- 24 - 42B ︻ 8 1 頁 ︼ 難有 仕合ニ 奉 存候 処 又 候 見習役 被 仰付身

42B
文久元年辛酉
︻81頁︼
)
1
6
8
1
(
三月
ま たぞ ろ
又 候
遂其節
御心入を以萩御用所
御心入を以萩御用所 御用迄被仰付有之
難有仕合ニ奉存候処
前断之趣ニ付
御断可申出と相考申候得共
御 筆 者 見 習 役 被 仰 付 身 ニ余 リ難 有 仕 合 ニ奉 存 候 然 ル
所
夜中共ハ至極無 覚 束
おぼ つ かな く
然る処年来眼病之気味ニ而御座候
御 心 入 を以 被 召 仕 候 儀 者 忘 却 仕 候 而 ハ不 相 済 儀 と差 抧
出 勤仕 候
にぶ
何卒此上之
去秋より別而 魯 ク相成
43A
仕合ニ而当惑仕間
︻82頁︼
御憐愍を以御差繰被仰付被遂候ハヽ 引〆保養仕
似合之御奉公申上度奉存候 ヶ様之儀申出之段ハ深ク
拠御 断
よ ん どこ ろ な く
奉恐入候得共 前断旁之趣不任心底 無
以上
御差 繰 難 被 為 成 被 差 留 候 条
横田文右衛門
申 出 候 ニ付 此 段 御 序 之 節 宜 様 御 取 成 被 成 可 被 下 候
奉頼候
三月十六日
やい
同 廿 日 右気 分 相 ニ付 断 出 之 儀
遂其節候様手紙を以申来り候ニ付早々令沙汰候事
︻83頁︼
43B
同十七日
親類此分 梅地
尾木
金輔
ニ?
市郎兵衛より ↑
彦右衛門儀
米
米
三 斗 五升 也
三 斗 五升 也
四斗五升也
同ノ
同ノ
御組中間
孫平
浅右衛門
末松
弥三助
小
同
三 斗 五升 也
同ノ
文右衛門
願
同
三 斗 五升 也
同ノ
興平
彦右衛門
同
三斗五升也
同ノ
有田
同
三斗五升也
44A
同
︻84頁︼
右之人数より至極難渋ニ付 秋返納ニ〆御貸米被仰付被下
候様覚書を以願出候事 尚又中間分之儀ハ須佐在郷両證人
有田
より覚書差出候事
三斗也
中間 六 人
彦右衛門
弐斗宛
右同廿二日願書之通り御貸米被仰付候段申来り候ニ付
令 沙 汰候 事
- 24 -
「有田彦右衛門」に追記し
たものと考えられるか、読
解文の順序がおかしい。
同日
米弐斗也
44B
御 組 中間
嘉平
右 難 渋 ニ付 御 貸 米 願 出 候 得 共 実 ハ嘉 平 百 姓 之 極 難 之 分
︻85頁︼
あいかなわず
置候 事
しる しおき
自 身 之 分 ニ〆 願 出 候 得 共 願 不 相 叶 御 願 書 下 り候 事 已 後
あいな るべく
見渡ニも可 相 成ゆへ記
付り 右様之趣者 御賣米之御払共願出候ハヽ其節之
御見計いを以御免被仰付候事も有之様承り候事
同廿一日
谷本新右衛門養子ニ梅地金助弟義馬儀 内輪不折合ニ
お ゆ る しとげら れ
付違変之儀 願 之通 り被 遂 御 免之 段申来り候ニ付早速
令沙汰候事
45A
付り
同 人 儀 当 年御 米 方
田村順左衛門娘死去ニ付届 尚知せと〆親類中尾
同廿四日
︻86頁︼
一
寛 右 衛 門 を以 届 出 候 事
三月
役 所勤ニ付職座 へハ別段届出候事
文久元年辛酉
一
同廿六日
忌
か の もの
同人儀娘死亡ニ付身柄気中と罷居候
然ル處
