自治を回復し、 まち・むらの課題を、 まち・むらの力で解決するために - 協働の基礎を再確認する IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 代表者 川北 秀人 http://blog.canpan.info/iihoe/ 「協働が始まらない・進まない」現場の声 「協働って、何?」 「なぜ協働が必要なのか、わからない」 「どう始めれば良いのか、わからない」 「現場は進めたいのに、上司が・・・」 「当課には、協働できる事業はない」! 「それでなくても業務が多いのに・・・」 「どんな団体があるか、わからない」 「まともな団体を探す・選ぶには?」 「行政依存の住民を、どうやって?」 IIHOEって? 組織目的: 地球上のすべての生命にとって、 (1994年) 調和的で民主的な発展のために 社会事業家(課題・理想に挑むNPO・企業)の支援 隔月刊誌「NPOマネジメント」発行 育成・支援のための講座・研修 地域で活動する団体のマネジメント講座(年100件) 行政と市民団体がいっしょに協働を学ぶ研修(年40県市) 企業の社会責任(CSR)の戦略デザイン ビジネスと市民生活を通じた環境問題の解決 2020年の地球への行動計画立案 専従3名、東京(新川)、約3900万円 権藤副センター長のお話から 2010(H22)年:協働実践会議→「新しい共助社会」 指針:NPO・ボランティアと企業との協働+行政支援 →協働理解促進+交流機会創造+自立基盤強化 共助社会づくり表彰(12年~ 52件78団体) 共助社会づくりフェスタ:70団体・社 活動紹介 「協働事例100選」+「ふくおかNPO50」 新たな県民サービス向上事業(04年~70件) NPO・企業による元気なふくおか共創:マッチング (10年~19件) (ただし「新しい公共」支援事業は、11-12年度限り) 協働は、法が禁じること以外すべて可能 業務の 顧客 直接、県民に 市町村を通じて (個人・法人) 県民に 県の場合 産業、環境、教育、福祉、国際、広報、 建設、水道、交通、林業、税務・・ 原則として すべて庁内 財政、人事、 監査・・ 多老化に伴う 「サービス需要増 +税収減」状況を 支え続けるために、 基本原則 協働できることを ひとつでもより早く 効果的に 増やし続ける 「より効果的に 県民と庁内に 貢献する」ために、 県民から意見・ 協力を求めて 業務改善を 積み重ねる 多老化に伴う 「サービス需要増 +税収減」状況を 支え続けるために、 協働できることを ひとつでもより早く 効果的に市町村と 増やし続ける 中期目標+計画+実務(PDCAの対象に) 意見・協力募集 交流・表彰の機会:案件形成、相互学習 (例:効果測定、 具体的な 官民合同でスキルの向上 研修協力) 進め方 高齢者・外国人等への説明・支援協力! (県民対象に「行政のしくみ」解説も) 田上・長崎市長のお話から(管理職研修) 協働は「発想」から! 一人芝居から、プロデューサーに! 事業・業務の執行段階だけでなく、連携・紹介でも成果に 「自然環境を守る・育てる」課の目的→市民はパートナー 特別なことじゃなく、日常・普段の仕事の進め方として 行政「だけ」で事業・予算→成果を大きくするために転換を 周囲の人びとが資源に見えてくる→誰に何ができるか 市民とコミュニケーションする力! 市民が求めるのは「普通の言葉で会話できる職員」 「制度の説明だけ!」、「自分の担当だけ!」、「コロコロ異動する 職員より、自分のほうが詳しい!」 「この申請に来たのはなぜか?」にまで遡ることで、より深い解決 や満足に結び付く トラブルを減らす&市民の喜びを高める・増やす! 竹山・堺市長のお話(区長・局長・部長&中堅職員対象) ・憲法が保障する地方自治(第94条) ・自然権としての基本的人権(ルソー)同様に 地域も自治を志向した時点で地域主権(×地方分権) ・他から干渉されない団体自治から住民自治へ ・「基礎自治体優先」「自助+補完性」「近接性」原則 (欧州自治憲章:公的責務は、市民に最も身近な地方 自治体が優先的に履行する)→民主主義の基本 → 権限と財源は現場に!→手が届く都市内分権を ・人が人を支える社会、お任せ民主主義からの脱却 → 強力なリーダー待望論は日本を滅ぼす → 自立=相互依存(inter-dependent 阪大 鷲田教授) ・ドライバーは市民。職員はナビゲーター。知るため現場へ ・見て見ぬふりしない、おせっかいな市職員に! 2020年の世界・日本は? 中国のGDPは、日本よりいくら多い? 原油、鉄、レアメタルなどの価格は? 日本の国民一人当たりGDPは何位? 日本の高齢者率は? 国債の残高は? 