協働とは?

自治を回復し、
まち・むらの課題を、
まち・むらの力で解決するために
- 石巻の未来に、なぜ、どのように
協働が必要か? IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
代表者 川北 秀人
http://blog.canpan.info/iihoe/
Inspiring Social Innovations since 1994.
この研修の背景や必要性
 復興事業も、地域再生も、次の段階へ
 2015年・20年の石巻は、
「2010年の延長線上」ではない。
 行政は、どれだけ小さくなってしまうか。
 地域、特に人口の構成は、どう変わるか。
 それにどのように備えるか?
「協働が始まらない・進まない」現場の声
 「協働って、何?」
 「なぜ協働が必要なのか、わからない」
 「どう始めれば良いのか、わからない」
 「現場は進めたいのに、上司が・・・」
 「当課には、協働できる事業はない」!
 「それでなくても業務が多いのに・・・」
 「どんな団体があるか、わからない」
 「まともな団体を探す・選ぶには?」
 「行政依存の住民を、どうやって?」
IIHOEって?

組織目的: 地球上のすべての生命にとって、
(1994年) 調和的で民主的な発展のために

社会事業家(課題・理想に挑むNPO・企業)の支援


「NPOマネジメント」(99年~11年)、「ソシオ・マネジメント」
育成・支援のための講座・研修
 地域で活動する団体のマネジメント研修(年100件)
 行政と市民団体がいっしょに協働を学ぶ研修(年60県市)


調査・提言:「NPOの信頼性向上と助成の最適化」
「協働環境」 「自治体の社会責任(LGSR)」
ビジネスと市民生活を通じた環境問題の解決

企業の社会責任(CSR)の戦略デザイン(年20社)

2020年の地球への行動計画立案

専従3名+客員1名、東京(新川)、約3900万円
故・加藤哲夫さん(せんだい・みやぎNPOセンター)が
つなプロメンバーに遺した言葉(11年6月25日)



緊急時には傷口に絆創膏を貼るような仕事が必要。その中
でつなプロは、一見見えないニーズを発掘し、マイノリティの
ニーズに応えようと発足し、活動していただいた。
残念ながら今までの市民活動・市民運動は、社会がつくりだ
した矛盾の後始末だった。しかし我々NPOの本来の役割は
しくみをつくり、提案をし、そして、新しい社会構造と参加のし
くみを世の中に位置付けていくことだ。
見えるニーズに即応することはわかりやすく、この3か月、人
はたくさん動いたと思うが、ここから先は、ニーズが見えない
状態に入ってしまう。見えないものを可視化したり、見えない
ものの中から何が重要かをきちんと取り出して、対策を立て
るためにも、できるようになるためにも、つなプロの調査力と
そのノウハウを地域に移行していってもらいたい。
協働は、法が禁じること以外すべて可能
業務の
顧客
直接、市町村民に
(個人・法人)
産業、環境、教育、福祉、国際、広報、
建設、水道、交通、林業、税務・・
多老化(総数・比率とも)に伴う
「サービス需要増+税収減」状況を
支え続けるために、
協働できることをひとつでも
基本原則
より早く効果的に増やし続ける
原則として
すべて庁内
財政、人事、
監査・・
「より効果的に
市民と庁内に
貢献する」ために、
市民から意見・
協力を求めて
業務改善を
積み重ねる
中期目標+計画+実務(PDCAの対象に) 意見・協力募集
交流・表彰の機会:案件形成、相互学習 (例:効果測定、
具体的な
官民合同でスキルの向上
研修協力)
進め方
高齢者・外国人等への説明・支援協力!
(市民対象に「行政のしくみ」解説も)
すべての部署で、協働を前提に!
・広報・広聴:広報配布、市政モニタリング
・総合政策:総合計画の評価
・人事:職員研修の企画・実施(八王子市)
・管財:表示改善(大阪市)、一口オーナー(熊本城)、避難所運営
・市民税:ふるさと納税、外国人向け広報(静岡県)
・生活保護:セーフティネット(岩手・青森 消費者信用生協)
・障碍者福祉:当事者団体(ピアカウンセリング)、就労支援
・高齢者福祉:健康増進、見守り・寄り合い
・保育園:病児保育(在宅・派遣型)
・環境:分別指導、再生・販売、温暖化防止、環境保全
・観光・文化:ガイド・ウェブサイト多言語化(留学生)
・都市整備・建設:アダプト、自転車管理、まち歩きプログラム
・学校:総合学習、体育・理科(実験)、授業クラブ
・病院:学習支援、災害対応・上下水道:水源保全、節水、廃食油回収
・選管:投票啓発 ・消防:救急啓発、自主防災組織:避難+避難所運営
田上・長崎市長のお話から(管理職研修)