当御米方役 所勤ニ付彼 者忌御免被仰付候段
手紙を以申来り候事
45B
勝太組
御中間
御聞込之趣
千吉
︻注︼御米方役=︵おんこめかたやく︶益田家の年貢米出納を司る役。
︻87頁︼
46A
この頁白紙
︻88頁︼
同日
増野
治メ方之儀ニ付
と り おさ め
右内輪取
有之先追込 被仰 付候事
酉ノ三月廿六日
46B
内 田 権 右衛 門
右之通り申来り候ニ付 早速令沙汰候事
︻89頁︼
米四斗 五升也
同廿七日
一
- 25 -
)
1
6
8
1
(
文久元年辛酉
)
1
6
8
1
(
三月∼四月
拠秋 返納
よ ん どこ ろ な く
右 内 輪 難 渋 其 上 父 久 右 衛 門 只 様 病 気 ニ付 無
内 田 権 右衛 門
ニ〆 一 ツ書 之 通 御 貸 米 親 類 内 田 勝 三 郎 ・石 川 要 左 衛 門
両人より願出候事
米四斗也
同廿八日
一
右之通り御貸米被仰付候段申来り候ニ付 早速令
47A
石 津 伝 右 衛 門 儀 御 用 ニ付 今 日 出 萩 相 成 候 ニ付 留 守 組 頼 置 ニ〆
四 月朔 日
沙汰候事
︻90頁︼
一
覚
御中間
和助
徳 兵衛
今朝證人 石川興兵衛 拙宅参り候事
同二日
米三斗也
一
一
〃
二斗五升也
一
御 中間
彦助育
︻注︼
育 =︵はごくみ︶他人を養子とし、又は養子となることで、家督とは関係なく、
これによって立身 又 は縁 付などの条 件 を良 くす ることを目 的とす る戸 籍 関
係 である。武 士 などが百 姓 町 人 を育 にす ることは多 く行 われ、また庶 民 の
間にも育の関係は存在した。
な にとぞ
︻91頁︼ 47B
かねて
い たっ て さ しつ かえ
右 之 銘 々 兼 而 難 渋 ニ候 處 当 年 至 而差 閊 之 段 申 出
候 ニ付 何 卒 格 別 之 御 心 入 を以秋 石 返 納 ニ〆 御 貸 米
奉頼候
瀬尻組
御 中間
千吉
中村 惣 兵衛
已上
被仰付被下候様奉願候 此段御序之節宜様御 取成
同日
月日
被成可被下候
右
48A
は ごく
こ れあ り
あ い こ こ ろ え る べく
尤御詮議筋も有 之先
か しさ げ
石津組内難渋ニ付 御貸米願出之徳兵衛分二斗
同三日
右 之 通 り明 朝 致 沙 汰 候 様 申 来 り候 ニ付 令 沙 汰 候 事
御役場所勤之處 被 差 留候条 旁可 相 心 得候 事
さ し と めら れ
御心入を以被遂御免候
御聞込之趣有之 此内追込 被仰付置候處
︻92頁︼
一
彦 助 育 み和 助江 弐 斗 御 貸 下 被 仰 付 候 段 申 来 り候 ニ付
- 26 -
令
48B
沙汰候事
︻93頁︼
米 弐斗 五 升 也
同十六日
一
〃
弐斗宛
一
石津組
石川
瀬平
久左衛門育
氏 名 一 同願 出候 得共
不 及御 詮 議候 事
御中間
〃
濱廻
弥左衛門
良左衛門
久蔵
種蔵
〃
右当春至極難渋ニ付 秋石返納ニ〆御貸米願出
か しさ げ
候 處 一 ツ書 之 通 御 貸 下 被 仰 付 候 ニ付 令 沙 汰 候 事
︻注︼
濱廻 =︵はままわり︶
49A
継?
