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大地の躍動を見る
新しい地震・火山像
山下輝夫編著
岩波ジュニア新書
30416011
総合科学専攻
1年 後藤星菜
本の構成
第1章
地震はどのように起きているか
第2章
歴史から見た地震
第3章
地震の動きを考える
第4章
地震と火山の活動を測る 第6章
第5章
宇宙から地殻の動きを知る
火山噴火のからくり
第7章
火山のもと
第8章
地球の内部はこうして知る
第9章
地球の鼓動が聞こえてきた
第1章 地震はどのように起きているか
▶地震って何?
○1960年代の仮説:“地震=断層活動”
断層活動…プレートがお互い動き合っているため生じる歪みを
解消するために起こる「ずれ」。
プレートの内部や隣り合うプレートの間で、ある面
を境にして両側が左右上下にずれる。
▶地震断層をCTする
○地面は、レントゲンをとれないし、切り開いて調べるわけにもいかないため、
地震波によって地震断層の様子をうかがう。
○複数のパルス(グラフの山)が観測点に
到達する時間差、その振幅や時間幅で場所や
時間、規模などの情報がわかる
(地震波例)
第3章 地震の動きを考える
▶地震のモデル
○物事の起こり方を理解するため、自然科学では最も重要だと思われる部分だ
けを取り出し、出来るだけ物事を単純化する(=モデル)
○地震を表すモデルは平たい地面に重い大きな平べったい石を誰かがゆっくりと
引っ張っているというものである。 十分な力を加えられた石は突然すべりだす。
この突然のすべりが地震の発生、石と地面で挟まれたところが断層となる。
▶その他の現象
○地震を特徴づけるものとして、断層活動の他に水やマグマなど地下の「流体」が
挙げられる。
例:1962年 アメリカコロラド州デンバー
深さ三千数百mの井戸に大量に科学廃液を注入したところ
井戸を取り囲むようにM1~5の地震を誘発
注入量により地震の数も変化することから流体がかかわっていること
がわかる。
第4章 地震と火山の活動を測る
▶地面の動きを測る
○地面の動きを測ることは地震、津波、火山の災害から人命を守るうえで大変重要で
ある。地震が発生しているときのみではなく、地面は常にいろいろな方向に振動をして
いる。そのため、目的や用途に合わせて振動の計測にも様々なものがある。
1.地震計:比較的周期の短い振動を測定する装置。
電磁式地震計、強震計、広帯域地震計などがある。
2.ひずみ計:周期の長い振動を計測する装置。
地殻変動を観測する装置。地球潮汐を精度よく観測できる。
3.傾斜計:上に同じ。
活動的な火山周辺では多数設置され、火山活動で山体が膨らむときに
起こる地面のわずかな傾斜をとらえ、火山噴火の予知におおいに役立つ。
第6章 火山噴火のからくり
▶揮発性成分と爆発
○マグマが爆発を起こす理由
マグマに揮発性成分が含まれている
↓
揮発性成分は高い圧力の下ではマグマ中に溶け込んでいる
↓
マグマが地表に上昇するにつれてかかる圧力が下がる
↓
(マグマが爆発する理由 つづき)
↓
マグマ中に溶け込めなくなった揮発性成分が分離してガス(=気泡)になる。
(マグマの発泡現象)
↓
圧力が減少すればするほど気泡を含んだマグマは膨張しようとする
↓
周りを岩盤に囲まれているため、膨張する十分なスペースがない
↓
マグマにかかる圧力が高まっている状態で火山の上部などいわゆる“ふた”の部分が
地滑りなどにより突然圧力の下がる状態になる
↓
火山の大爆発が起きる
▶溶岩の性質と脱ガス
○赤熱した溶岩が火のシャワーのように吹き出す原因は、
粘り気の小さいマグマの表面近くで大きくなった気泡が、
次から次へとはじけることで、マグマとガスが一緒になって火口から勢いよく飛び出すから。
このようにマグマの持つ性質の違いは噴火の形に影響を与える。
○地上に到達する前にガスがマグマから抜け出すことを脱ガスという。
第7章
火山のもと
ーマグマのできかたー
▶マントルを構成する岩石
○地球には、もっとも外側の地殻の下にマントルが続いている。
このマントルを構成している岩石(=かんらん岩)がマグマを作り出す。
○かんらん石の70%は透き通った緑色の「かんらん岩」
残りは輝石やガーネットで構成される。
▶マグマのでき方
○マグマは、圧力と温度の影響により、かんらん岩が溶けてできる。
マグマが活動する場所は大きく分けて3つある。
1. 海嶺…海洋底にそびえる巨大山脈の地下。
地下から熱いマントル物質が対流によって上昇してきてプレートが生み出される。
2. 島弧…
日本のようにプレートが冷えて重くなり、沈み込んでいる場所。
マントルに水が加わったために、比較的低い温度で溶けてマグマが作られる。
3. ホットスポット…地球の内部の深いところから細長く熱い物質が湧き上がっている場所。
かんらん岩が溶けてできるマグマと海洋地殻のかけらが溶けてできる
2種類のマグマが混ざり合っていることが特徴。