女谷・荒坂横穴群女谷D支群現地説明会資料 - 京都府埋蔵文化財調査

京埋セ現地説明会資料09-06
平成22年1月30日
(土)
おんなだに
あ らさ か おうけ つ
女谷・荒坂横穴群女谷D支群現地説明会資料
にかけて造られたものと考えられます。
集して造られていることから親族などのような血縁
また、横穴4や横穴8では、平安時代の初め頃
集団によって営まれた墓と考えられます。
また、女
に墓として再利用されており、横穴4からは土器と
谷・荒坂横穴群の周辺には、美濃山横穴群や狐
ともに珍しい八花鏡が出土しました。
谷横穴群などがあり、
これらを含めると府内で最
大の横穴群となります。
なぜ、
横穴が集中してこの
調査場所 京都府八幡市美濃山荒坂
調査期間 平成21年7月10日〜平成22年2月下旬(予定)
(財)京都府埋蔵文化財調査研究センター
まとめ
地に造られるようになったのかなど、今後、検討を
この横穴群は、
8基の横穴が限られた場所に密
重ねる必要があります。
〒617-0002 京都府向日市寺戸町南垣内40-3
URL http//www.kyotofu-maibun.or.jp
はじめに
調査地は、八幡市の南側、京田辺市との境界に
近い丘陵地に位置します。周辺には多くの横穴が
あり、女谷・荒坂横穴群と呼ばれています。横穴は、
丘陵斜面に横穴を掘り込んで造られた墓です。今
回の調査地の東側では、
第2京阪道路の建設に伴
い52基の横穴を調査しています。
これらは古墳時
代後期から飛鳥時代の頃に造られたものでした。
こ
のうち女谷横穴では、分布状況からA∼Cの3つの
支群に分けられており、
今回新たに見つかった横穴
群は女谷横穴D支群としました。
調査の成果
今回の調査では8基の横穴が見つかりました。
ほ
ぼ東西方向にのびる谷の北側斜面に造られてお
か い こう
り、南東方向に開口しています。幅約50mの範囲に
調査地位置図
国土地理院 1/25,000 淀
横穴が密集して造られています。最も大きい横穴3
げ んしつ
は、遺体を安置する玄室の長さが3.5m、玄室幅が
口までの全長が15.4mです。一方、最も小さい横穴
6は、玄室の長さが2.9m、玄室幅が1.9m、推定の
女谷A支群(未調査)
女谷C支群
荒坂C支群
高さが1.3mで、奥壁から横穴の入り口までの全長
が10mです。
荒坂B支群
荒 坂 A 支 群︵ 未 調 査 ︶
2.6m、推定の高さが1.8mで、奥壁から横穴の入り
女谷B支群
今まで調査を終えた横穴からは、須恵器や土師
器のほか、耳飾り、
やじりなどが出土しています。出
土した土器などから、女谷D支群の横穴群は、
6世
紀末から7世紀初頭頃(古墳時代末∼飛鳥時代)
平成12∼14年度調査地区平面図
女谷・荒坂横穴群平成4年∼21年度
調査トレンチ配置図
横穴4八花鏡出土状況
女谷D支群全景(東から)
横穴5内遺物出土状況(南から)
女谷D支群 横穴群検出平面図
横穴7内遺物出土状況(南西から)