四月
組 内 中 間 五 郎左 衛 門中 續 和 平 儀 過 ル八 日 石州美 濃 地 ニ而源 平 場
同 十八 日
︻94頁︼
一
文久元年辛酉
是評 判有之
あ れこれ
ニ而不都合之儀之彼
者不都合場所
か の もの
実事彼
者 手 籠られ候
か のも の て ごめ
来 終 ニ少 々 彼
口 論 しゅったい つ い
立 合 其 上 番 役 之 者 と公 論 出
様子ニ付
まち が い な し
半間内之儀ニ付 中ニ立候處
其場所行
かなた
勘助とも
矢張彼 方源平
尚 其 砌 中 間 之文右衛門世倅 勘 助之儀
みぎ り
組内中半間より右五郎右衛門相合 御役所勤仕苦敷段證人 迄
願出候
懸り見受候處
う むな く
人数共寄集り 無有無此者出迎ニ無 間 違と申
49B
右両人へ組 内より同様申出候段
︻注 ︼◇中 継 = ︵なかつぎ︶幼 年 の相 続者 が成 長 す るまで一 時 家 督 を継 ぐこと、また
その人。
◇美濃地 =島根県益田市美濃地町。現在120世帯、人口342人の町。
◇源 平 場 = 何 のこと? 丁 か半 か二 組 で勝 負 す るサイコロ賭 博 場 の事 ではない
か。源平は赤白二組で勝負すること。
︻95頁︼
〆候 由ニ付
とりしまり
同様ニ取
證人横田秀五郎申出候ニ付早速職座 迄致内談
置候事
同日
五郎右衛門中継
和平
文︵右︶衛門世倅
勘助
右 両人 之 儀先 当 分 御番 勤之 處 致 差繰 五郎 右 衛 門
文︵右︶衛門両人御番勤ニ罷出候様授 置候事
- 27 -
)
1
6
8
1
(
50A
文久元年辛酉
︻96頁︼
同廿一日
)
1
6
8
1
(
甚助
文 右 衛 門 世倅
四月∼五月
瀬 尻 組御 中間
先追込 被仰付候条
和平
五郎右衛門中継
右 御 聞 込 之趣 有 之
已上
同断ノ
此段 可 有 御 沙 汰 候
一〃一斗 五升
御中間
同ノ
五郎右衛門
書き落とし?
51A
べっして
一〃一斗 五升
︻98頁︼
かねて
右兼而難渋之處 当年別 而取り渡方六ヶ敷候ニ付
御貸米願出候處 一ツ書之辻被仰付候事
同日
瀬 尻 柴 草山 一 件左 之通 り
おお たお
一 大 峠 より西ヶ河内 邊 都合 組内取 切之場所柄ニ而 組内
申合せ 其年之場 所見合せ火込 候而 柴草刈り取候儀
右之場所柴草者勿論 少 々 牛
右之通り申来り候ニ付 早々致沙汰
51B
時分相考焼切候
山 之 焼切者 郷よ
夫 を申 而 も
田畠受場平者一向ニからせ不申段 已前より行 成 ニ候事
之山奥ニ者一日干之草位者大目ニ見来り候尤是者申候 而も
鎌 差 留 候 事 右 田 植 ニ而 相 済 候 上 者 牛 之 草 一荷 刈 り又 ハ少 々
︻99頁︼
︻注︼◇大峠 =︵おおたお︶萩市田万川、上田万の地名。
◇西ヶ河内 =︵にしがかわち︶萩 市田万川地区上田万の西ノ 河内 のことと思わ
れる。
之 草 一荷 ニ而 組 内 之 植 田 相 済 候 迄 者 脇 方 よりと〆 者 一 向
往 古
奥後より先例ニ候事
50B
候事
︻97頁︼
今日者
付り 是迄右様被仰付候節者打廻り ・
後 附 被差出候 間
旁 左 様 御 心 得 ニ而 可 有 御 沙 汰 段 申 来 り候 得 共
落 共 ニて候 哉 之 段 致 詮 議 候 處 書
かきおとし
右 之 文 言 無 之 ニ付 書
落ニ候而有之候事
五月二日
焼 切 之 節 も勿 論 組 内 申 合 せ
郷 ノ庄 屋 ・
畔 頭 之 懸 り合 一 向 無 之 候 尤城
一
繁左衛門
り
石 津 伝右 衛 門 組内
御中間
茂平
じょうやま
一
濱廻ノ
米二斗
一〃二斗
- 28 -
一
焼 切 候 其 焼 ケ小 口 より瀬 尻 方 者 組 内 焼 切 候 場 所 ニ而 候 事
郷地平 右衛門 受ニ而 畠少々
為已後見渡 記置候 事
付り 郷内ニ而開作 邊ニ水 出之節者 牛草など不如意ニ而
刈り取六ヶ敷なり候申事ニも有之由ニ候得共 是者
西ヶ河内 ニ而 者御 木屋 ニ不被申 所
有之
同所前方
9
5
8
1
)
1
6
8
1
(
五月
53A
同 十六 日
︻102頁︼
右
