ヘイグループの人事マネジャー養成コースで何を得たのか ~本コースを修了された方の声を伺いました~ 人事マネジャー、またはその候補の方に対して、人事・人材開発に関わる体系的な知識を 習得いただく目的で、2006 年より年1回のペースで実施している人事マネジャー養成コース は、今年で 6 度目の開催となります。昨年の修了生であるお二方をお招きし、参加されたご感 想やその効果についてうかがってみました(一部敬称略)。 ------------------------------------------------------------------------------------- 株式会社日本旅行 総務人事部 マネジャー 加藤 浩章 様 ------------------------------------------------------------------------------------- 日本たばこ産業株式会社 人事企画部 課長代理 猫宮 裕 様 ------------------------------------------------------------------------------------(聞き手:ヘイ コンサルティング グループ コンサルタント 川本文人) これまでのご経歴と現在の職務内容をお聞かせ 異動となり、今年で 7 年目になります。人事では、 いただけますか。 採用業務全般、現在は主に階層別研修の企画、 運営を中心とした人材開発を担当しています。 加藤 新卒で鉄道会社に入社した後、部門の事 業統合を経て、2001 年より今の会社に来ていま 猫宮 今の会社に新卒入社してから 5 年間営業 す。営業、および営業管理業務を経て、人事に を担当し、人事に異動してきました。人事に来て 1/5 から 1 年半になります。ですから、本コースに参 加していた時は、1 年目だったということになりま 参加者からのコメント① : 外資系大手生命保険会社 人事部 シニアマネジャー A 様 (男性) す。就業規則関連諸制度の立案、運用、それに 紐付く勤怠管理システムの管理を担当していま す。 実務上の知識に加え、特に人事における戦略的 人事マネジャー養成コースに参加されることにな な分野について体系的な知識と理論を身に付けた ったきっかけを教えていただけますか。 い、というのが参加を決めた理由でしたが、その目 的は十分に果たせたと感じています。また、業界や 加藤 人事に来て採用業務や育成の実務を行う 規模を問わず様々な会社の人事のプロの方々と一 中で、評価や処遇または制度などの話が、絡み 緒に取り組むことで、自然な形で多くのケーススタ 合って互いに関連しているということを実感しまし ディに触れることができ、期待以上に視野が拡がっ た。しかし、どうしても日常の業務の中で、担当業 たと感じています。 会社/組織の抱える課題について、人事の立場 務以外のテーマについて幅広く学ぶことには限 で他部門の方々と一緒に議論したり説明する機会 界があるため、一度、実務を離れて、人事業務を が少なくないのですが、以前に比べ、より全体像や 体系的に学んでみたいと思っていた時に、本コ 原則を踏まえた上で対応できるようになったと感じ ースをご紹介いただきました。 ています。 例えば、営業作業部会という、営業部門のメンバ 猫宮 弊社から、過去に 3 名本コースに参加させ ー数名と一緒に当社の人事面における課題につ ていただいておりますが、その方々からの評判が いて議論する場があったのですが、原則的な考え 非常に良かったということで、上司から「参加して 方や一般的に見込まれる効果とリスクなどを踏まえ みては」という提案がありました。弊社の人事は、 ながら、組織ニーズに対応するには具体的にどう 基本的に、担当者が割り当てられた領域につい すべきか、という命題に一緒に取り組むことができ て、プロフェッショナルとして自己完結的に業務 ました。 を遂行するような体制になっています。したがっ 私は毎回のコース終了後、部内の希望者に講 て、人事という機能全体を業務の中で包括的に 義の概要を共有していましたが、当該コースがマネ 学ぶ機会がなかなかありません。しかし、本コー ジャーレベルか否かに関わらず、有益な内容だっ スで扱っている内容が、人事に求められるテーマ たと実感しています。 を体系的に取り扱っていること、他社の人事の方 自身としては、日々様々な事案への対応を求め との交流を通じて、世の中の企業の仕組みや実 られる中、特に未経験の事案へのアプローチや判 態を共有できること。これが参加させていただい 断において、以前よりも応用が効くようになったと感 じています。やはり人事マネジメントにおける様々 た理由です。 な原則を体系的に学んだことが活きていると思いま すし、現場において即活用する機会に恵まれた今 3 ヵ月の講義にご参加いただいてのご感想はい の立場で受講できたことも、私にとっては非常に有 かがでしょうか。 