ガンマ線バースト偏光X線観測用小型衛星「燕」の 開発

ガンマ線バースト偏光X線観測用
小型衛星Cute-Ⅱ「燕」の開発
斉藤孝男、有元誠、片岡淳、倉本祐輔、谷津陽一、
古徳純一、五十川知子、河合誠之(東工大理)、
東工大工学部松永研究室
大学規模の小型衛星開発
• 東工大工学部松永研究室と共同開発
CUTE-I
CUTE-1.7
10cm×10cm×10cm ,1kg
10cm×20cm×10cm ,2kg
打ち上げ成功!
純粋な工学技術実証
CUTE-2
30cm×30cm×20cm ,20kg
来年末打ち上げ予定
理学用センサーの搭載
(宇宙での動作実証試験)

新たな技術の実証

学生の教育
小型衛星による
サイエンスを目指す
NeXTなど
の大型衛星
小型衛星Cute-Ⅱプロジェクト

小型衛星によるサイエンスミッション
高い機動性と、短い開発期間
硬X線の偏光観測

大型衛星による観測は実現にお金と時間がかかる

気球観測では得られない長時間の観測が可能

高速な姿勢制御を行うことでガンマ線バーストの
prompt emissionにも対応
第12回衛星設計コンテスト 設計大賞受賞!
硬X線偏光計
中央:プラスチックシンチレータ
+PMT
周囲:CsIシンチレータ×8
+APD×8

50~300keVを観測

PMTとAPDの同時計数

散乱X線の自己吸収の軽減
APD
PMT
バースト位置検出器
• CsI+APD
• 衛星の各面に合計5 units
搭載
• 各検出器のカウント数の
重みから、位置を算出
約10°の精度で位置を検出
高速姿勢制御デバイス
• Control Momentum Gyro
従来は特異点に
達しない程度の
小さな領域で制御
従来法 1
ジャイロの回転軸を
回避動作 3変えることでトルクを
発生させる
特異点回避動作を行う
ことで本来の大きなトルクを
得られる
工学部松永研究室で
小型のCMGの研究を
行なっている
角運動量包絡域と
特異点 黒河,1987
シミュレーションの結果
• バースト発生から観測まで
10秒
1
0.75
Quaternion
0.5
0.25
0
-0.25
-0.5
-0.75
-1
0
2
4
6
8
Time [sec]
10
12
14
Anguler Velocity [rad/s] .
姿勢角(quaternion)
0.02
0
-0.02
-0.04
-0.06
-0.08
-0.1
-0.12
-0.14
-0.16
-0.18
-0.2
0
2
4
6
8
Time [sec]
角速度
10
12
14
観測天体
• ガンマ線バースト (多くても~数個/年)
バーストのない間は
• 定常X線天体
(Crab, Syg X-1等)
Crabなら60時間程度で3σで偏光を検出可能
バーストが起こると、CMGを用いて
直ちに姿勢を変更し、観測を行う
まとめ
• 東京工業大学では理学と工学共同で
小型衛星の開発を行っている。
• ガンマ線バースト偏光観測用小型衛星
「燕」の設計を行った。
今後の課題
2006年度末には打ち上げたい!
バックグラウンドの正確な評価、
偏光計の見直しなど
CMG
• 三軸トルカとして
出力トルクは,4台のCMGの配置により複雑に変化する.

出力トルクの目安: T  h  δ
標準的な状態 M (δ)  1
T  M (δ)  h  δ
特異点 M (δ)  0