協働は「発想」から!





一人芝居から、プロデューサーに!


事業・業務の執行段階だけでなく、連携・紹介でも成果に
「自然環境を守る・育てる」課の目的→市民はパートナー
特別なことじゃなく、日常・普段の仕事の進め方として
行政「だけ」で事業・予算→成果を大きくするために転換を
周囲の人びとが資源に見えてくる→誰に何ができるか
市民とコミュニケーションする力!

市民が求めるのは「普通の言葉で会話できる職員」
「制度の説明だけ!」、「自分の担当だけ!」、「コロコロ異動する
職員より、自分のほうが詳しい!」
 「この申請に来たのはなぜか?」にまで遡ることで、より深い解決
や満足に結び付く


トラブルを減らす&市民の喜びを高める・増やす!
竹山・堺市長のお話(区長・局長・部長&中堅職員対象)
・憲法が保障する地方自治(第94条)
→ 他から干渉されない団体自治から住民自治へ
・自然権としての基本的人権(ルソー)同様に
地域も自治を志向した時点で地域主権(×地方分権)
・「基礎自治体優先」「自助+補完性」「近接性」原則
(欧州自治憲章:公的責務は、市民に最も身近な地方
自治体が優先的に履行する)→民主主義の基本
→ 権限と財源は現場に!→手が届く都市内分権を
・人が人を支える社会、お任せ民主主義からの脱却
→ 強力なリーダー待望論は日本を滅ぼす
→ 自立=相互依存(inter-dependent 阪大 鷲田教授)
・ドライバーは市民。職員はナビゲーター。知るため現場へ
・見て見ぬふりしない、おせっかいな市職員に!
2020年の世界・日本は?
中国のGDPは、日本よりいくら多い?
 原油、鉄、レアメタルなどの価格は?

日本の国民一人当たりGDPは何位?
 日本の高齢者率は?
 国債の残高は?
 既存インフラの補修コストは?





橋:15m以上が15万か所!→20年には25%以上が50年経過!
施設:700㎢以上!→市町村管理が半数以上、30年以上が3割!
下水道:陥没は年5000か所以上!
道路、ダム、住宅、上水道、電力、鉄道、・・・
社会保障(医療・介護)費は、いくら増える?
 消費税は、いくら必要?

延長線上で考えるな!

日本のGDPが世界に占める割合が最高だったのは?

2013年に日本のGDPが世界に占める割合は?

では、2019年には?

同年、中国のGDPは日本の何倍?

同年、ブラジルの1人当たりは、日本のいつと同じ?