増 野勝 太 組
御中間五郎右衛門中継
和平
御 聞 込 之 趣 有 之 先 達 而 先追 込 被 仰 付 置 候 處
殊ニ穢多之者と及
え た
先月八日石州美濃地 罷越
と りし い
詮議被仰付候得者
かけ
53B
終ニ耻辱を受候次第ハ御家人之身分ニ〆
御制禁之 懸 勝負取 強
争論
︻103頁︼
追々
︻注︼
◇小川境 =︵おがわさかい︶田万村と小川村の村境。街道沿いの村境は上田万村
小 田 谷 と小 川 村 の足 谷 の間 で現 在 の地 名 で言 う と上 組 付 近 か。一 里 山
があった︵御 国 廻 御 行 程 記 ︶ また、中 小 川 友 信 と上 田 万 瀬 尻 との間 に
ある城山の支峰鹿 ヶ嶽︵ししがたけ︶が両村の村境だった。
結 局 、現 在 地 の確 認 は困 難 だが、この柴 草 刈 り事 件 の舞 台 は、瀬 尻 の後
方城山山麓一帯の山地であったと思われる。
候事
牛ノ草位者さて置 田の入草迄かり候ハ場所之由ニ
ニ而開作 之後平 小川境 迄草刈り場余分有之
増野藤右衛門方給地ニ而有之候事
52A
︻注︼◇行成 =︵ゆきなり︶ことがらの成り行き。
◇城 山 =︵じょうや ま︶田万川町の中央、中小川友信と上田万村瀬尻の境にあ
る山。標高308m。隣の支峯が鹿ヶ嶽︵ししがたけ︶城。︵田万川町史278
頁︶
◇御 木 屋 ︵方 ︶︵おんこや かた︶= 材 木 及 び作 事 植 樹 等 を管 す る役 ︵﹁もりのし
げり﹂ 頁︶
︻100頁︼
安政 六
右之通り過ル未 ノ 年から郷庄屋と懸合有之候處 当春
上田万 庄 屋堀 野徳 十郎方江 組内先例之通りニ而 脇方
さ しとめ
之採用差 留候 間 旁其 段致 承知候様 地下打廻り 之
委細承知之仕候段 打廻 より返答
お お たお
当春郷地開作 ノ長右衛門 世倅大 峠 江 参り其外
小右衛門を以申入候 事
致候 後
せ しめ
〆 勿論刈草者押
と りしま り
津守 七兵衛下 人三人西ヶ河内 江参り ぬすミ刈 令 為候ニ付
さ しと め
右ニ付上 田万 庄屋堀 野徳 十郎より何か其儀ニ付
早速組内畔頭 半六を以差 留色々 取
置候事
52B
︻注︼◇開作 =萩市田万川地区上田万の地名。
︻101頁︼
きこ え
願書役所 迄差出候由 脇方より聞 江候ニ付 早速在郷 證人
横田秀五郎呼出 古来より之行 成 致 詮 議 前書之通 り
文久元年辛酉
- 29 -
305
文久元年辛酉
)
1
6
8
1
(
五月
以 有 間 敷 儀 重 畳不 謂 事 ニ候
はなはだもって あ る ま じき
甚
そうら えども
ついては
就而者此余重
ひ とえ
右 世倅 甚助 事
御中間
御聞込之趣有之
丈衛門
せ んだっ て
先 達 而先
追込 被仰 付置候處 追々詮議被仰 付候 得者先 月八日
わ き ま え ずふ とど き
55A
増野勝太組
御中間
|
|
|
旁 相 心 得可 申 候 事
不謂趣有之御家人被召放 身
五郎 右 衛門
偏 ニ御 了 簡 を以 無 其 儀 御 叱 り被 仰 付 候 事
ひ とえ
55B
申遣候處 同人より令沙汰候事 尤当職座 よりも
付り 緒方弥左衛門より在郷證人 横田秀五郎江
候ニ付早速證人 緒方弥左衛門を呼申置き候事
前書之通り御土居 呼出ニ而令沙汰候様授 有之
︻107頁︼
酉ノ五月
元引 取 被仰 付候 条
右中継 和平事
酉ノ五月
候得共
︻106頁︼
身方不宜 緩せ之事ニ就而御咎おも可被仰付事ニ
其方 兼々
弁不 届之次第有之
美濃地 罷越 身分をも不
お お せ つ けら る べき
めしはなたれ
御 咎 も可 被 仰 付 事 ニ候 得 共 此 度 之 儀 者 偏 ニ
ごかんべんとげら れ
身柄御用ニ無御座段沙汰被仰付候
さ しと め ら れ
已来御 領内之外 他 出 被 差 留候 事
増野勝太組
石州美濃地 罷
甚助
御中 間丈衛門世倅
前同断
ついて
御 慈 悲 を 以 被 遂 御 寛 免御 家 人 被 召 放 身 元 引 取
被仰付
54A
酉ノ五月
︻104頁︼
右
御聞込之趣有之
え た
と お る べから ず
越 同心之和平不届之儀有之 穢多之者と及争
