こちら - 藤井養蜂場

35 年ぶりの北海道現場
過去男
今回お取引先様から生産現場の取材を行いたいとの要望を受け、過去男こと私も社長の許可を得て、
現在生産部が活動する北海道釧路北部(北海道の藤井養蜂場生産基地)への出張となった。
北海道の生産現場へ行くのは、35 年ぶりとなる。大学生のころ 1 年生、2 年生の夏休みにそれぞれ約 1
か月間アルバイトで行ったきりである。
2012 年 8 月 9 日 16:00 頃
関西は 35 度を超えるほどの猛暑日が
連日続いている。内心爽やかな気候を期待。
しかし、飛行機で釧路に到着するや雨。
撮影のため雨だけは降らないでほしいと
思っていたのにいきなりのカウンターパンチ
をくらう。気温は体感で 22 度ぐらい?
写真は JR 釧路駅:雨降り
行先は標茶駅 釧網(せんもう)本線の
網走行に乗る。1 両編成
車両内は生暖かく、どうも暖房が
入っている模様。
さっそく、車内の温度と湿度で汗がでてきた。
列車から眺める湿原は相変わらずの
雨。調べると明日も雨らしい。
ディーゼル車でオイルの臭いが車内
に充満。息苦しい感じと同時に
雨の天気予報で一層気分が沈む。
1 両編成車内風景
とうろ駅
釧路湿原駅
かやぬま駅
五十石駅
35 年ぶりの標茶駅
当然ながら駅は建て替わっていた。
駅にある地図で藤井養蜂場を確認
藤井養蜂場到着
北海道での前半になるクローバーはちみつの
生産は約 10 年ぶりの大豊作であった。
国産クローバーは採れない年の方が多く、
お取引先には 7 年ほど前に規格は
廃番にしていた。缶を見ると 8 月 6 日の採蜜が
最終日。
缶の上に蜜蝋が無造作に置いてある。
思わず「美味しそうでいい色をしている」と思った。
食べられない蜜蝋を美味しいと感じたのは、やはり
職業柄からくるものなのか。
駅と同様基地宿舎は建て替わっていた
その日は、お取引先様交え、ジンギスカンで
歓迎してもらった。35 年ぶりのジンギスカンは、
懐かしく、また美味しかった。
社長、社長の奥さんそして、写真中央に姿勢正しく座る
S さん(71 歳)は、50 年来の社長の生産現場の相棒的存在で、
その 3 人の会話は 35 年前と変わらない。ただし、お互いに労わるような言葉がでており、微笑ましく
も自分を含め時間の過ぎるのは早いものだと思った。手前には 20 歳前後の若者が 5 人。黙々とおとな
しくジンギスカンを食べていた。超ベテランと新人に近い若者、そして間を取り持つ生産部長。昔と変
わらない生産部のエネルギーを感じた。
明日は、天気よければ午前 2 時出発かと覚悟していたが、雨模様のため、午前 4 時出発。
私は、お取引先様と一緒に近くの旅館に泊まる。出発は午前 3 時半。基地には 3 時 40 分到着
予定通り 4 時に出発
雨ということもあり、午前 4 時過ぎはまだ暗い。
午前 5 時雨が小降りとなり、明るくなってきた。
現場に到着するなり、採蜜の準備。雨が上がっていることに思わず感謝!
奥においてある蜂群から作業開始
手前で蜂を振るい落とし、その後、はけで残って
いる蜂を掃き落とす。次に分離器のところまで
巣脾を運ぶ
遠心分離器に巣脾を入れてはちみつを取り出す
本日の最初の一搾り。主要蜜源は菩提樹
約 24 ㎏単位で缶に移す。まずは 1 缶目
社長は今もなお、現場
の第一線で活躍。
社長が分離器に入れる
前に蜜蓋している部分
を包丁で切り落とす
経験 2 年の若者と
経験 50 年余年の社長
蜂に異常がないか素早く察知・点検しながら、力が必要な蜂振るい
本年は東北での生産状況が
よかったので蜂の出来もよいと
生産部長談。
蜂群に勢いがあるため、巣箱
の中に空間があれば巣枠外に
追加の造巣をする
約 2 時間に及ぶ蜂場での作業も
終わりが近づく。その間、無駄
話は一切なし。当然これは昔と
変わらない。正確には、ミツバチを扱う時は真剣勝負で的確で迅速な作業が必須で、無駄話の時間は一
切ない。
点検を行いながら巣脾を巣箱に戻す
中央の白っぽい菩提樹の巨木と花
近くにある別の
蜂場。ソバの花
が満開。その隣
に蜂場。今年は
60 か所余りの
蜂場に分散して
ミツバチを配置
阿寒湖の湖畔の道路沿いで朝食
時間は午前 10 時前
外の食事も久しぶり
これも昔とあまり変わらない。
阿寒国立公園内の蜂場
その奥の林で、白樺の木に生える
サルノコシカケを社長が発見。
白樺の木のサルノコシカケは大変珍しく
1 ㎏あたり 20 万円ほどで取引される
らしい。しかし高いところに有り、とても採るのは困難。
お取引先様から、親子養蜂家の写真を
撮りたいとの事で、二人が並んだ。
通常では、まず有りえないショットとなった
ため、私も絶好の機会と思い、カメラマンの後ろから
シャッターを切らせてもらった。
最後は、お取引先様からのインタビューで取材は終わ
った。
十数年前にも別のお取引先様と秋田に行ったが、その
時、生産部長はまだ日が浅いように養蜂の作業が見え
たが、今回はさすがに動きも全く違い、力強くなり、
やはり親子なのか、蜂振るいからの所作が社長に似
ていると思わず感じた。
但し、私は養蜂現場に関しては手伝い程度の経験しか
なく、生産部長の所作について、感想を書いたことの
失礼を深くお詫びする次第である。
8 月 10 日 12:30 頃
1 泊 2 日の取材は終了した。短い時間ながらも
大変多くの内容の確認ができ有意義な出張であった。
私ごとであるが、出張前日は 2 時間ほどの睡眠時間で
取材前日は横にはなったものの眠れなかった。
日頃、夜中に仕事するサイクルになっており自業自得
であった。空港への帰り道はお取引先様の車の
後部座席に座らせてもらったが、口を開けて寝ている
自分を 2 回ほど確認できた。
今回、社長の細やかな気遣いをいただき、深く感謝
したい。
釧路空港に着いて間もなく、雨が降り出した。
不思議な天気運に恵まれた出張だった。
17:00 頃、伊丹空港に到着。外は 30 度以上の快晴で夕刻の日差しが痛く感じられた。
終わり