No. No. 22 22 2003. 2003. 3. 3. 人工手入れ砂の開発 1.背景・ねらい 本県の砂地畑農業においては,「手入れ砂」がサツマイモ,ダイコンの収量安定と品質 向上を図るための不可欠な土壌改良材として定着している。しかし,県沿岸では海岸保全 の観点から海砂採取が禁止されており,現在使用している県外海砂も次第に入手が困難な 状況に至っている。 そこで,吉野川河口砂の特性を再現するため,結晶片岩を主体とした砂利を砂の角が取 れる新型粉砕機で粉砕した‘人工砂’を作成し,サツマイモ栽培に対する「手入れ砂」効 果を検討したので報告する。 2.成果の内容 人工砂は砂地畑土壌の排水性を良くする,土壌を柔らかくする,土壌中の空気を通り易 くする等,土壌の物理性の改善とサツマイモの外観上の品質向上などの点で従来の「手入 れ砂」と同等の効果が認められた。 また,微量要素資材を上乗せ施用することで,より一層の品質向上が期待できる。 4000 3000 8 通気性(ml/分) 土壌硬度(mm) 10 6 4 2 2000 1000 20cm 0 10cm 無処理区 人工砂区 人工砂+微量要素区 10cm 15cm 20cm 深さ 0 深さ 無処理区 人工砂区 人工砂+微量要素区 図1 土壌の硬さ 図2 無処理区 無処理区 無 弱 強 人工砂区 人工砂+微量要素区 0% 図3 土壌の通気性(空気の通り易さ) 小 中 大 人工砂区 人工砂+微量要素区 20% 40% 60% 80% 100% 塊根表面の凹凸の程度 0% 20% 図4 40% 60% 80% 100% 皮目の大きさの程度 3.成果の活用・留意点 粒径を大粒,中粒,小粒の 3 段階に調整した 3 種類の人工砂を作成し,現地圃場の粒径 組成や地下水位等個々の土壌条件に応じて,人工砂の適当な粒径や客砂量を診断すること でより綿密な土壌管理ができる。 問い合わせ先 徳島県立農林水産総合技術支援センター 農業研究所 生産環境担当 TEL(088)674-1660 FAX (088)674-3114 http://www.green.pref.tokushima.jp/nogyo
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