エッセイ31 時間 「時は金なり」 「Time is 時間 TIME Time ・・・・ money」 「歳月人を待たず」 「光陰矢の如し」等々、時(時間) に関する諺は枚挙にいとまがない。普段はそんなに時間を気にした生活をしている訳では ないが、最近、過ぎゆく時間が気になっている。 我が校では、毎月の生活指導朝会時に担当者が、いろいろと趣向を凝らして子どもたち に分かりやすく且つ記憶に残るような指導を展開してくれている。5月の生活目標は「時 間だ着席 さあ勉強!」というものだった。生活指導朝会当日の担当は、子どもたちにい ろいろな話をしながら指導している中で、「時間はいろいろな物と違い貸し借りができな い」旨を話していた。この話を聞いていて、思わず「ウーム・・・」と唸ってしまった。 よくよく考えてみると、確かに「時間」というものは100%貸し借 りができない。お金とかその他の実体のある物だったら、「昨日貸し た○○を返してくれ給え」と催促できる。しかし、いくら待ちぼう けを喰らったとしても、「昨日の25分を今日中に耳を揃えて返してく れ給え」とは言えない。つまり、他人と時間の約束をして、待つ方 の身になった場合には、「待ち人現る」までの時間を全く無駄に過ご したことになる。また、その貴重な時間は二度と我が手に取り返す ことはできない。 平成16年早々にやや体調を崩し、2ヶ月に一度内科医で検診を受けなければならない身 になった。2ヶ月に一度の検診なので勿論完全予約である。予約時刻の1時間半前には病 院に到着して採血をすることになっている。その後、予約の時刻が来るまでは「忍の一字」 である。担当医との面接はせいぜい3~4分くらいだ。しかし、採血から面接までは、い つもだいたい1.5~2時間は待合室で待たねばならない。1.5~2時間 待つのはいつものことだが、9月・11月・1月と3回連続で、予約時 刻前に担当医に急患が入り、いつもよりも余計待たされた挙げ句、違 う医師に振り分けられた。こんな時はさすがに、頭にやや血が上り始 めていらいらしてくる。「オイオイオイ、この貴重な時間をどうして くれるんですか」と、喉まで声が出かかるが・・・・・。急患が来院した のではねえ・・・・。仕方ないか・・・。この点、歯科医の予約は時間を無駄にしないで済むの で有り難い。予約時刻ぎりぎりに受付を済ませることができるし、何よりも予約時刻には 椅子に座って治療を受けられる。また、待ち時間よりも治療に要する時間の方が遙かに長 い。 我々がこの世で生きていられるのは、長い人でもせいぜい100年くらいだ。そのうちの 約三分の一は寝ている時間だから、死んだも同然の時間だ。などと他愛のないことを考え たり、「時は金なり」とは昔の人は本当にうまいことを言ったものだと感心したりしてい る。
© Copyright 2024 ExpyDoc