自治を回復し、 まち・むらの課題を、 まち・むらの力で解決するために - 茨城県における 協働の意義を再確認する IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 代表者 川北 秀人 http://blog.canpan.info/iihoe/ IIHOEって? 組織目的: 地球上のすべての生命にとって、 (1994年) 調和的で民主的な発展のために 社会事業家(課題・理想に挑むNPO・企業)の支援 隔月刊誌「NPOマネジメント」発行 育成・支援のための講座・研修 地域で活動する団体のマネジメント講座(年100件) 行政と市民団体がいっしょに協働を学ぶ研修(年40県市) 企業の社会責任(CSR)の戦略デザイン ビジネスと市民生活を通じた環境問題の解決 2020年の地球への行動計画立案 専従3名+客員1名、東京(新川)、約3500万円 企業の社会責任(CSR)・貢献の支援 「社会・環境報告書」に 第三者意見執筆(12年) ・アルパイン(08年~) ・カシオ計算機(06年~) ・協和発酵キリン(10年~) ・損保ジャパン(01年~) ・デンソー(03年~) ・日立ソリューションズ(11年~) ・ブラザー工業(03年~) ・三菱化学(05年~) ・横浜ゴム(09年~) 01年以来 計25社・106回 市民との対話の支援 戦略立案・人材育成の支援 ・ステークホルダー・エンゲージメント塾 ・役員研修(10社以上) ・CSR推進担当者研修(20社以上) ・他社報告書ベンチマーキングWS(同上) 社会貢献の支援 ・セブン-イレブン(みどりの基金) ・トヨタ自動車(環境活動基金) ・三菱地所(空と土プロジェクト) 関連コラムの連載 ・日経CSRプロジェクト ・環境goo(NTTレゾナント) 日立製作所 製品環境情報アドバイザー (上記9社以外に) エコポイント アドバイザー委員 ・富士写真フイルム エコプロダクツ展 企画委員 などなど ・資生堂 など 00年以来、計27社・88件 2020年の世界・日本は? 中国のGDPは、日本よりいくら多い? 原油、鉄、レアメタルなどの価格は? 日本の国民一人当たりGDPは何位? 日本の高齢者率は? 国債の残高は? 既存インフラの補修コストは? 橋:15m以上が15万か所!→20年には25%以上が50年経過! 施設:700㎢以上!→市町村管理が半数以上、30年以上が3割! 下水道:陥没は年5000か所以上! 道路、ダム、住宅、上水道、電力、鉄道、・・・ 社会保障(医療・介護)費は、いくら増える? 消費税は、いくら必要? 延長線上で考えるな! 日本のGDPが世界に占める割合が最大だったのは? 2012年に日本のGDPが世界に占める割合は? では、2017年には? 同年、中国のGDPは日本の何倍? 同年、ブラジルの1人当たりは、日本のいつと同じ? それは、韓国のいつと同じ? 茨城県も、これまで20年と、これから20年は違う 1990年 計(千人) 0~14歳 15~64歳(A) 2000年 2,845 2,985 2,969 A÷B 75歳~ 2020年 2,789 559 458 399 302 2,576 250 ▲35% ▲28% 1,943 2,030 1,891 2030年 ▲13% +4% (生産人口) 65歳~(B) 高齢者率 2010年 1,647 1,464 ▲22% ▲2% 338 495 665 839 861 11.9% 16.6% 22.4% +96% 30.1% 33.4% +29% 5.7人 132 4.1人 207 2.8人 314 1.9人 418 1.7人 535 +51% +33% +27% 2020年の茨城県は? 高齢者率は?→ 30.1%(全国より5年早い)! 高齢者1人を支える生産人口は、わずか1.9人! 75歳以上は?→41.8万人(6.5人に1人)! ヘルパーなど、福祉の担い手をどれだけ必要? 社会保障(医療・介護)費は、いくら増える? 健康増進活動の効果の可視化を急ぐ! 生産人口は? → 12%減(00年比18%減) ! 個人所得税収は? 既存インフラの補修コストは? 道路、橋、公営住宅、上下水道、庁舎・施設、・・・・ 債権残高は? 消費税を、どれだけ増やす必要がある? 茨城県の高齢者・後期高齢者のくらしは? 