か た ん せしめ
ひ とえ
就而者
ついては
論 候 處 右 令 荷 擔 終 ニ不 可 通 耻 辱 を受 候段 御家 人之
以 有 間 敷 儀 重 畳不 謂 事 ニ候
は な はだ も っ て あ る ま じ き
身 分 と〆 甚
そ うら え ども
此余重御咎おも可被仰付 事ニ候 得 共 此度之儀者 偏 ニ
54B
御慈悲を以被遂御寛弁已来身柄御用ニ 無之 候事
︻105頁︼
増野勝太組
- 30 -
而御 受申上候段届出候ニ付其段
つ つ しんで
為見かし め 後附 壱人・
打 廻り 壱 人 被 差 出 候 事
いずれ
右之通り 孰 も謹
致 届 出 候事
付り 萬事御咎事■リ過文書をハ何も役座 へと差返候事
︻注︼◇み かし め =取り締まること。監督すること。
56A
一
右之通り手紙を以申来り候ニ付 早々令沙汰候事
石津伝右衛 門組御 中間 三 右衛 門 当秋
御 番 手 之 印御 守 印 持 と〆 御 供 被 仰 付 候 段 沙 汰 相 成
候處 御詮議之趣有之御銀子才料 と〆被召連候
」
「
57A
」
やい
石 津 傳 右 衛 門 組 御 中 間 九 郎 左衛 門 儀當 秋 御 参 府 之
同廿二日
之段手紙を以申来り候ニ付 是 又令沙汰候事
これまた
︻注 ︼◇御 守 印 持 = ︵ごしゅいんもち︶御 朱 印 持 。室 町 ∼ 江 戸 時 代 に、武 将が花 押 の
代わりに公文書に用いた朱 肉の印、またその公文書。
◇御 銀 子 才 料 = ︵おぎんす ? ? ︶御 銀 子 方 ↓ 現 金 の出 納 を司 る役 。 才 料 は
宰領 と同じ。責任者、監督者。
一
︻110頁︼
「
前書之趣も有之 已来石州領者勿論御国と申而も何か
︻108頁︼
一
祭りなど人多々 敷場所江 其当日罷越候儀
拠用
よ ん どこ ろ な き
留候 萬一無
ま い りも う さ ず
差
さ しとめ る べく
組内士分者勿 論中 間分男女 共可
事 有 之 節 其 当 日 前 後 繰 合 せ参 り 不 申 候 差 懸 急 用
有之節者 在郷之證人 迄届出之上 可罷越段證人
そ う ら え ど も いず れ
緒 方 弥 左 衛 門 より横 田秀 五 郎 迄 申 遣 し候 様 申 附 候 事 尤
拠 御 断 申 出 候 ニ付 願 之 通 り御 免
よ んど こ ろ な く
とく
有之儀ニ付
やい
一昨 年之御参府 之節も御供
よぎなき
成程無余儀内輪ニ病人
願之通り申出前条通り候事
之儀ニ付 得 と令詮 議候處
被 仰 付 候 得 共 気分 相 ニ付 御断 申 出 候 由 ニ付 最 早 度 々
付り 伊 右衛門儀
︻111頁︼ 57B
被仰付候ニ付 令沙汰候事
気 分 相 ニ付 無
やい
御 中 間 伊 右 衛 門 儀 當 秋 御 参 府御 供 被仰 付 候 處
お ゆ る しと げ ら れ
御供被仰付候處 気分 相 内輪難渋ニ付内断之趣
何 も行 状 正 敷 不
御 組 内 之 儀 者 格 別 ニ而 候 得 共
一
願之通り被 遂 御 免候 段申来 り候ニ付 早々令沙汰候事
ふこ こ ろえ こ れなきよう
伊右衛門
瀬尻組
都 合 無 之 様 肝 要 ニ而 此 段 何 も不 心 得 無 之 様 致 沙
汰せ候事
手明
五月
御番手御供被仰付候事
︻109頁︼ 56B
同十九日
右 当秋
文 久元 年 辛 酉
- 31 -
)
1
6
8
1
(
文久元年辛酉
六月廿五日
)
1
6
8
1
(
五月
一 差紙 有之候ニ付御土居 罷出候處 益田三郎左衛門方授
相成候趣者 前ニ拝見候通り瀬尻 柴草山一件ニ付
58A
留置
瀬
ゆきな り
せ尻行 形 之 儀も有之事候得共 上田万
弥
差 留候儀
いよいよ
徳十郎
来不申
しゅったい
勝 手 ニかり取 り之 儀 も 出
庄屋堀 野徳 十郎へ當春申入相 成
とめやま︶伐木を禁じた山。江戸時代には、領主が山林を経
︻注︼◇留山 =︵
営 す るため。、農 民 の入 会 権 を奪 い、或 いは制 限 した山 。御 留 山 。
立 山。 明 山
59A
申 訳
◇芝原 =︵芝原︶地名か一般名詞か?
