クロコノマチョウの探索・自然観察会 クロコノマチョウの探索・自然観察会

法西先生と行く「クロコノマチョウの探索・自然観察会」
日 時:2002・6・16(土) 10:00 ~ 14:30
場 所:地滑り資料館 ~ 広ヶ原
講 師:法西
法西 浩 先生
小児科・内科開業医
日本鱗翅学会会員
法西 浩
仁川・上百合野橋集合→震災記念館→県立甲山森林公園→みくるま池→関学道→甲山自然(青年)の家キ
ャンプ場→仁川ピクニックセンター→解散
2002年6月16日(土)
、私が案内役として担当する自然観察会。参加者は約60名。私は午前9時
頃来ていて、河川敷で虫捕りをしていた。河原に飛んでいるチョウとトンボを、かなりの数集めて、
「吹き
流し」の中にいれていて、皆様の集まりを待っていた。
10時過ぎに今日のコースと予定を説明し出発。河原ではモンシロチョウが多数、その中に交じってモ
ンキチョウが数頭せわしく飛びまわっていた。出発地点では、ハグロトンボが数頭みられ、コシアキトン
ボがやたらに多い。また、オオシオカラトンボも多い。少し進むと、ホシミスジが現れ、ツマグロヒョウ
モンのオスも現れた。
「これは南方系の蝶で、我が物顔で殖えているのですよ」と説明。そのうち、オオシ
オカラトンボの交尾に出合う。交尾と連結が繰り返される。その中に割って入る別のオス。そのたびに交
尾がはずれ、連結になる。
(一口メモで説明)やがて、ギンヤンマのメスが現れ、ツルヨシの生えている水
際で産卵を始めた。本種は水辺の水草の茎に産卵する習性がある。
(一口メモ)
震災記念館を過ぎ、森林公園に至る途中に、こどもがゴマダラカミキリを採集。嬉しそう。ホタルガ2
頭も採集される。この蛾の異嗅を体験してもらう。こどもたちは顔をしかめる。頚を傾け、何の臭いだろ
うと考え込む人もいた。昼間活動する蛾は、昼蛾と呼ばれ、しばしば異嗅を放つものがあることが知られ
ている。
森林公園入口で休憩後「みくるま池」に下る。ここで外来種ラミーカミキリ1頭と、この池でこれまた
外来種のアカミミガメに出合う。
「外来種って何なの?」とこどもたち。
「外来種は、実は外人さんなの。
」
「へえ、外人さんなら英語しゃべるのか。
」私、ズッコケ、まいった。
「みくるま池」を少し過ぎたところの半日陰のススキには、6月初めにはクロコノマチョウの幼虫がい
た。今日はどうか? いない! 食い跡だけが残っていた。おどろいたが、ここであわてると大変。落ち
着いて近くの草の葉裏を探すと、蛹3頭が下垂していた。胸をなでおろし、解説する。クロコノマチョウ
は南方系の蝶で、本日の主役である。西宮市では数年来定着が証明されている。順番に観察や写真撮影し
てもらう。ここで昼食。
クロコノマチョウの蛹は、ヒスイのように青く美しい。羽化は6月下旬頃になる。羽化までの観察のた
めに、3人の方に持って帰ってもらう。ご報告いただければ幸いである。
甲山森林公園を出て、甲山自然(青年)の家キャンプ場に向かう。小さい水溜りの樹上で産卵していたモ
リアオガエルの卵塊のある所に案内し、2卵塊を観察してもらい解説。その後、近くにある湿性植物園に
案内し、野生のアヤメ数株の開花株を観察してもらう。
次は、ピクニックセンターへ。ここでは、ニセアカシアの樹林下の
水際のツルヨシに棲息しているクロコノマチョウの終令幼虫の観察・
撮影をしてもらう。蛹になる前の巨大になった7㎝位の、美しいグリ
ーンの幼虫5頭がみられた。この幼虫も家に持ち帰って観察してもら
うことになった。
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ここで、
「吹き流し」に入れていた昆虫の解説をし、欲しいこどもたちにお分けして、一応ここで解散。
