スライド 1

基礎電気理論 (6)
2008年作成
担当:本間 聡
連絡先 Email: [email protected]
キルヒホッフの法則
1.一つの接点に流れ込む電流の代数和は0となる
2.回路中の任意の閉路について,電圧の代数和は0となる
I0
赤丸の位置に流れ込む電流
赤丸から流れだす電流
I0= I1+ I2
V
I1
R1
I2
R2
V=R1I1
V=R2I2
I1:I2=R2:R1
重ね合わせの法則
回路を複数の閉路にわけ,分流する電流を仮定して式を導出する.
その後,各回路を重ね合わせる.
I1
V
I3
R1
R2
V=(I1-I3)R1
0=(I3-I1)R1+I3R2
閉路の選択は
いろいろ考えられる
問題

以下の回路の電流および電圧の関係を求めなさい
I1
R1
I2
V
I3
R2
R3
解法1

まずは環電流を考える
各電流と電圧の関係から
R1I a  R2 I a  I b   V
R1I a  R3 I b  V
この連立方程式を解く
解法1の続き
R1I a  R2 I a  I b   V
R1I a  R3 I b  V
よりIa,Ibを求めたら
以下の関係式おり,I1, 2, 3を求めることができる
I1  I a
I 2  I a  Ib
I3  Ib
解法2(2行2列の行列)
R1I a  R2 I a  I b   V
R1I a  R3 I b  V
Ia、Ibでまとめて
R1  R2 I a  R2 I b  V
R1I a  R3 I b  V
行列を使って書くと
 R1  R2

 R1
 R2  I a  V 
    
R3  I b  V 
解法2の続き(逆行列の求め方)
Aの行列
 A11
A  
 A21
A12 

A22 
同様にBの行列
 B11
B  
 B21
B12 

B22 
もし,以下の関係になれば
 1 0

BA  
0 1
BはAの逆行列という
B  A1
と表記することもある
 B11 B12  A11 A12 


BA  
 B21 B22  A21 A22 
 B11 A11  B12 A21 B11 A12  B12 A22 

 
 B21 A11  B22 A21 B21 A12  B22 A22 
1 0

 
0 1
解法2の続き(2行2列の逆行列)

2行2列の逆行列は公式として覚えましょう
a b 

A  
c d 
の逆行列は
 d  b  d  b

 

 c a   c a 

1
A 

a b
ad  bc
c d
解法2の続き
 R1  R2

 R1
 R2  I a  V 
    
R3  I b  V 
 1 0  I a   R1  R2

   
 0 1  I b   R1
両辺に
 R2 

R3 
 R1  R2

 R1
1
1
 R2 
 をかける
R3 
V 
 
V 
R2 
 R3
 R3  R2 



V 
R2 
 I a    R1 R1  R2  V 

  
  
 I b  R1  R2 R3  R1 R2 V  R1  R2 R3  R1 R2
解法3 (3行3列の行列でとく)
R1 I1  R2 I 2  V
R1 I1  R3 I 3  V
I1  I 2  I 3
( I 1  I 2  I 3  0)
行列式を使って書くと
同様に3行3列の逆行列を求
めることで解くことができる
 R1

 R1
1

0  I1  V 
   
0 R3  I 2   V 
 1  1 I 3   0 
R2
クラメールの公式を使いこなす

クラメールの公式を覚える前に行列式を学ぶ
行列の解き方は次週以降。
 ベクトルの演算の説明をしたのち、先の回路の
計算を行うことにします。
 先に答えを知りたい人は、教科書p.165~を読
むこと

ベクトル解析で3次元攻略
ベクトルとスカラー

自然界には、大きく分けて二つの量が存在

スカラー量:大きさだけで決まる量
 例:体積やエネルギーの量、標高

ベクトル量:大きさと方向によって決まる量
 例:力や速度、傾斜
 一般的に、矢印で記述される。
 長さが大きさ、矢の方向がベクトルの向き
 太字、もしくは上に矢印が付いた記号で書かれる

例:

A, A
単位ベクトル

単位ベクトルとは

長さ(大きさ)が1のベクトル
単位ベクトルn(Fの方向の)
ベクトルF
長さ F

長さ 1
同じ方向の単位ベクトルnを用いれば、ベクトルFは以下のよう
に表現される
F=nF
2次元のベクトル空間
2次元の表現は皆さんにとってなじみやすい


まず2次元のベクトル空間を考えてみよう.
左のベクトルAは以下のように書ける
y
A (x0,y0)
j
i
x
A  x0i  y0 j
ここで iはx方向の単位ベクトル
jはy方向の単位ベクトル
3次元への拡張

同様に3次元空間へと拡張できる
z
左のベクトルAは以下のように書ける
z0
A  x0i  y0 j  z0k
k
x0
x
i
j
y0
y
ここで i, j, kはx, y, z方向の単位ベクトル
ベクトルの足し算
A=3i+j
1
3
5i+3j
3
B=2i+2j
2i+2j
3i+j
5
2
2
ベクトルの引き算

ベクトルの引き算を計算する場合
A-B=A+(-B)と考えればよい。
符号が変わるとベクトルの向きが変わる


A=3i+j
A=3i+j
1
1
3
3
B=2i+2j
2
-2
2
-B=-2i - 2j
-2
A-B
=1i-1j