◇行 形 =︵ゆきなり︶在り来たり、しきたり、慣例、あるがままの意。
︻114頁︼
刈
かり取時分ニ
又 當 年 も三 四 人 かり取 ニ参 り候 事
刈
答 ニ 御 組 御 先 例 と被 仰 聞 候 ニ付 而 者 申 分 無 之 承 知
さ しとめ
仕 候 と受 込 候 處
差 留候 事
ゆき な り
相聞候時者 四五日 相立
せ尻干草一件ニ付而者行 形 も有之
至り せ尻鎌入仕候處
刈
かり取 仕 候 事
刈
其 節 より追 々
上 田 万 村 からも一 通り干 草刈 取 り参り 勿 論右 受之
場 所を外 し平 ニ上 り
日々之牛之かい草 折節一荷 かり此両条之外
59B
こ れな く
参り候例 無 之候事
︻115頁︼
一
⇔
ひかえ
前書之趣ニ付芝山一件書出候事 抧
同廿七日
右之通り爰 元證人 緒方弥左衛門江申附候事
ここ も と
よりも古来行成 先例之処書出候様授 有之候ニ付 早々
上田万 庄屋堀野徳十郎より願書差出候ニ付 組内
︻112頁︼
一
覚
一 瀬尻 芝山草之儀者古来より取切と心得 村中打寄
そ と むき
58B
捍?
焼切仕 外 向より者加勢壱人も受る例無之所柄ニ付
︻113頁︼
刈
留 山 ニ〆 立 置 かり取 時 分 ニ至 り日 柄 も極 前 日 山 ■ 之
刈
沙汰仕 當日未明地下一同ニ罷出 銘々勝手ニ
かり取仕 数年来行成之事
付り 右留山場所一昨年かり取時分ニも不至内
刈
上田万村より多人数入込 芝原 かり取 仕候處
- 32 -
∼
8
1
8
1
瀬
段々
何共手荒参り懸り
干草かり取 仕
干草 せ 尻 鎌 入不仕内
0
3
8
1
付り 過る文政年中
上田万 より多人数 入込
石受 之内にも入込かり取
相
あ いとと のわず
其儀不
調せ 尻
甚
はな は だ
前断ノ手荒参り懸りニ付 一向 ニ差 留候 処
さしとめ
ニ付 堀 野 徳 十 郎 父 久 左 衛 門 儀せ 尻 畔 頭 五 郎 左 衛 門
を以
然る時者 せ 尻 鎌 入相 成候当日
久左衛門申分ニ 石受 之場處へ入込候 段者
あ いす まず
60A
不相済
︻116頁︼
そうらえども
以 承 候 之 儀 ニ候 得 共
こ れもっ て
是
御知せ被 成候ハヽ 追々心 持を以刈りニ参り可申と申出
候處
そうろうては
峯 雄 上 り候 而 者
ミナオ
追々参り候様及
し か しなが ら
尓
成?
あ いすま ず
来仕 候而者不 相 済
しゅったい
先中邊之處とちらも宜敷相 内
久左衛門承知仕乍
鎌入相聞候 ハヽ 四五日 も差抧
懸合候處
あ い な り も うさ ず
干草ニ相 成 不 申
かよ う
候 様 五 右衛 門 江 頼 入 ヶ 様 之 懸り相 出
若不都合 之儀も御座候ハヽ 御■
よく
都合 能 参 り候様
其已 来
重畳五 右衛門と申合せ候事
く ださ る べく
なんたる
為 何
之被付可 被 下候
60B
)
1
6
8
1
(
五月∼六月
刈
壱荷 かり之儀者
峯雄 =︵みなお︶? 城山か鹿ヶ嶽のことか?