(2
時30分頃)このあとは、この河で水遊びする人、仁川に下る人、さらにトンボ池(なかよし池)でウシ
ガエルのオタマジャクシとザリガニの観察に向かう人とに分かれる。私はトンボ池で観察する約10人を
案内した。
トンボ池はまだ未完成であったが、多数のウシガエルの巨大なオタマジャクシと、ヤナギの大木の下の
日陰の水中には多数のザリガニが観察された。なによりびっくりしたのは、ウシガエルの巨大な卵塊が岸
の石垣でみつかったことだ。網ですくってみると、卵はすでに発生が始まっていて、寒天質の中には、尾
が伸びてもうすぐ落下して泳ぎ出す隣間の幼生が多数観察できた。
「しまった。これを今日の参加者全員に
見てもらうべきだ。
」と思ったが、残念。卵塊は3家族の方が持ち帰って観察することになった。又、この
池では、コシアキトンボのメスの打水産卵も観察した。
(一口メモ)
私は、当日出合った昆虫をできるかぎり説明したのだが、まだまだ不十分であったと思う。当日の観察・
目撃・採集した種(参加者のカゴの中も)をリストにあげておいた。まだもれている種もあるだろう。そ
れだけこのコースの生物種は多様で豊かなのだ、ということを理解していただければ幸いである。
本日の企画・広報・受付など、色々とお世話いただいた方々に紙面を借りてお礼申し上げます。
一口メモ
トンボの生態:オオシオカラトンボの交尾と連結について
トンボの♂は♀の前方少し上空に来て、♀の頭部と胸部の凹みにの尾端をはさみ込む。これが連結である
(図1)
。これは交尾ではない。その後、♂は腹部を曲げて、♀を♂の腹部の基部に誘導し、♀の尾端とこ
こで結合する(図2)
。これが交尾である。♂の精子は尾端で作られ、尾端を曲げ、腹部の基部に精子が移
される。つまり、♂の腹部基部の少し突出している部分が♂生殖器(つまりオチンチン)である。♀の同
部位は平坦で、突出部はない。トンボの♂と♀の鑑別は容易である。
トンボの産卵
♀が水面に尾部を打ちつけ産卵するのを打水産卵という。多くの種はこの方法で産卵する。また、ギンヤ
ンマなどのように水際の水草の茎に産卵管をさし込んで卵を産む種もいる。植物組織内産卵という。
モリアオガエルの産卵
モリアオガエルは山地に棲むアオガエル科のカエルである。樹上で生活する。繁殖期は5月下旬から6月
で、水面に張り出した樹林上で1頭の♀に、♂複数が抱接して産卵する。♀は泡状の分泌物を出し、その
中に卵を産み付け、数頭の♂が射精する。つまり、体外受精である。卵塊は200~300卵といわれる。
卵は約1週間で孵化し、泡状の卵塊が分解して、発生した幼生が水面に落下し、盛夏に小蛙に成長する。
そして数年後に親蛙になる。しかし天敵も多い。
(図3)
図1:トンボの連結
図3:モリアオガエルの産卵
左♂ 右♀
図2:トンボの交尾
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■「クロコノマチョウ探索・自然観察会
「クロコノマチョウ探索・自然観察会」
・自然観察会」の感想を
感想をいただきました
◇初めて参加しました。着いたとたん、子どもは、ちょうちょやトンボ取りに夢中になり、どこま
で歩けるかなあと心配していた私たちは安心しました。帰りもずっと虫かごの中をのぞいてはニ
コニコする息子は、何度も「今日はたのしかったネ」と言って、私達は、その言葉を聞く度、
「ホ
ントホント!」と答え、満足な気分になりました。寝る前も一日あったことをたくさん話してく
れ、私達親は図鑑を見て、今日見つけた虫を探しては喜んでいました。朝、息子は毎日あそこに
行きたい!今日はないの!今度はいつ!と次回の参加も親子共々とても楽しみにしています。法