既存インフラの補修コストは? 橋:15m以上が15万か所!→20年には25%以上が50年経過! 施設:700㎢以上!→市町村管理が半数以上、30年以上が3割! 下水道:陥没は年5000か所以上! 道路、ダム、住宅、上水道、電力、鉄道、・・・ 社会保障(医療・介護)費は、いくら増える? 消費税は、いくら必要? 延長線上で考えるな! 日本のGDPが世界に占める割合が最大だったのは? 2012年に日本のGDPが世界に占める割合は? では、2017年には? 同年、中国のGDPは日本の何倍? 同年、ブラジルの1人当たりは、日本のいつと同じ? それは、韓国のいつと同じ? 福岡県も、これまで20年と、これから20年は違う 1990年 計(万人) 0~14歳 15~64歳(A) 2000年 481.1 501.5 507.1 A÷B 75歳~ 2020年 488.4 91.0 74.2 68.4 55.0 292.9 87.0 112.3 12.4% 17.4% 5.5人 24.3 3.9人 36.4 46.6 270.6 ▲16% ▲1% 59.7 460.9 ▲31% ▲24% 328.7 339.3 322.7 2030年 ▲9% +5% (生産人口) 65歳~(B) 高齢者率 2010年 140.4 143.6 22.1% +87% 28.8% 31.2% +27% 2.8人 55.2 2.0人 71.2 1.8人 89.3 +51% +28% +25% 2020年の福岡県は? 高齢者率は?→ 28.8%!(2人で1人を支える) 75歳以上は?→71.2万人(10年比28%増)! 県民の7人に1人! ヘルパーなど、福祉の担い手をどれだけ必要? 社会保障(医療・介護)費は、いくら増える? 高齢者の健康=地域の資源+資産! 生産人口は? → 9%減(00年比 13%減) ! 既存インフラの補修コストは? 個人所得税収は? 道路、橋、公営住宅、上下水道、庁舎・施設、・・・・ 債権残高は? 福岡県の高齢者・後期高齢者のくらしは? 2000年 人口(万人) 高齢者 後期高齢者 世帯数 高齢者単身 2005年 2010年 2015年 2020年 501.5 87.0 36.4 504.9 100.2 46.4 507.1 112.3 55.2 497.6 130.1 63.6 488.4 140.4 71.2 7.3% 9.2% 10.9% 12.8% 14.6% 191.7 14.2 200.9 17.3 211.0 21.0 211.9 25.3 210.4 27.8 3.2+11.0 4.1+13.2 5.3+15.6 6.6+18.6 7.4+20.3 後期高齢者 単身 6.4 8.7 1.2+5.1 1.7+6.9 後期単身率 17.6% 18.8% 20.6% 21.4% 21.9% 高齢者夫婦 11.6 2.4 13.5% 14.2 3.8 15.7% 16.6 5.3 17.8% 19.6 6.5 21.2% 21.4 7.6 23.4% 後期 夫婦 高齢世帯率 11.3 13.6 15.5 2.3+9.0 2.7+10.8 3.1+12.3 まちの「サバイバル」力を どう維持するか まちの売上高トップ10は、どう変化したか? 10年前、現在、10年後のトップ10は同じか? まちの競争力は、どう維持・向上するのか? まちの競争力は、誰が支えるのか? 地場産業は、まちの競争力を高める力となるか? 変化の中で、資源を活かせる産業は何か? 子どもに、どんな仕事を「本気で就業体験」させるか? まちの競争力を支えるために、行政は何をすべきか? まちの競争力を支えるために、企業は何をすべきか? くわしくは「NPOマネジメント」第29号「まちのマーケティング」参照 まちづくりは、誰のため? 何のため? あいさつできる関係づくりのため 子どもたちの世代が誇りを持って 暮らし、働くため 20年で人口が半減した町で、小中学生が 農畜漁林業の生産・販売を体験し、町長 に提言する年50時間以上の町おこし授業 (北海道・浦幌町、「NPOマネジメント」第63号参照) 災害時などの安心のため 障碍者・高齢者のための「避難支援」と 「避難所の課題確認」訓練(別府市) 元気な地域は、人数ではなく姿勢が違う 自分が住み続ける地域の未来の ために、本当に大切なことを 実現できるように、全力を尽くす。 出し惜しみしない できないフリしない あきらめない 「誰かがどうにかしてくれる」なんて 甘えない 雲南市の地域自主組織のすごさ ・「公民館」から「地域交流センター」へ 共益的な生涯学習から、公共サービスへ ・「小規模多機能」自治 合併による「行政機能の集中・効率化」を補う 「適地適作(策)」型の地域づくり 幼稚園放課後の預かり保育(海潮) 閉店された農協跡で産直市&100円喫茶(中野) 共通の「基本機能」と独自の「魅力づくり」 最小限の安全・安心をどう維持するか? 