益だったと思います。 加藤 ここまで、多様な業種や役職の方が一堂 2/5 に会して、3 ヵ月間をかけて様々な議論や意見交 また、参加された方の旗振りで、持ち回りで自 換をする場は少ないと思います。その中で、様々 社に参加者を招いて人事制度や育成体系など な価値観をぶつけ合うことによって、自分の会社 について話す機会がありますが、これも自分の会 の強みとなるところ、足りないところに気づくことが 社との違いを、雰囲気も含めて感じることができ、 多かったという印象です。 とても参考になっています。 講師の方についても、一方的に押し付けるとい うことがなく、「ファシリテーター」に近い形で、双 前回のコースが終わって半年になりますが、どう 方向コミュニケーションの場づくり、議論がしやす いった効果をお感じになっていますか。 い雰囲気を作っていただきました。 プログラムの内容自体も、人事制度設計や評 加藤 人事制度の見直しを検討する中で、上司 価の仕方、リーダーシップ開発など、多岐にわた から意見を求められるようになりました。その際、 るプログラムが用意されていて、体系的に学びた いただいたテキストや参加者と情報交換した内 いという、当初の目的を達成できたと思います。 容が活かされています。 加えて、自分の担当している人材開発領域に 猫宮 今、弊社で悩んでいたことが、自社特有の ついても、従来と違った視点で考えられるように 内容かと思っていたら、実は他の会社の方も同じ なりました。そういう意味で、非常に多くのインプ ように悩んでいたということが分かり、大変参考に ットを講師、または参加者の皆様からいただいた なる知恵をいただくことができました。 と思っています。後は、これを自社の業務にどの ように生かしてアウトプットを出していくかが重要 だと考えています。 仕事の幅が広がった、ないし、周りから見た加藤 様に対する期待値が高まったということでしょう ね。 私自身、他にもいくつか人事を担当されている 加藤 そのように理解しています。今回の人事マ 方を集めた研修に参加したことがあるのですが、 ネジャー養成コースの様な外部研修に参加する 他のコースは単発的で期間も短いため、コース こと自体、部として初めてのことだったので、なか 終了後も参加者との交流が続くということはありま なか承認をもらうことが大変でした。それだけ熱 せん。本コースでは、講義自体もインタラクティブ 意をもって参加したのだから、それなりの価値を で参加者同士が仲良くなりやすい環境となって 還元してほしいと期待されているのだと思いま いることに加え、講義後には懇親会が用意され す。 ており、関係を構築、強化する絶好の機会である と思いました。おかげで、コース終了後も、他社 猫宮 私の場合は、今の実務にすぐ直結してい の状況を知りたいと思った時に、参加者の方々 るということではないのですが、自分のいる人事 からメールで情報をいただいて、業務に生かした 部の中で、各担当者がどんなことをしているのか ということもありました。 が分かるようになりました。また、自分自身の関心 3/5 の幅が広がり、今自分が担当している仕事がな と思います。 ぜ必要なのか、人事という機能全体の中での位 置付けが明確になった気がします。そういう意味 猫宮 私の場合、営業を経験後、人事 1 年目で で、自分自身の意識が変わったと感じています。 したので、人事経験の浅い人が、人事全体を勉 また、弊社の人材育成ってどういうことをやっ 強する機会としては非常によかったと思います。 ているのか、報酬ってどうやって決めているのか、 加えて、事業部門や営業部門で人事を担当され にも興味がわき、担当領域以外の内容も理解で ている方も、部門ごとの目標設定の仕方や人材 きるようになったため、人事部内で様々な会議や 育成の方法を考える機会があるでしょうから、人 ディスカッションに参加できるようになったという 事が専門の方でなくても、こういうコースを受けて 点が、大きな変化だと思います。 いただければ力になると思いますね。 加えて、自分がやっている業務について、この 部分を変えると、他の人が担当している領域のど 最後に、コースを通して、特に印象に残っている ういうところに影響するだろうかという見通しがつ ことを教えていただけますでしょうか。 けられるようになりました。 結果として、個人的には、人事の中で自分が 加藤 個人的には、リーダー育成などの人材育 担当している領域以外にも広く携わっていけるよ 成部分が印象に残っています。まさに若手から うに思いますし、人事の中で自身のキャリアが描 中堅に対する育成体系を考えていたところだっ けるようになった点が、参加しての非常に大きな たので、会社としてどういう考えに基づいて全体 収穫だと感じています。 に横串を通しながら育成をしていくのかという点 で、参考にさせていただきました。 