︻注︼
︻117頁︼
四十ヶ年弱 干草 牛之草
文久元年辛酉
こ れな く
以上
懸合 事も無 之候 事
〆
覚
横田
弥 左衛 門
秀五郎
奉頼候
緒方
刈
右之通り廉々宜様御取計被成可被下候
61A
六 月廿 七 日
︻118頁︼
下
已上
打過申
した木かり壱人二日参り
〆 とも不 仕
とりしま り
かな い もう さ ず
懸 合 半 途 之 内 ニて取
上田万村 より去秋
候處
候
同人 両人
此段も先例と申立候而も叶 不 申候 事
酉ノ六月廿七日
同七月九日御勤前ニ付 致出萩候ニ付
委細者石津 氏ニ委敷 記有之
芝草 干草并ニ下田万 いれ葉之事
九日廿日萩より帰宿之事
留守中之儀者石津伝右衛門江證人 を以頼越
候事
付 り 右 留守 中
揉め
色々はなしも免出し候由
︻注︼◇長日 =︵ちょうじつ︶昼間の長い日。夏の日。
- 33 -
61B
文久元年辛酉
︻119頁︼
十一月∼十二月
)
1
6
8
1
(
十一月十五日
御 願申 上 候事
一
一
去
年
證
同廿日
人
67頁参照
中 村 五 郎 兵 衛 より差 出 候 組 内 諸算 用 物 判 形 相 済 せ
緒方弥左衛門迄差返し候事
同日
来正月三日御規式 弓組人数左之通り令沙汰
尤 夫 々 現 人 呼 出 可 令 沙 汰 筈ニ候 得 共 格 別 之
高 津 権 之進
二
候事
63A
伊佐槌
下
四
丈衛 門
受 替
横田
梅津熊之丞
五
金輔
御中間
平右衛門
然る處御皆済 之砌 脇方へ
取替米 を以
︻注︼◇皆済 =︵かいさい︶残らず返済または納入すること。
◇取替米 =︵とりかえまい︶?
前ニ候
右 石 高 上 納 之 儀 ニ付 兼 而 被 仰 出も有 之 孰 も承 知 之
十 二 月 十三 日
〆
以上
梅地
三
︻122頁︼
頭ら弓
大谷源内 當年四拾弐歳ニ罷成 末家続之実子
判
横田秀五郎
儀ニ而も無之ニ付 弥左衛門代聞ニ而相済せ候事
何卒
以上
以上
無御座候ニ付 私二男竹治当年拾六歳ニ罷成候と
申養子ニ致所望度段内談申談仕り候間
此段
殿
奉頼候
御心入を以被遂御許容被下候様奉願候
勝太
西尾平右衛門
御序之節宜様被成御取成可被下候
62A
十一月十七日
︻120頁︼
増野
頼 存候
増野勝太
判
前書の通り私組内西尾平右衛門より願出候条
宜様被仰 伺可被下候
同日
当役中殿
前書之通仕調 證人 緒方弥左衛門持参ニ付 明十五日
62B
当役座 迄持参候事
︻121頁︼
- 34 -
之
こ れ によ っ て
依
偏 ニ
ひ とえ
已来右様之
此度之儀者
︻123頁︼ 63B
甚
上納方 へ振向之段 勘以不謂事 ニ付
御咎も被仰付筈候處
きっと
あ いつ つ しむ べ く
御了簡を以屹度御叱被仰付
ふ とどき
不 届 無 之 様 可 相 慎候 事
酉ノ十二月
前之通り此方ニ而御沙汰書相調在郷證人
緒方
要 左衛 門
弥 左衛 門
迄 差越 同人 平 右 衛門 呼寄 令 申 渡 候 事
64A
須佐作事方
石川
︻注︼◇上納方 =︵じょうのうがた︶?