それは、韓国のいつと同じ?
今後のまちづくり・復興のシナリオは、
高齢者率と被災規模(ダメージ)で異なる
高齢者率(10年3月)
35%
女川町
陸前高田市
釜石市
大船渡市
宮古市
気仙沼市
30%
塩竈市
25%
亘理町
七ヶ浜町
20%
岩沼市
多賀城市
山田町
山元町
南三陸町
高齢者率の高さ×被害の大きさ
→「仮設」ではなく中期的な、
石巻市
「福祉・医療特区」型集落を
基幹産業の回復と、
高齢者率に配慮した
東松島市
「福祉・医療+産業特区」型の
集落&産業クラスター再生を
名取市
基幹産業=子育て世代のくらし
の回復を早期に、
コミュニティ活動の構築とともに
15%
0%
大槌町
5%
死者・行方不明者率
10% (人口あたり)
今回の被災地は、なぜ「自律的復興」が難しいか?
産業別人口(国勢、10年)
農業
林業
漁業
建設業
製造業
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
運輸業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
飲食店,宿泊業
医療,福祉
教育,学習支援業
公務
全国
3.8(-0.6)
0.1(-0.0)
0.3(-0.1)
7.9(-0.9)
16.3(-1.0)
0.5(0.0)
2.8(+0.2)
5.5(+0.4)
17.0(-0.9)
2.6(+0.1)
2.0(+0.6)
6.0(+0.8)
10.6(+1.9)
4.6(+0.2)
3.4(0.0)
岩手
10.5(-0.6)
0.5(+0.1)
1.4(+0.2)
8.5(-1.4)
14.7(-1.1)
0.5(+0.1)
1.0(-0.1)
5.3(+1.0)
16.3(-0.3)
2.1(+0.2)
0.9(+0.4)
5.2(+0.4)
11.9(+2.8)
4.3(+0.1)
3.9(0.0)
宮城
4.2(-1.0)
0.2(+0.1)
0.8(-0.2)
9.3(-0.6)
13.2(-0.4)
0.7(+0.1)
2.3(+0.3)
6.5(+0.8)
18.6(-1.5)
2.3(+0.1)
1.6(+0.5)
5.2(+0.1)
10.0(+1.8)
5.9(+0.5)
3.7(-0.3)
福島
7.2(-1.6)
0.3(+0.1)
0.3(+0.1)
8.5(-1.6)
21.3(+0.8)
0.8(+0.1)
0.9(-0.1)
4.8(+0.5)
14.8(-1.8)
1.8(-0.1)
1.1(+0.5)
5.1(+0.4)
10.2(+1.9)
4.5(+0.4)
3.0(-0.3)
1%=61万(全国) 6.9千(岩手) 1.1万(宮城) 1.0万(福島)
今回の被災地は、なぜ「自律的復興」が難しいか?
09年民営事業所数
全国
岩手県
宮古市
大船渡市
陸前高田市
釜石市
総数
新設
廃業
6,199,222 611,499(9.3%) 1,072,579(16.2%)
66,009
2,977
2,654
1,231
2,343
5,398(7.6%)
192(5.8%)
127(4.3%)
58(4.3%)
157(6.1%)
10,501(14.8%)
518(15.7%)
402(13.7%)
172(12.8%)
377(14.7%)
宮城県
石巻市
気仙沼市
南三陸町
女川町
111,343
9,016
3,994
870
615
11,267(9.4%)
691(7.1%)
231(5.3%)
61(6.5%)
20(3.0%)
20,420(17.1%)
1,426(14.7%)
607(14.0%)
123(13.2%)
81(12.0%)
福島県
いわき市
相馬市
南相馬市
101,403
15,986
1,915
3,594
7,766(7.1%)
1,354(8.0%)
131(6.1%)
237(6.2%)
16,056(14.7%)
2,448(14.4%)
358(16.8%)
484(12.6%)
高齢者率と重ねあわせると?
釜石市
35%
陸前高田市
田野畑村
女川町
大槌町
山田町
宮古市
大船渡市
野田村
山元町
気仙沼市
塩竈市
岩手県
南三陸町 30%
高
齢
者
率
石巻市
25%
亘理町東松島市
宮城県
七ケ浜町
岩沼市
名取市
20%
多賀城市
生産人口の流出率(2011年)
0%
-1%
-2%
-3%
-4%
-5%
-6%
-7%
-8%
-9%
15%
-10%
被災地の「転入出格差」は?(10年~4年間累積、国調比)
男15-64歳
仙台
男65歳以上
女15-64歳
女65歳以上
+10590(+3.0%) +830(+1.0) +7903(+2.2) 1515(+1.4)
石巻
-2133(- 4.4%)
塩竈
-391(- 2.3%)
気仙沼
-980(- 4.6%)
名取
+899(+3.8%)
+54(+0.9)
+816(+3.4)
34(+0.4)
多賀城
-396(- 1.8%)
-33(- 0.7)
-472(- 2.3)
-91(- 1.4)
東松島
-695(- 5.2%)
-98(- 2.3)
-696(- 5.2)
-175(- 3.0)
亘理
-384(- 3.5%)
-35(- 1.0)
-499(- 4.5)
-60(- 1.3)
山元
-823(-16.7%) -270(-11.9)
-915(-19.0) -361(-12.0)
女川
-521(-17.6%) -156(-11.2)
-536(-20.1) -263(-13.3)
-760(-14.7%)
-799(-16.4)
南三陸
-513(- 2.8) -2879(- 6.0)
-63(- 1.0)
-956(- 3.7)
-495(- 2.8)
-121(- 1.4)
-291(- 3.1) -1550(- 7.4)
-472(- 3.6)
-188(- 8.8)
-303(- 9.8)
石巻市も、これまで20年と、これから20年は違う
1990年
計(千人)
0~14歳
15~64歳(A)
182.9
2000年
174.7
2010年
160.8
2020年
142.2
25.9
20.2
15.2
112.8
(生産人口)
96.2
12.0
▲40%
▲43%
122.5
125.9
▲21%
▲12%
35.4
2030年
79.9
68.5
▲29%
▲21%
65歳~(B)
高齢者率
24.6
36.9
43.7
47.0
45.3
13.5%
20.6%
27.2%
+77%
33.1%
36.0%
+3%
A÷B
4.9人
75歳~
3.1人
14.4
2.2人
22.3
1.7人
24.6
1.5人
28.0
+54%
+10%
+13%
85歳~
3.2
5.8
8.4
10.0
+79%
+45%
+18%
2020年の石巻市は?