西先生、そしてお世話をして下さった皆様、本当にありがとうございました。
◆初めて参加させていただきました。法西先生を始め、スタッフの方々に感謝いたします。子ども
たちも、
「とてもおもしろかった」と、何度も申しておりました。
◎日々仕事に追われて自然に目をやる心も忘れていました。今日は、先生のお話も興味深いもので
した。今後も機会があれば参加させていただきたいです。本日はありがとうございました。
☆色々な仁川の自然を教えていただいてありがとうございました。とても楽しい一日でした。まだ
まだたくさんの自然があって、大切にしないといけないなと思いました。法西先生のお話もおも
しろく聞かせてもらいました。下の子は虫が大好きなので(今日はあまりつかまえられなくて少
し不満そうでしたが)またできる限り参加したいと思っています。よろしくお願いします。
★ おじいちゃんに、てんとう虫と、きまわり
▲虫や 川で 遊ん だこ と がたの しか った 。
と、トンボをとってもらって、でんしゃで
(男の子)
もとんぼをつかまえました。おもしろかっ
た。
(女の子)
▲はじめて参加させていただきましたが、こんなに楽しいんだったら、もっと早く参加させてもら
っていたらよかったと思いました。こんな身近なところにいろいろな小動物がいたこともこの機
会に知ることができました。子供たちも喜んでいます。
△身近にこんなにたくさんの虫がいるとはびっくりしました。山や川にハイキングによく行きます
が、今日は色々と教えていただきながら歩けて、とても楽しかったです。これからは、もっと、
虫や草花の知識をつけていきたいと思います。楽しい一日をありがとうございました。
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☆「コノマチョウ」はキマダラヒカゲと思っていましたが勘違いもいいとこ。まずは、この会に来
ての収穫。幼虫・サナギを見たのも感動。
クマバチの花の蜜を吸いに来るのはメスで針を持っている。空中でテリトリ-を守って飛んでい
るのがオスで針がないことも知識として固定しました。ていねいに、ゆったりと自然を説明され
るのもとても良かった。
(自然大学星組 4 班村田)
蛹
幼虫
成虫
【クロコノマチョウ】
◇『クロコノマ
チョウの探索』に参加して◇
チョウの探索』に参加して◇
草野
秀夫
小学校時代。下校後、玄関にランドセルを投げ込むや否やチャリンコを滑らせ、数分後には目
的地の「公民館池(正式名称は?)」へ。糸の端を木の枝の先にくくりつけ、もう一方の先には給
食の時、食べずに残しておいたソーセージ。今日もザリンチョ釣りで日が暮れる.
.
.
。
『大漁!』
小学生の我が子たちはどうでしょう?平日は塾や習い事に追われ、土日は面倒くさがりのオヤジ
に適当にあしらわれ、思ったように動けない不完全燃焼の毎日。親の顔が見てみたい!?
そんな
親子にとって『川がきクラブ』はまさに渡りに船。
参加は今回が 2 回目でした。モリアオガエルの卵に驚き、クロコノマチョウの蛹に感動し、さ
らに川の中、山の中で、魚や昆虫たちとふれ合い、遊び、発見する姿に大人も子どももありませ
ん!みんな『自然体の人間』
、『自然の中の人間』になってしまうんですね。今の時代、大切な大
事にしなくちゃいけない瞬間、時間だと思います。今後ともよろしくお願いします!
そうそう!法西先生に質問すればよかったのですが、完全変態の蝶、不完全変態のトンボ、それ
ぞれ成虫になると思いのまま大空を舞っていますが、幼虫の頃(蛹の頃)の記憶ってあるのかな?
『子どもの頃は思ったように動けんで苦労したわ!』なんてね。
クロコノマチョウの羽化
クロコノマチョウが羽化したよ!
クロコノマチョウが羽化したよ!