人口(千人) 高齢者 後期高齢者 世帯数 高齢者単身 2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2,985.6 495.6 207.8 2,975.1 576.6 266.7 2,969.7 665.0 314.9 2,872.9 770.5 362.9 2,879.6 839.2 418.7 7.0% 9.0% 10.6% 12.6% 15.0% 985.8 42.4 1,032.4 56.8 1,088.4 75.3 1,083.2 93.0 1,067.3 104.4 11+31 17+39 25+50 32+60 36+67 後期高齢者 単身 19.5 28.4 39.1 48.3 57.6 4+15 6+21 9+29 12+35 15+42 後期単身率 9.4% 10.7% 12.4% 13.3% 13.8% 高齢者夫婦 48.6 10.0 9.2% 64.9 17.0 11.8% 85.3 24.5 14.8% 104.9 30.8 18.3% 117.5 37.0 20.8% 後期 夫婦 高齢世帯率 まちの「サバイバル」力を どう維持するか まちの売上高トップ10は、どう変化したか? 10年前、現在、10年後のトップ10は同じか? まちの競争力は、どう維持・向上するのか? まちの競争力は、誰が支えるのか? 地場産業は、まちの競争力を高める力となるか? 変化の中で、資源を活かせる産業は何か? 子どもに、どんな仕事を「本気で就業体験」させるか? まちの競争力を支えるために、行政は何をすべきか? まちの競争力を支えるために、企業は何をすべきか? くわしくは「NPOマネジメント」第29号「まちのマーケティング」参照 まちづくりは、誰のため? 何のため? あいさつできる関係づくりのため 子どもたちの世代が誇りを持って 暮らし、働くため 20年で人口が半減した町で、小中学生が 農畜漁林業の生産・販売を体験し、町長 に提言する年50時間以上の町おこし授業 (北海道・浦幌町、「NPOマネジメント」第63号参照) 災害時などの安心のため 障碍者・高齢者のための「避難支援」と 「避難所の課題確認」訓練(別府市) 元気な地域は、人数ではなく姿勢が違う 自分が住み続ける地域の未来の ために、本当に大切なことを 実現できるように、全力を尽くす。 出し惜しみしない できないフリしない あきらめない 「誰かがどうにかしてくれる」なんて 甘えない 自治会・町内会は、 行事を半減して、事業=福祉+経済を! 【現在】 親睦も安全も福祉も行事の連続。。 →地域の住民が気軽に付き合い、 日常生活に必要な情報交換や 安全確保などを行なうとともに、 地域生活をより快適にするため、 自主的・自発的に共同活動しな がら、まちづくりを進める。 問題解決 (交通安全、防火・防災、 防犯・非行防止、資源回収) 生活充実 (福祉、青少年育成、 健康増進、祭礼・盆踊り、 運動会、文化祭など) 環境・設備維持 (清掃・整備、 集会所管理など) 広報・調整 【今後】 「小規模多機能」自治! →行政機能の集約化を補い、 住民減少・高齢化などに伴い 必要性が高まる安全・安心の 確保のための「適地適作(策)」 型の地域づくりを進める。 共通の「基本機能」と 独自の「魅力づくり」 ・最小限の安全・安心の維持 ・文化・伝統の継承 ・経済的な競争力の維持・向上 協働から総働へ 中長期の視点で、 地域を耕す意欲としくみ 協 NPO 働 当事者 事業者 金融機関 専門家 行政 総 働 学校 公共サービスを担う (教員+生徒) 行政 意欲とスキル NPO 協働とは? 協働環境とは? 協働(collaboration)とは? 「共通の目標の実現」のために、 「責任と役割を共有・分担」し、 「ともに汗をかき、成果を共有する」こと。 → 「相乗効果」は市民にもたらされるか? 「協働環境」とは? 協働を進めるための基盤、協働のしやすさ 参考:子育て環境、労働環境 「協働環境が整っている」とは? 協働を推進する条例や指針・計画がある 条例・指針の策定を公開・市民参加で進めている 行政職員が協働を進める体制・研修がある NPOからの提案を受ける制度がある 審査・監査に市民が参加している 過去・現在の協働事例が公開されている 指定管理者制度の設計・評価に市民が参加している 協働のしくみが市民に活用されている など ↓ これら19項目を可視化するために、7段階の指標を設定。 都道府県・政令市・県庁市すべて+10万人以上の市の一部 計183自治体の横断的に把握・分析・比較が可能 (ランキングは目的ではない!) 回答率は、 98.9% 都道府県:100% 市・町:98.5% ご協力くださった自治体と センターのみなさま、 本当にありがとうございました!! 今回の結果を一言で言うと 都道府県平均は +0.10点 (+2.5%) 相変わらず、 NPOと行政の接点の制度化の進度と しくみの活用度が、低い。 