大学評価実務説明会 〔2010(平成22)年度申請に向けて〕 Ⅰ部 財団法人大学基準協会 2009(平成21)年4月22,23,28日 はじめに -大学評価が求められる背景- ユニバーサル・アクセスの時代-大学の多様化・自由化の 進展。 その一方で、大学としての質の不揃いが見られるようになり、 学位の一般的信頼性は相対的に低下。 設置基準の厳格化も含め、大学の質の標準化を求める動き が急速に強まっている。 大学教育の国際化・流動化の進展に伴い、わが国の大学 の国際的信頼性を維持する意味でも、質保証システムの整 備が急務。 2 大学基準協会が実施する大学評価 -目的と評価基準- 大学評価の目的 社会に対し大学の質を保証すること 大学の改善を継続的に支援すること 大学評価のための基準 大学基準とその下位基準である学士課程基準、修士・博士課程基 準、専門職学位課程基準 大学評価では、「大学の特徴や立場を尊重しその改善・向上を促 すという観点に立って、各大学が掲げる理念・目的・教育目標の実 現の状況や実現に向けた努力の状況などを、点検・評価項目に示 される大学の教育・研究を中心とした活動の諸側面について検証 する」という基準適用の趣旨を踏まえ、当該大学の基準適合性を 判定。 3 大学基準協会が実施する大学評価 -組織体制- 理事会 大学評価委員会 大学評価分科会第1群 全学評価分科会第1群 評議員会 異議申立審査会 ○○専門評価分科会 大学財務評価分科会 4 大学基準協会が実施する大学評価 -評価プロセス- 指定期 日まで に提出 大学による 自己点検・評価 改善報告書の検討 評価結果に対する大学の 対応・改善報告書の作成 異議申立 審査 評価結果の 大学への提示 学部・大学院研究科 の評価と大学全体の 評価 達成度評価と水準評 価 書面審査 実地視察 評価結果(委員会案)の 提示 大学による 意見の申立 5 大学基準協会が実施する大学評価 -特徴(1)- 達成度評価と水準評価 大学の理念・目的・教育目標の達成度の評価と高等教育機関に 求められる水準の評価 専門分野別の評価と全学事項の評価の総合的評 価 学部、研究科の教育課程、教員組織等を評価する専門分科会と 教育研究組織、図書館、管理運営等を評価する全学分科会を設 置し、きめ細かい評価を実施 大学の継続的改善を求める評価 7年周期の中間時点で評価結果の改善状況をさらに評価、その評 価結果を次の認証評価時に検証 6 大学基準協会が実施する大学評価 -特徴(2)- ピア・レビューの重視 本協会の大学評価を実際に行う評価者は正会員大学の教職員を 中心に構成。大学が行う教育・研究活動の当事者としてその活動 に直接責任を負っている大学教職員が専門的な知見を駆使して 評価。なお、大学評価委員会には外部有識者を加え、評価の透明 性を確保。 自己改善機能を重視した評価 本協会の自己点検・評価では、教育内容・方法、教員組織、学生 の受け入れ、研究活動など大学のあらゆる側面について、現状を 把握し、それを分析・評価して、問題点についての改善策まで導き 出すことを要請。 こうした自己点検・評価方式を通じて、大学の教育研究水準の向 上を促進させる評価、すなわち自己改善機能を重視した評価を実 施。 7 質保証とは何か 質保証とは? 教育の質が一定の基準を充たしていること、また、基準を維持し続 けていくだけの条件を整備していること、を証明すること。 自ら掲げる目的・目標の達成に向け、質をより向上させていく可能 性があることを証明すること。 質保証の第一義的責任は? 規制緩和に伴い、大学の質保証は、第三者である認証評価機関に その役割が期待されたが...。 質保証の第一義的責任は、大学にある。 内部質保証システムの構築 →自己点検・評価の実質化の必要性 8 現在の大学評価の問題点 -自己点検・評価の形骸化- 自己点検・評価は何のためにするのか、目的 が明確になっていない。 自己点検・評価作業を行う構成員の合意形成 が十分でない。 到達目標の設定の仕方に問題がある。 自己点検・評価報告書が客観的根拠に基づい て記載されていない。 9 自己点検・評価を実質化させるために -内部質保証システムの構築(1)- 自己点検・評価を実施する組織構造の明確化 学長等執行部のリーダーシップ 評価体制・評価組織の構築と権限・責任の明確化 フィードバック・システムの整備 到達目標の明確化 的確な現況把握 到達目標の達成に向けた改善方策の具体化 10 自己点検・評価を実質化させるために -内部質保証システムの構築(2)- 客観的データ(評価指標)の整備 評価指標の構造化 インプット指標(目標達成に向けた人的・物的資源の投 入量) プロセス指標(活動量・努力量) アウトプット指標(生産量) アウトカム指標(目標達成度) ベンチマークの設定(前年度との比較、目標達成値 との比較、同規模大学との比較、など) 評価方法の工夫 学外者による検証システムの導入 11 おわりに -クオリティ・カルチャーの形成を図る- クオリティ・カルチャーの形成 質に対する学内構成員の意識を高める 内部質保証の効用 大学としての説明責任 社会的信頼性の確保 教育の質の維持向上、学位の水準の維持 「大学評価の主役は大学である。」 12
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