ほんのわずかな接点で葉っぱにぶら下がっている
緑色のさなぎを持って帰り、落ちない様にそおっと
水槽に移した。4日くらいで蝶になった。こんなに
早く蝶になるとは思ってなかった。責任を果たした
ようでほっとした。
(尾中)
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■採集・目撃・観察した生物リスト
「クロコノマチョウの探索・自然観察会」
(池・川・野山の生きものを一緒にまとめてあります。
)
法西
日時: 2002 年 6 月 16 日
10:00~14:30
場所: 地滑り資料館~広ヶ原
浩
【チョウ目】
モンシロチョウ、モンキチョウ、キチョウ、アゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、
クロアゲハ幼虫、ヒカゲチョウ、キタテハ、ホシミスジ、ルリシジミ、ヤマトシジミ、
ベニシジミ、トラフシジミ、シャクガ、ホタルガ
クロコノマチョウ幼虫・蛹(地球温暖化で定着した南方系の蝶、食草はススキ、ツルヨシなど)
ツマグロヒョウモン(地球温暖化で定着した南方系の蝶、食草はスミレ、パンジーなど)
【トンボ目】
ハグロトンボ、モノサシトンボ、コシアキトンボ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、
ウスバキトンボ、キイロサナエ、オジロサナエ、コオニヤンマ、ギンヤンマ、
ウスバカゲロウ幼虫巣(アリジゴクの巣)
【コウチュウ目】
ゴマダラカミキリ、ノコギリカミキリ、ラミーカミキリ、カミキリムシ(種不明)
、
ゾウムシ、キマワリ、ウバタマ、カメムシ、サシガメ
シオカラトンボ♀
【その他の昆虫】
アメンボ、タイコウチ幼虫、ヤドリバチ(種不明)
、オオスズメバチ、クマバチ、
キリギリス、ショウリョウバッタ、ハルゼミ抜け殻
【昆虫以外の動物】
オイカワ、カワムツ、コイ(魚)
アカミミガメ(外来種)
モリアオガエル卵塊
(兵庫県版レッドデータブックBランク種〔危急種〕)
ウシガエル幼生(オタマジャクシ)
、アメリカザリガニ、サワガニ
スズメ、ヒヨ、ツバメ、セグロセキレイ、キジバト(鳥類)
【植物】
アメリカザリガニ
アヤメ
*甲山周辺には、かつては湿原が多くあり、またその面積もひろかったが、今は湿原が少なく
なり、棲息が心配される。
安達 貴美子
『川がきクラブ』で歩くいつものコースでも、法西先生が一緒だとたくさんの生物との出合いがあ
ります。蝶に限らず、トンボ・甲虫・鳥・魚そして植物も。立ち止まって一つ一つ丁寧に説明してく
ださいます。広い甲山森林公園や広ヶ原で、たくさんあるススキやツルヨシから、数本の葉の裏にい
る小さなクロコノマチョウの幼虫や蛹を見つける先生に、
「どうしてわかるの?」
。そして思いもかけ
ない可愛い顔と姿の幼虫やきれいな緑色の蛹に、思わず「かわいい」
、「きれい」。
新しい発見には
子どもも大人もわくわくします。葉っぱの裏をのぞきながら、草むらをかきわけながら歩く親子の姿
が増えました。自然の中で観察しながらゆっくり歩くのは楽しいものですね。
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■「虫の冬越し観察会
虫の冬越し観察会(
」でもらった虫たちを観察したよ
虫の冬越し観察会(2月16日)
《スズムシのたまご》
はじめて、たまごからそだてました。なかなか生まれなかったから、死んだのかと思っていま
した。それで、生まれた時白かったから、ちがう虫と思いました。夏のはじめごろにりっぱなス
ズ虫になりました。それからいいなきごえをきかしてくれました。きれいでした。 9月17日、
なきごえがきこえないから、みにいくと、死んでいました。たまごをうんでいたらいいなと思い
ました。
(鈴木 せつこ・小3)
《オオカマキリのたまご》
カマキリの赤ちゃんがどんどんでてきた。157匹でてきた。
えさはアブラムシをあげた。カマキリの赤ちゃんが食べた。とも