原因は、 行政・NPO双方の継続的改善志向の弱さ 第4回調査でわかったこと(1) 指針・条例は8割以上、体制・中期計画は約半数 策定過程の公開と市民参画は二極化 進捗の評価や見直しの検討が進む 進捗評価・見直しへの公募市民参加は4割 推進部署・制度は県6 割以上、事前協議も拡大 小規模自治体ほど、職員研修が拡がる 提案受け付けは充実したが、結果公開は不十分 県の半数以上で「全庁すべての事業に提案可」 県で事例集・学習会進展、市は庁内共有に課題 県の3割で学習会開催(うち半数は市民にも公開)、 市は3割が「担当課でわかる」、1割は「調べてない」 第4回調査でわかったこと(2) 審査手順・基準の事前開示は2割前後! 審査結果:個別開示は進んだが「採否のみ」3割 ストライクゾーンがわからないまま、投げさせる!? 「選んで捨てる」審査から、「育てる」審査へ! 評価や中期計画を含むふりかえりは進まず 社会・環境の変化に応じた「しくみの改善」を! ウェブでの公開は進んだが、わかりやすさが課題 指定管理者制度の設計・選定、監査・評価への 公募市民の参画は、ほとんど進まず 6割が「庁内の協働事業数を把握していない」!、 9割が「公募事業数を把握していない」! 協働を生み、育てるために、 行政の協働推進主管課がすべきこと 「なぜ協働が必要か」を定義し、 「どのように協働するか」の基本プロセスを決める 基本プロセスを普及・浸透する体制を整える Q&A集、「推進員」制度、職員研修、「協働化テスト」・・・ 基本プロセスを記録・検証し、改善を継続する 「協働推進ロードマップ」を総合計画に織り込む・・・ 常設の評価制度、監視と改善の制度化・・・ 市民と共有し、団体を育てる 「推進会議」、事業力を高める研修・・・ 詳しくは、「NPOマネジメント」第48号参照 憲法89条を守るために 横浜コードは生まれた 憲法89条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織 若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は 公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に 対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。 だから、横浜コード第5章は、 社会的公共性があること → その立証責任 公費濫用を防止すること → 報告・検証の義務 情報を公開すること を求めている。 協働を生み、育てるために、 行政の各課がすべきこと 協働の戦略をつくる NPOへの仕掛けを拡充する 「出会いの場」を制度化し、課題は事前に協議する 協働の専門性を高める 実施計画づくりの中で、3年後の展望も必ず立案・共有する NPO側の継続的な改善のための自己投資を促す 月次の協議で中期展望を再確認し、制度上の課題を共有する 中期展望を実現する施策を立案し、制度の不備を修正する 終了する前に、成果の活用や次の段階の提案を共有する 担当の複数任命(異動対策)、部署間連携の強化 協働の継続性を高める 詳しくは、「NPOマネジメント」第49号参照 協働を生み、育てるために、 NPOがすべきこと NPOのネットワークをつくる 協働の評価・監査に参加する 指針・条例の見直しを、市民参加で進める 協働のニーズ調査を、市民も行う 「出前講座」を活用する 審議会・委員会をフォローする 中間支援機関を強化する 職員研修にNPOも参加する 「合同お見合い」を開く 議員向けの連続勉強会を開く 詳しくは、「NPOマネジメント」第50号参照 他県では ・愛知県:あいち協働ルールブック2004 https://www.aichi-npo.jp/5_NPO_shien/1_aichiken/1_rulebook_2004/rulebook_index.html ・佐賀県:協働化テスト http://www.pref.saga.lg.jp/web/kensei/_1363/_29095/kyoudouka_test.html ・静岡県:ひとり1改革 http://www.pref.shizuoka.jp/soumu/so-030a/4-2.html ・千葉県:「NPOと学校との連携事例集」 http://www.chiba-npo.jp/gakkourenkei/jireisyuu.html ・同:市町村とNPOとの協働推進 http://www.pref.chiba.lg.jp/kkbunka/renkei/index.html http://chiba-npo.jp/jireisyu.html ・三重県:「新しい公共」推進指針 策定会議 http://www.pref.mie.lg.jp/NPO/shishin.htm
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