よい企業とはどのような企業か これまで、資本と労働力の循環に依拠して、企業の活動、企業と 労働者との関係、経営者の役割について考えてきた。企業論の まとめとして、よい企業とはどのような企業をいうのか考える。 考える手がかりは、やはり資本と労働力の循環です。 皆さん、自分の頭脳で考えてみましょう。 まず手始めに、よい人間とは? ◉ 正直である ◉ 他人のことを考え、実際に行動できる ◉ 怠けず、目標を持って努力できる ◉ 賭け事をせず、勉強や仕事に励む ◉ 約束を守る など、いろいろ要素が思い起こされる よい企業とはどのような企業か 能塚の考える人間の基本 自分の存在の根拠を理解し、その根拠に恩返ししな がら、自分らしく生きること 彼の存在の根拠は? 父母や家族の無償の愛 祖父母の存在 彼が成長できた地域社会 その他、さまざまな社会的要素 人は、生きているのではない。 生かされつつ、生きているのだ。 よい企業とはどのような企業か 取締役 (経営者) 地球環境 投資家(株主) 消費者 産業廃棄物 資本の循環 資本金 労働力の循環 商品 生産 商品´ 売上 ゴミ 労働力 労働契約 労働 賃金 商品 消費 労働者 労働力 よい企業とはどのような企業か 投資家(株主) 利益をあげて債務を確実に返済し、 また配当を行わなければならない。 労働者 より快適な労働条件や働き甲斐を 与えなければならない。 消費者 よりよい商品を効率的に生産して、安く 提供しなければならない。 地球環境 企業の存在の根拠 温暖化ガスの削減など環境に配慮した 活動と商品の提供を行なければならない。 4つの要素の対立的関係に注目 ⇒ ここから出てくる重要な概念は? それは、バランス(調和)だ よい企業とはどのような企業か 投資家(株主) 労働者 消費者 地球環境 ①企業は、株主のために利潤を追求するだけの無機的 なマシーンとしてモデル化して捉えられるべきではない。 ②企業は、生身の人間がそれぞれに固有な価値観や 嗜好を持って、出資者・労働者・消費者などの様々な立 場で参画する場であり、それらの人々が相互に影響し 合い信頼を培っていく場であり、また、お互いの多様な 利害を調整していく場である。 ③ ⇒ 経営者は企業を利潤追求の手段としてではなく、 社会の公器としてとらえ、その社会的責任(CSR)を強く 意識して、経営にあたらなければならない。 よい企業とはどのような企業か 経済同友会の「社会的責任経営」の概念 「社会的責任経営」とは、 ①様々なステークホルダー(顧客、株主、従業員、将来の 世代、地域社会など)を広く視野に入れながら、 ②企業と社会の利益をその時代の社会ニーズを踏まえて高い 次元で調和させ、 ③企業と社会の相乗発展を図る経営のあり方である。 例示 環境保全や環境に配 慮する製品・サービス の開発 消費者の環境意識の変化 コスト削減やビジネスチャン ス拡大。⇒培った技術力やブラ ンド力が企業の競争力となる。
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