食いもした。なぜ、とも食いするのだろうと思った。たまごの中
はあみじょうになっていた。
(前田 かずき・小4)
イラスト:前田 かずきくん
5月10日すぎ、朝9時頃から羽化が始まり、続々とこぼれ落ちてきたようでした。小さいな
がらも、しっかりカマキリの姿をしていて、とても不思議な光景でした。生きたアブラムシを毎
日与えていたのですが、残念ながら1週間ほどで全滅してしまいました。クラスの子ども達も観
察できました。おはしで一匹ずつ数えたそうです。いい機会をありがとうございました。
《ウスタビガとクスサン》
法西先生にもらった蛾の卵が、3月10日(ウスタビガ)、3月21日(クスサン)に孵化し
た。ウスタビガはすぐエサ(サクラの新芽)を食べたが、3頭のうち2頭が途中で死んでしまっ
た。残った1頭はどんどん大きくなって、5月6日にまゆ作りを始めた。2 日ぐらいかけて一生
懸命糸を吐いていた。さわるとキューキュー鳴き、まゆが完成しても中で時々鳴いていた。クス
サンは次々孵化してくるが最初はエサをやっても全然食べなかった。容器の空気穴から脱走して、
何頭も死んでしまった。何日かたってやっとエサ(クスノキ)を食べ始めた。それから食樹をサ
クラにかえた。何度も脱皮し、終令になると白い長い毛で背中がおおわれた。こんな毛虫は刺す
と思う人がいるが、刺さない。フワフワして、さわると気持ちいいのだ。今日(10月1日)1
頭が羽化した。第1号だ。羽化の季節だ。楽しみだ。
(安達 誠文・小6)
カマキリのいかく
ウスタビガ終令幼虫
クスサン終令幼虫
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(イラスト:安達 誠文くん)
法西先生と行った 昆虫採集・自然観察会
安達
誠文(小6)
誠文(小6)
4月14日、春の女神といわれるギフチョウの観察会に三田市広野に行った。
天気がすごく良かったので蝶や他の昆虫もいっぱいいた。駅から少し歩いた所で
ギンイチモンジセセリが飛んでいるのを法西先生がみつけた。先生はチョロッと
飛んだだけで何の蝶かすぐわかるのですごいと思う。
ギンイチモンジセセリ
ギフチョウはいないかも知れないと先生も言ってたけど、ちょうど食草のヒメ
カンアオイを説明してもらっているときに一頭のギフチョウが飛んできてビック
リ。はじめて飛んでるのを見た。うれしかった。また飛んで来るかもしれないと
みんなカンアオイの方を見ながら弁当を食べていたら、やっぱり飛んできて、父
は網を持ってあわててとんでった。その後もクリ畑や他のポイントで何頭も出合
った。田んぼや畑のあぜ道を歩いていると空気もおいしいしのどかで気持ちよか
った。キジもいた。こんな里山がいっぱいあったから前はギフチョウがいっぱい
ギフチョウ
いたんだな。
帰る頃、虫かごにいれてたギフチョウがきれいな緑色の卵を産んだ。法西先生
が栽培しているカンアオイをもらって、上森君とぼくが飼育した。たくさん孵化
したので6~7頭を残して、幼虫を返しに行った。飼育した幼虫は無事に育って
蛹になっている。来年春の羽化が楽しみだ。
ツマキチョウ
5月26日はウラキンシジミやヒメキマダラセセリの調査に連れて行ってもら
った。逆瀬川からバスでゆずりは台まで行って、そこから逆瀬川の上流を歩き、
越水・甲山・甲山森林公園そして家までずっと歩いた。13キロぐらいあったと
思う。少し疲れたけどいろんなことを教えてもらった。
食草のコバノトネリコ(ウラキンシジミ)やカラスザンショウ(カラスアゲハ)
アリマウマノスズクサ
アリマウマノスズクサ(ジャコウアゲハ)もたくさんあった。モウセンゴケが群
生しているところも教えてもらった。ちょうどガガンボをつかまえていた。ネバ
ネバの液が指にくっついた。法西先生は、高いところで吸蜜していて僕にはよく
わからないのもどんな蝶かすぐにわかる。はばたきとかで見分けてるのだ。数が
少ないウラキンシジミやヒメキマダラセセリのポイントも教えてもらったけど、
これらは先生が見つけた。とても真似できない。
