高3数 γ No. 10 微分の応用(2) (理系問題演習/柳生

高3数 γ
No. 10
微分の応用(2)
(理系問題演習/柳生)
2014/6/23
(平成11年東工大)
問 22
斜辺の長さが 1 である正 n 角錐を考える.底面を正 n 角形 A1 A2 · · · An ,頂点を O と表せば,
OA1 = OA2 = · · · = OAn = 1 である.そのような正 n 角錐のうち最大の体積をもつものを Cn とする.
(1) Cn の体積 Vn を求めよ.
(2) lim Vn を求めよ.
n→∞
(解) (1) 底面の半径を r とおくと,n 角錐の体積 V は,
1
1
2π √
1 √
2π
V = · n · r2 sin · 1 − r2 = r2 1 − r2 n sin
3
2
n
6
n
√
√
よって,r2 1 − r2 が最大のとき,V も最大となる.r2 = t とおき,0 t 1 のときの f (t) = t 1 − t
√
−1
2 − 3t
2
の最大値を求める.f (t) = 1 − t + t · √
= √
より,t = r2 = のとき,V は最大値をとる.
3
2 1−t 2 1−t
√
1 2 1
2π
3
2π
よって,Vn = · · √ n sin =
n sin
6 3 3
n
27
n
2π
√
√
sin
3
2 3π
n
(2) lim Vn = lim
· 2π
=
2π
n→∞
n→∞ 27
27
n
(平成12年京大)
問 23
実数 a は 0 < a 2 の範囲を動くものとする.
√
2
1
(1) y = x と y = x + 1 − のグラフが共有点をもつような a の範囲を求めよ.
a
a
(2) 2 次方程式 (2x + a − 1)2 = a2 x の複素数の範囲で考えた 2 つの解を α, β(ただし |α|
|β|)とする.
このとき,|β| の最小値を求めよ.
√
√
√
√
1
1
t
(解) (1) y = x 上の点 (t, t) における接線の方程式を求めると,y = √ (x − t) + t = √ x +
2
2 t
2 t
2
1

 = √
2
1
a 2 t √ ⇐⇒ √t = a = 2 − 2
これが直線 y = x + 1 − に一致するとき,

a
a
4
a
 1 −1 = t
a√ 2
これより a2 − 8a + 8 = 0 これを解くと,a = 4 − 2 2 (∵ 0 < a 2)
2
1
1
y = x + 1 − は定点
, 1 を通るから,2 つのグラフが共有点を持つような a の範囲は,
a
a√
2
0<a 4−2 2
√
2
1
(別解) y = x と y = x + 1 − から y を消去すると,
a
a
√
√
2
1
1−a
x = x + 1 − ⇐⇒ 2x + a − 1 = a x ⇐⇒ (2x + a − 1)2 = a2 x かつ x
a
a
2
1−a
2
2
2
⇐⇒ 4x + 4(a − 1)x + (a − 1) − a x = 0 かつ x
2
1−a
2
2
2
⇐⇒ 4x − (a − 2) x + (a − 1) = 0 · · · 1 かつ x
2
(a − 2)2
以上である.
1 が実数解を持つとすると,その 1 つは
8
(a − 2)2 a2 − 4a + 4 a2 1 − a 1 − a
1−a
=
= +
>
であるから, 1 が実数解を持てば,その 1 つは x
を
8
8
8
2
2
2
満たす.よって, 1 が実数解を持つための条件を求めればよく,判別式 D を用いると,条件は
D = (a − 2)4 − 16(a − 1)2 = {(a − 2)2 + 4(a − 1)}{(a − 2)2 − 4(a − 1)} = a2 (a2 − 8a + 8)
√
⇐⇒ a2 − 8a + 8 0 ⇐⇒ 0 < a 4 − 2 2
(2)
(i) 0 < a
0
√
4 − 2 2 のとき
√
(2x + a − 1)2 = a2 x ⇐⇒ 4x2 − (a − 2)2 x + (a − 1)2 = 0 は実数解を持ち,それらは曲線 y = ± x と,
1
2
2
定点
, 1 を通る直線 y = x + 1 − の交点の x 座標である.
2
a
a
√ 2
√ 2
√
√ 1
4−2 2
2
a = 4−2 2 のとき,(1) より 2 曲線の共有点(接点)の x 座標は
= 1−
= 1− 2+ =
4
2
2
√
3 √
3 √
− 2 であり,|β| の最小値は明らかに a = 4 − 2 2 のときの − 2 である.
2
2
√
(ii) 4 − 2 2 < a 2 のとき
4x2 − (a − 2)2 x + (a − 1)2 = 0 の解 α, β は虚数であり,これらは互いに共役だから,|α| = |β| である.
(a − 1)2
(a − 1)2
|a − 1| a − 1
解と係数の関係より αβ =
であり,したがって |β|2 =
ゆえに |β| =
=
で
4
4
2
2
√
3
あり,これは − 3 より大きい.
2
√
3 √
以上より,|β| は a = 4 − 2 2 のとき最小値 − 3 をとる.
2
(自習課題)
(平成12年東工大)
問 24
1 辺の長さが 1 の正三角形を底面とし,高さが 2 の三角柱を考える.この三角柱を平面で切り,
その断面が 3 辺とも三角柱の側面上にある直角三角形であるようにする.そのような直角三角形の面積
がとりうる値の範囲を求めよ.
(解) 実数 t, s(ただし t > 0)を用いて,図のように
√
√
−→
−→
3 1
3
1
ベクトル OP =
, , t , OQ =
, − , s を定める.
2 2
2
2
−
→
−
→
∠POQ = 90◦ となる条件を求めると,OP · OQ = 0 より
3 1
1
1
− + ts = 0 ⇐⇒ ts = − ⇐⇒ s = −
4 4
2
2t
1
三角柱の高さが 2 であるから,t − s = t +
2 よって
2t
√
√
2− 2
2+ 2
2t2 − 4t + 1 0 ⇐⇒
t
2
2
このとき,直角三角形△ POQ の面積を S(t) とおくと,
1 −→ −→
1 3 1 2 3 1 1
S(t) = |OP||OQ| =
+ +t
+ +
2
2 4 4
4 4 4t2
1
1
=
(1 + t2 ) 1 + 2
2
4t
.P(
√
.O
. 23
.
√
3 1
, 2,
2
.12
.Q(
√
3
,
2
− 12 , s)
2
1 2
1 5 1
1
1
=
t + 2+ =
t+
+
2
4t 4 2
2t
4
√
√
1
2 2− 2
t=
⇐⇒ t =
なので,相加相乗平均の関係より,2
2t
2
2
よって,S(t) のとりうる値の範囲は
√
1
1
1
1
3
17
2+
S(t)
4 + すなわち
S(t)
2
4
2
4
4
4
t·
1 √
= 2
2t
(別解) (S(t) の範囲を微分を利用して求める)
1
f (t) = t2 + 2 とおくと,
4t
√
√
1
4t4 − 1 (2t2 + 1)(2t2 − 1) (2t2 + 1)( 2t + 1)( 2t − 1)
f (t) = 2t − 3 =
=
=
2t
2t3
2t3 √
2t3
√
1
2− 2 2+ 2
よって,f (t) は t = √ で最小値 1, t =
,
で最大値 3 をとる.
2
2
2
よって,S(t) のとりうる値の範囲は
√
1
5
1
5
3
17
1+
S(t)
3 + すなわち
S(t)
2
4
2
4
4
4
t)
t+
1
2t
2