のページへ (1) 条件より, sin q = 3 , cos q = 4 より, A 2 5 2 5 sin q = 2 sin q cos q = 24 2 2 25 C D 5 p p B (2) sin p = sin + = sin p cos p + cos p sin p 12 6 4 6 4 6 4 = 1 × 2 + 3 × 2 = 2 (1 + 3 ) 4 2 2 2 2 1 . 414 > ( 1 + 1.732 )>0.96 = 24 4 25 p ここで, 関数 f ( q ) = sin q は 0<q < において単調に増加し, sin q <sin 5 p と 2 12 5 なることから, q < p である。 12 ( ) [解 説] 数値計算はあるものの, さほど面倒でもなく, あっさりと解決する問題です。 −2− © 電送数学舎 2007 2007 東北大学(理系)前期日程 3 (1) 解答解説 問題のページへ f ( x ) = 1n - log x - 1 とおくと, f ¢( x ) = - nn+1 - 1 e x x x x>0 において, f ¢( x )<0 より, f ( x ) は単調に減少し, ( 1 ) f ( 1 ) = 1 - 1 >0 , f e n = 1 - 1 - 1 = - 1 <0 e n e n e よって, f ( x ) = 0 は x≧1 にただ 1 つの解をもつ。 1 1 (2) (1)より, 1<x n<e n となり, lim e n = 1 から, n ®¥ lim x n = 1 n ®¥ [解 説] (1)では, lim f ( x ) = −∞より結論が導けますが, (2)につながりません。そこで, n®¥ 1 f ( x ) の式を眺めて, x = e n のときの値を計算しました。 −3− © 電送数学舎 2007 2007 東北大学(理系)前期日程 4 解答解説 問題のページへ (1) O ( 0, 0 ) , A ( 4, 0 ) , B ( 4, 4 ) , C ( 0, 4 ) , P ( 1, 2 ) と おき, l の長さを L とする。 y 4 まず, 点 P を通る直線が, x = 1 のとき L = 4 である。 2 次に, 点 P を通る直線は, その傾きを m とすると, C B P A y - 2 = m ( x - 1 ) , y = mx - m + 2 ………(*) また, (*)と辺 OA の交点は, 0 = mx - m + 2 , x = m - 2 , m (*)と辺 BC の交点は, 4 = mx - m + 2 , x = m + 2 である。 m O 4 1 x さて, 点 P は, 辺 OA, BC から等距離にあるので, 対称性より m≧0 で考える。 (i) 0 ≦ m< 2 のとき 3 L = ( 4 - 0 ) 1 + m2 = 4 1 + m2 よって, m が増加すると, L は単調に増加する。 (ii) 2 ≦ m<2 のとき 3 ( L = m+2 -0 m ここで, f ( m ) = f ¢( m ) = = = ) 1 + m2 = ( m + 2 )2 ( 1 + m 2 ) m2 ( m + 2 )2 (1 + m 2 ) とおくと, m2 { 2 ( m + 2 )( 1 + m 2 ) + ( m + 2 ) 2 × 2m }m 2 - ( m + 2 ) 2 ( 1 + m 2 ) × 2m m4 2 ( m + 2 ) { ( 1 + m 2 + m 2 + 2m ) m - ( m + 2 )( 1 + m 2 ) } m3 3 2 ( m + 2 )( m - 2 ) m3 すると, f ( m ) の増減は右表のようにな 3 り, L は m = 2 において極小値をとる。 m f ¢( m ) f (m) (iii) m ≧ 2 のとき ( L = m+2 - m-2 m m ) 1 + m2 = 4 2 3 … − 208 9 3 2 … 0 + 2 20 1 +1 m2 よって, m が増加すると, L は単調に減少する。 (i)∼(iii)より, L は m = 2 , m = 2 において連続なので, m = 2 のとき最大となる。 3 3 さらに, m<0 のときについても考え合わせると, m = ± 2 のとき, L は最大値 3 208 = 4 13 をとる。このとき, 直線の方程式は, 9 3 −4− © 電送数学舎 2007 2007 東北大学(理系)前期日程 解答解説 y= 2x+4, y=-2x+8 3 3 3 3 (2) まず, m = 0 のとき, 点 P を通る直線は y = 2 となり, このとき L = 4 である。 また, m→∞のとき L→4 となり, これは, 点 P を通る直線が x = 1 のとき, L = 4 であることに対応する。 ( 3 2 + 2 )2 ( 1 + 3 4 ) さて, f ( 3 2 ) - 4 2 = - 16 = ( 3 4 + 4 3 2 + 4 ) 1 + 31 - 16 3 4 4 = ( 3 4 + 4 3 2 + 4 ) + ( 1 + 2 3 4 + 2 3 2 ) - 16 = 3 3 4 + 6 3 2 - 11 ( ) = 3 ( 3 2 + 1 )2 - 14 ここで, 2>125 から, 3 2 > 5 となり, 4 64 2 3 2 9 - 14 = 19 >0 3 ( 2 + 1 ) - 14>3 ´ 4 16 ( ) よって, f ( 3 2 )>4 2 となるので, 点 P を通る直線が y = 2 または x = 1 のとき, L は最小値 4 をとる。 [解 説] 対称性に気付くと, 場合分けが半減しますが, それでもかなりの計算量です。特に, (2)の詰めには時間を費やしてしまいます。なお, 上の解では, 一般的に直線上の 2 点 ( x1 , mx1 + n ) , ( x 2 , mx 2 + n ) の距離が x1 - x 2 1 + m2 であることを, 説明なしで 用いています。 −5− © 電送数学舎 2007 2007 東北大学(理系)前期日程 5 解答解説 問題のページへ 点 ( 1, 0, 1 ) と点 ( 1, 0, 2 ) を結ぶ線分 l を, z 軸のまわりに 1 回転してできる円筒 形 A の方程式は, x 2 + y2 = 1 , 1 ≦ z ≦ 2 ここで, 円筒形 A を x 軸に垂直な平面 x = t ( - 1 ≦t ≦1 ) で切断すると, その切り口 z は線分となり, 2 2 t + y =1 , 1≦ z ≦2 y = ± 1 - t2 , 1 ≦ z ≦ 2 2 1 ここで, この 2 本の線分を x 軸のまわりに 1 回転して y できるドーナツ状の図形について, その外径を R, 内径 を r とおき, その面積を S ( t ) とすると, S ( t ) = pR 2 - pr 2 =p {( 1 - t2 - )2 + 22 }- p {( 1 - t2 1- t 2 1- t 2 )2 + 12 } = p ( 5 - t 2 ) - p ( 2 - t 2 ) = 3p よって, A を x 軸のまわりに 1 回転してできる立体の体積を V とおくと, V = ò 1 -1 S ( t ) dt = ò 1 -1 3p dt = 6p [解 説] 立体を回転してできる回転体の求積という, 2 代前の課程のころ, よく出題された 問題です。回転軸に垂直な断面積を考えるのがポイントです。なお, 円柱側面の方程 式については, 「ピンポイントレクチャー」を参照してください。 −6− © 電送数学舎 2007 2007 東北大学(理系)前期日程 6 (1) 問題のページへ I0( a ) = 1 + x dx = 2 ( 1 + x 3 0 -3 2 a ®¥ In ( a ) = ò a 0 3 )2 [ a ò lim a (2) 解答解説 ] a = 2 { (1 + 3 0 3 {( 3 3 [ x n 1 + x dx = 2 x n ( 1 + x ) 2 3 = 2 an (1 + 3 - 2n 3 ò a - 1 } より, )2 - ( 1a )2 } = 32 I 0 ( a ) = 2 lim 1 + a a 3 a ®¥ 3 a )2 3 a )2 ] a 0 - 2n 3 ò a 0 3 x n -1 ( 1 + x ) 2 dx x n -1 ( 1 + x ) 1 + x dx 0 3 = 2 a n ( 1 + a ) 2 - 2 n { I n -1 ( a ) + I n ( a ) } 3 3 3 すると, 3 + 2n I n ( a ) = 2 a n ( 1 + a ) 2 - 2 nI n -1 ( a ) より, 3 3 3 In ( a ) = 2 a - 2 ( 1 + a ) 2 - 2n a - ( 2 + n )I n -1 ( a ) 3 + 2n 3 + 2n 3 1 + a 2 - 2n × I n -1 ( a ) ………(*) = 2 3 +n 3 + 2n a 3 + 2n a2 さて, 0 ≦ x ≦ a において, f ( x ) = x n 1 + x は単調に増加することより, (3) a ( - 3 +n 2 ) 3 2 a n ( 1 + a ) 2 - 2n I ( a ) n -1 3 + 2n 3 + 2n 3 In ( a ) = 3 ( 3 ) 0 ≦ x n 1 + x ≦ an 1 + a これより, 0 ≦ ò a 0 x n 1 + x dx ≦ ò 0 0 ≦ I n -1 ( a ) ≦ a n 1 + a I (a) すると, 0 ≦ n -31 ≦ 1 +3a = +n a a2 よって, (*)から, lim a a ®¥ ( - 3 +n 2 ) a a n 1 + a dx = a n +1 1 + a となり, 1 + 1 となり, a→∞のとき I n -1 ( a ) ® 0 3 +n a3 a 2 a2 In( a ) = 2 3 + 2n [解 説] (3)は(2)の漸化式を誘導として考えるのが筋でしょうが,この式を変形する方法は 思いつきません。そこで, 直接的に I n ( a ) を評価し, lim a が, うまくいきません。ただ, lim a a ®¥ ( - 3 +n 2 ) a ®¥ ( - 3 +n 2 ) I n ( a ) を考えました I n -1 ( a ) であれば極限値が求まるという発 見は, その直後でした。 −7− © 電送数学舎 2007
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