︻124頁︼
同十五日
奥 里郷山廻り
直詰
ここ も と
右之通り申来り候ニ付 令沙汰候事
爰 元職座 江御礼
十二月
内田権右衛門
尚萩当役 松本良左衛門江例之通
前書御受 御礼申出候内届
申出候段相達
書状差出候事
上御 用処
用達 人 直詰
文久元年辛酉
64B
秀五郎儀当年證 ニ付引合 最中ニ
明年在須佐證人 田村順左衛門・
在郷 證 人 横 田秀 五郎
同廿日
右申来り候ニ付 令沙汰候事
︻125頁︼
一
おって
直詰之令沙汰候事
と き に お いて
来證 人 之 儀 先 達 而 緒 方 弥 左 衛 門 江 申 聞 せ候 處 同 人
せ んだ って
ニ付 追而廿五日罷出候節令沙汰候事
付り
当 年瀬 尻 ニ而 候 得 者 明 年 之 処
そうらえば
在郷 之方 申合せ都 合行成 之處者瀬尻・稗田 尚於 尓 時
市 味 邊 廻 りニ相 成 来 候
65A
乍
尓續 而両
し か し なが ら つ づ け て
︻注 ︼◇稗 田 ・ 市 味 = いず れも下 田 万 の地 名 。市 味 は昔 は﹁市 見 ﹂と書 いた。︵田 万
川町史237頁︶
︻126頁︼
そ う ろう て は
つ かま つら ず
仕
ござなく
じつは
者 脇 方 江 被 仰 候 而 者 いかゞ御 座 候 哉
年も不
そうら えば
と申事者無 御座候得とも実 者 秀五郎儀も当年秋證人
お して
被 仰 付 儀 ニ候 得 者 一 先 脇 方 江 被 仰 付 候 ハヽ同 人 身 為 も宜 御 座
いず れ
右之趣者当春已 来芝草山之儀ニ付
候 と相 考 候 ニ付 申 上 候 段 申 候 得 とも 身 柄 心 得 も有 之 押 而
来證人 之処 申付候
またぞろ
色 々 と免 合 も有 之 只 今 ニ而 先 当 分 収 り居 候 得共 何 明 春者
候
得
共 只今
す くな く そうら えども
又 候 右 一件差起る儀と相考候ニ付 同人證人役之処
そうろうては
差 替 候 而 者 右 一 条 根 ニ入 存 知 之 者 少
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)
1
6
8
1
(
十二月
)
1
6
8
1
(
そうろうては
65B
文久元年辛酉
差替
いたし
い たっ て た い そ う
来候 而 組 内至 而太 壮之儀
組内引合 無滞相済候段在郷證人 横田秀五郎届出候事
同廿七日
旁ニ付 前書之通り直詰之沙汰申付候事
と相考
候而者 萬一不 承知之廉出
しゅ っ た い
他 人 江 申 付 候 而 者 出 訴 被 成 者 無 之 候 得 とも懸 々 之 処 より
︻127頁︼
一
横 田 秀 五郎
合肴 弐三種ニ而
あ りあ わ せ
剱術
弓法出精
付り 右ニ付肴代色銀四包持参ニ付 有
粗
酒差︵出︶尚麁飯差出候事
66A
同 廿八 日
︻128頁︼
当年も御 用繁ニ付
梅地金輔
金百 疋 折 紙
深 川御 供 ニ付
同断
弓法出精
剱術
弓法出精
熊 谷千 代 槌
中村泰市
拾 壱
右之通り御意有之候 事
剱術
弓法出 精
手習出精
ニ付筆 一対
西尾壮助
緒方源藏
御中間分□□人棒取手 稽 古出精ニ付鳥目 百文 被下置候事
剱術出精
岩本藤太
大谷市之助
同断
有田亀槌
須 佐 地 組 頭 増 野 善 左 衛 門 萩 留 守 ニ付 留 守 中 之 処 相 頼 候 ニ付
剱術
弓法
66B
御中間分九人棒取手 出精ニ付同断
同晦日
緒方弥左衛門・田村順左衛門両 人共壱同罷出證人 交代仕
同
右御意有 之候事
︻129頁︼
一
おって
度 奉 存 候 間 交 代 被 仰 付 下 候 様 申 ニ付 其 沙 汰 申 付 候 事
卒 一 同 罷 出 候 道 理 ニ被 仰 付 被 下 候 様 相
なにとぞ
付り 緒方弥左 衛門無拠儀ニ付実ハ少シ早ク参り候ニ付追 而順
左
右衛門罷出何
頼候ニ付
67A
須 佐 地 組 證 人 石 川 与 三 兵 衛 ・椋 重 藏 一 同 罷 出 交 代 仕 度
一同に罷出 交代申付 之道理ニ引受候事
︻130頁︼
一
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と申ニ付 令其沙汰候事
︻完︼
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