文化・伝統をどう残すか? 経済的な循環・競争力をどう維持するか? 真地(まーじ)団地自治会(那覇市) ・1981年開設の市営住宅、400世帯 ・車両部で買物支援 「移動も寄り道も生きがい」、今後は役所にも! ・2011年度に「地域福祉部」新設! 「第1次福祉計画」(11-13年度): 見守り、活性化、運行、資金造成 ・見守り:同棟の支援者、新聞・宅配も協力 ・木曜:「ふれあいデイサービス」(14-16時) ・金曜:「百金食堂」(100円昼食会) ・土曜:カラオケ! 60人のお年寄りのために 77歳の看板娘が営むコンビニ「ノーソン」 (大分県中津市 旧・耶馬渓町) ・03年農協閉店、05年合併:「役場も店も遠くなる」 ・農協から店舗を買い取り、日用品販売&お茶飲み ・調味料、菓子、種苗など300品目、年商400万円 ・住民がつくった野菜・果物を市街地大型店に出荷 → 年商400万!→耕作放棄地が相次いで畑に! ・中島さん「田舎には、仕事を探しに来る人じゃなく、 仕事をつくれる人に来てもらいたい」 自治会・町内会は、 行事を半減して、事業=福祉+経済を! 【現在】 親睦も安全も福祉も行事の連続。。 →地域の住民が気軽に付き合い、 日常生活に必要な情報交換や 安全確保などを行なうとともに、 地域生活をより快適にするため、 自主的・自発的に共同活動しな がら、まちづくりを進める。 問題解決 (交通安全、防火・防災、 防犯・非行防止、資源回収) 生活充実 (福祉、青少年育成、 健康増進、祭礼・盆踊り、 運動会、文化祭など) 環境・設備維持 (清掃・整備、 集会所管理など) 広報・調整 【今後】 「小規模多機能」自治! →行政機能の集約化を補い、 住民減少・高齢化などに伴い 必要性が高まる安全・安心の 確保のための「適地適作(策)」 型の地域づくりを進める。 共通の「基本機能」と 独自の「魅力づくり」 ・最小限の安全・安心の維持 ・文化・伝統の継承 ・経済的な競争力の維持・向上 協働が進まない5つの理由 ①目標と計画がない → トップも現場も本気じゃないから?? ②流れもルールも決まっていない → 他地域研究や「協働スケジュール」がないから! ③推進するツールや体制がない → 中期的な目標も、ニーズ調査もないから! ④評価・監査されていない → 継続的な改善と、トップの関与がないから! ⑤NPOが協働していない → お互いに関心がなく、仲が悪いから!? 詳しくは「NPOマネジメント」第69号参照 双方の当事者性と専門性が 重なり合わないと、協働は成立しない できるチカラ 市民と行政の 当事者性 協働 ↓ したい意欲 市民と行政の 専門性 市民参加の保障 続ける「意欲と力」を育てるプロセスなく始めると 必ずそのツケを払うことになる。 行政の誤解 「行政改革と住民参加から、協働が不可欠」? 行政改革 ≠ 財政改革 コスト削減のために悪用しようという首長・議員が多い しかし、海外の例からも、 行政・公共サービスの「クオリティ」と「スピード」を 向上すれば、その成果として「コスト」が削減する 行政改革の成果として、財政改革が実現する 「企業より安い委託先」「ボランティアだから当然」 責任を委ねるなら、予算と権限も委ねるのが当然! 地域の時間と力を奪い、育つ機会を失わせている! 指定管理者制度は、 本来の趣旨どおり導入されているか? 「今般の改正は、多様化する住民ニーズに より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に 民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図ると ともに、経費の節減等を図ることを目的とする」 (総務省自治行政局長通知、03年7月) → 「多様化する住民ニーズ」の検討は? 「より効果的・効率的な対応」の定義は? 「住民サービスの向上」を実現しうる体制とは? → 文化会館の舞台スタッフOB団体への委託? 運営委員会による市民活動センター? 委託期間の途中で予算カット?? NPOの誤解 「継続するための資金 or 委託がほしい」? 国も自治体も、財政は良くならない 小渕内閣「緊急経済対策」での国公債増発分の償還! しかも自治体財政健全化法 +09年度は税収以上の国債発行! 自治体でも「団塊の世代」が一斉に退職 その退職金の原資は? インフラの補修→新設・管理より補修の財源確保を! 橋:15m以上が15万か所! 施設:700㎢以上!