この日は目当てのチョウはほとんど採集できなかったけど最後は先生の家でオ
モウセンゴケが
ガガンボをつかまえた
オムラサキやウラゴマダラシジミの蛹や朝羽化したばかりのウラキンシジミ、ク
ロヒカゲモドキの幼虫を見せてもらった。帰ったら先生が採ってくれたモモスズ
メが産卵してた。6月に家族で同じところに行ったときは、ウラキンシジミやム
ラサキツバメも採集した。
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『武庫川の
武庫川の治水を考える連絡協議会』主催の
武庫川の治水を考える連絡協議会』主催の水生生物観察会
治水を考える連絡協議会』主催の水生生物観察会報告
水生生物観察会報告
(2002.8.17)
法西
浩
私は、指導員・講師の一人としてWWF(日興グリーンインベスターズ基金)からの助成
で行われたこの会に参加しバスの中や現地で指導・解説を行った。
目的地三田市小柿の野外センター付近を流れる羽束川は武庫川の支流である。この川は上
流にも下流にも渓谷があるという興味ある地形を備えている。(このような河川を先行河川
という)川が山地を貫入蛇行し、平野に出てまた渓谷へと流れるのである。
目的地の少し手前、高平の橋のところで、バスをとめてもらって、珍しい植物を採集し、
車内で解説する。水際に棲息するゴキヅル
水際に棲息するゴキヅル(
県版レッドデータブックCランク種 マメ科植
水際に棲息するゴキヅル(県版レッドデータブックCランク種)、マメ科植
物に寄生する植物ネナシカズラ 、キタテハの幼虫の食草であるカナムグラ
キタテハの幼虫の食草であるカナムグラの3種である。
キタテハの幼虫の食草であるカナムグラ
小柿の野外センターに着いてからは、羽束川に降りて、川の中の水生昆虫、魚、カニ、エ
ビなどを採集・観察。虫を探したり、泳いだり、みなさん楽しそう。
11時45分からは、稲津先生が、みんなで採った生物の解説。そのあと私の採集した昆虫
の解説。
昼食後は、レジュメを配って昆虫の解説。このレジュメは、2001・02年の羽束川と
その上流部、大阪府能勢町深山高原の水域を含めた、フレッシュな私のフィールド・レポー
トの概要である。県版レッドデータブックAランク種「絶滅危惧種」の植物ヤシャゼンマイ
ヤシャゼンマイ
と、同じくAランク種の動物アオハダトンボ
アオハダトンボの2種の写真を使っての解説と、流域のその他
アオハダトンボ
注目すべき希少種の紹介と解説を行った。
そのあと、午後2時まで、子どもたちにネットを貸し与え、森の中で昆虫を探してもらっ
て、持ち帰ってきた虫の名前とその解説を行った。この時期はチョウやトンボは少なく、バ
ッタ目のオンパレードとなった。虫を採ってくるこどもの目は生き生きと輝いていた。
帰りは、武庫川の別の支流青野川上流の三田市青野ダムを見学し、記録撮影。猛暑の一日、
みなさん、いい思い出ができたでしょうか。当日の採集・観察・目撃した生物リストは下記
の通りです。
ヤマトシジミ
■観察・採集した生物のリスト
観察・採集した生物のリスト
【チ ョ ウ 目】キタテハ幼虫、クロアゲハ、アオスジアゲハ、アゲハ、コミスジ、
ヤマトシジミ、スズメガ幼虫、シャクガ幼虫
【ト ン ボ 目】ハグロトンボ、シオカラトンボ、オオヤマトンボ、オニヤンマ、ナツアカネ、ウ
スバキトンボ
【バ ッ タ 目】ショウリョウバッタ、ツチバッタ、トノサマバッタ、クルマバッタ、
オンブバッタ、ミヤマフキバッタ、ツユムシ幼虫、ミツカドコオロギ
【その他の昆虫
その他の昆虫】オオカマキリ、タマムシ、ミヤマクワガタ、ウスバカゲロウ、アブ、
【昆 虫 以 外】トカゲ
【植
物】ゴキヅル、カナムグラ、ネナシカヅラ、マルバハギ
【水 生 生 物】シロタニガワカゲロウ、モンカゲロウ、ハグロトンボ、コヤマトンボ、サワガニ、
ミナミヌマエビ、スジエビ、カワニナ、カワヨシノボリ、カワムツ、ウグイ、
タカハヤ
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