今後、本コースをどういう人に受けてほしいと思 われますか、どういう人が受けると効果的と思わ れますか。 加藤 私もそうだったのですが、人事を体系的に 学びたいという人には、本当にお薦めできると思 います。講義、いわゆるインプットに偏っているわ けではなくて、ケーススタディ(アウトプット)が程 具体的なスキルでいうと、コンピテンシーのイン 良く含まれているということです。学びを最大化 タビュースキルが印象深いです。私どもは、社員 するという意味では、これは非常に重要だと思い を面談する機会が非常に多いのですが、これま ます。 でインタビュースキルのレクチャーを受けたことが なかったので、非常に実務としてタメになりまし もう一つ、人事として、これから会社をサポート た。 したい、経営をサポートしたいという、強い思いが あと、全回通して、眠くなることがなかった(笑)。 ある方にとっては、参加者とのネットワークを通じ て、様々な企業の制度、強み、課題が分かる非 これは実は研修では結構珍しいと思います。講 常に貴重な機会を得ることになります。コース終 義が昼過ぎからスタートということで、眠くなりがち 了後の関係構築も含めて、非常にいいコースだ なのですが、講義とケーススタディが程良く組み 4/5 合わさった飽きのこないカリキュラムになっている のだと思います。おかげさまで、参加者の方とは 参加者からのコメント② : 外資系大手通信会社 営業部門 教育担当 マネジャー B 様 (女性) 非常にいい議論ができました。学生の時の“同 期”のような一体感ができたと思います。そういう 意味で、非常にいい雰囲気づくりをしていただい た講師の方、事務局の方には感謝しています。 営業部門の教育担当として、営業・SE 向けのトレー ものすごく大事なことだと思います。 ニングを開発・企画しています。私は人事部に所属して いないので、人事制度の知識が乏しく一度人事制度全 猫宮 リーダーシップ育成の部分は、非常に印 般について包括的に勉強できる機会はないか、また人 象に残っています。リーダーシップというものは 事制度と人材育成をどのように関連付ければ良いのか 生来のもので、会社に入る前からある人と無い人 ということを知りたく参加しました。 が決まっているのかと思っていたのですが、働き トレーニングは業種の違った様々な会社の方々が集 ながらでも開発出来るということを学べました。 まり、ディスカッションを中心に進められていきました。わ また、参加者同士で、フランクに情報交換でき ざわざ名古屋・大阪・神戸からもご参加されている方々 たり、愚痴を言い合えたりできたので、今までず もいらっしゃり、目的意識を持った方が集まった研修だ っと自分の会社で自分の会社のことだけを考え ったと思います。 て仕事をしていたと思うのですが、人事の仕事っ また参加者のみなさんおよびヘイグループの事務局 て事業規模が違っても共通の部分が多いので、 のみなさんと研修後に行われる懇親会も、本当に楽し いひとときでした。 自分と他社の方とのつながりを感じ、そこからさま 当初の目的どおり人事制度全般について学ぶことが ざまな気づきや刺激を得ることができました。 また、本や雑誌を読んで、他社の研究をしても、 実際にそこの会社で働いている、人事を担当し できたこと、また参加者の方々が抱えていらっしゃる問 題や成功事例なども共有する機会に恵まれたこと、そし て優秀な参加者のみなさんとの人脈を構築できたのも ている人の本音までは分かりません。そういうとこ 大きな収穫でした。 ろまで踏み込んで情報を得られるきっかけになっ トレーニングを修了して 6 か月がたちましたが、以前 たことがすごくよかったと思います。 に比べてマクロ的な視点で研修の設計・企画ができるよ うになったと思います。また、弊社の人事制度上の特 貴重なご意見ありがとうございました。(2011 年 徴・改善するべき点も見えてきたので、この勉強会での 3 月) 収穫を活かしながら今後の人事戦略について提言をし ---------------------------------------- ていきたいと考えています。 第 6 回人事マネジャー養成コース問い合わせ先 ぜひ次回は、私のチームメンバーに受講することを 株式会社ヘイ コンサルティング グループ 推薦したいと思っています。また事業部で様々な企画 人事マネジャー養成コース事務局 に携わっていらっしゃる方々や、幹部候補のマネジャー 電話番号:03-3406-9061 の方々もこのような研修で学ぶことにより、いままで以上 FAX:03-3406-9062 に広い視点でものごとを考えられるようになるのではな E-mail:[email protected]m いかと思いました。 5/5
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