→市町村管理が半数以上、30年以上が3割! 下水道:陥没は年5000か所以上! 道路、ダム、住宅、上水道、電力、鉄道、・・・ 行政のコストだけ下げて、権限はそのまま? 「官の効率化」・「官の肥大化」に協力するだけ! ニーズ調査から監視まで、しくみ全体にしっかりかかわる! アジア・フィルム・ネットワーク(愛媛) 映画好きが高じて、撮影の誘致・支援(フィルム・ コミッション:FC)も。 県も、観光交流課内にFC設置。 県は「許可」を、AFNは「情報収集、エキストラ、 現場支援、プロモーション」を。 それぞれの得意を生かして、撮影希望続々! 詳しくは「NPOマネジメント」第52号参照 地域循環ネットワーク(新潟県長岡市) 70年代に自宅の生ごみを堆肥に。 90年代に25名に。 97年に、小中学校9校の給食調理残渣回収。 00年・01年に、市内全校の給食残渣・食べ残し の量、処理費用、環境負荷などを調査し、同会が 代替した場合の試算を市教委学務課に提案。 02年度から市内小・中・養護学校と保育園全53 校で、ほぼ毎日、給食残渣の回収開始! 07年には合併先含め104校で実施中! 詳しくは「NPOマネジメント」第51号参照 協働を生み、育てるために、 行政の協働推進主管課がすべきこと 「なぜ協働が必要か」を定義し、 「どのように協働するか」の基本プロセスを決める 基本プロセスを普及・浸透する体制を整える Q&A集、「推進員」制度、職員研修、「協働化テスト」・・・ 基本プロセスを記録・検証し、改善を継続する 「協働推進ロードマップ」を総合計画に織り込む・・・ 常設の評価制度、監視と改善の制度化・・・ 市民と共有し、団体を育てる 「推進会議」、事業力を高める研修・・・ 詳しくは、「NPOマネジメント」第48号参照 憲法89条を守るために 横浜コードは生まれた 憲法89条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織 若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は 公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に 対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。 だから、横浜コード第5章は、 社会的公共性があること → その立証責任 公費濫用を防止すること → 報告・検証の義務 情報を公開すること を求めている。 協働を生み、育てるために、 行政の各課がすべきこと 協働の戦略をつくる NPOへの仕掛けを拡充する 「出会いの場」を制度化し、課題は事前に協議する 協働の専門性を高める 実施計画づくりの中で、3年後の展望も必ず立案・共有する NPO側の継続的な改善のための自己投資を促す 月次の協議で中期展望を再確認し、制度上の課題を共有する 中期展望を実現する施策を立案し、制度の不備を修正する 終了する前に、成果の活用や次の段階の提案を共有する 担当の複数任命(異動対策)、部署間連携の強化 協働の継続性を高める 詳しくは、「NPOマネジメント」第49号参照 協働を生み、育てるために、 NPOがすべきこと NPOのネットワークをつくる 協働の評価・監査に参加する 指針・条例の見直しを、市民参加で進める 協働のニーズ調査を、市民も行う 「出前講座」を活用する 審議会・委員会をフォローする 中間支援機関を強化する 職員研修にNPOも参加する 「合同お見合い」を開く 議員向けの連続勉強会を開く 詳しくは、「NPOマネジメント」第50号参照 簡単な個人作業で、頭を整理してみてください(~15:50) 講師の話・事例から 感じたこと・ 気付いたこと 自分の部署・団体で 「協働できる・ しなきゃ」と感じたこと 「県・市町村が 協働を推進すべき 理由・ポイント」 (5つ以上) 「協働を進めるために 必要なアクション・ しくみづくり」 (5つ以上) グループ内で共有して、まとめてください(~16:35) 講師の話・事例から 感じたこと・ 気付いたこと 自分の部署・団体で 「協働できる・ しなきゃ」と感じたこと 「県・市町村が 協働を推進すべき 理由・ポイント」 (10項目) 「協働を進めるために 必要なアクション・ しくみづくり」 (10項目) 他の班の「10の理由とアクション」を見て コメント+投票する(~16:55) ■10枚 ■3枚 気付きを与える 投票(理由) 質問、 助言・提案 「この部分が こういう理由で 参考になった」 ×感想 ×励まし
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