高齢者率は?→33.1%(全国より15年早い)!


高齢者1人を支える生産人口は、1.7人!
75歳以上は?→2.4万人(6人に1人以上)!
ヘルパーなど、福祉の担い手をどれだけ必要?
 社会保障(医療・介護)費は、いくら増える?
 高齢者の健康=地域の資源+資産!


生産人口は?→17%減(00年比 29%減) !


市税収入は?
既存インフラの補修コストは?

道路、橋、公営住宅、上下水道、庁舎・施設、・・・・
市債残高は?
 消費税は、いくら必要?

石巻市の高齢者・後期高齢者のくらしは?
人口(人)
高齢者
後期高齢者
世帯数
高齢者単身
2000年
174778
2005年
167324
2010年
160826
2015年
149498
2020年
142248
35982
40438
43747
47060
47060
14471
18586
22308
23038
24657
8.3%
11.1%
13.9%
15.4%
17.3%
57259
56857
57871
55429
53554
3374
4330
5400
5898
6358
744+2630
1056+3274
1438+3692 1625+4273 1778+4580
後期高齢者
単身
1477
2069
2911
3214
3556
244+1233
379+1690
593+2318
681+2522
767+2789
後期単身率
10.2%
11.1%
13.0%
14.0%
14.4%
高齢者夫婦
3347
4366
5182
5542
5918
後期 夫婦
613
1063
1629
1858
2084
高齢世帯率
11.7%
15.3%
18.3%
20.6%
22.9%
後期世帯率
3.7%
5.5%
7.0%
9.1%
11.8%
石巻市の財政はどう推移する?
単位:億円
05年度
歳入
市税(対 歳入)
個人(同)
法人(同)
固定資産(同)
公債(同)
692.0
169.6(24%)
44.9( 6%)
12.9( 1%)
85.2(12%)
61.9( 9%)
歳出
職員給与
685.0
98.2
将来負担(対 税収)
地方債残高
支出予定
積立金
770.2(4.5倍)
766.4
76.1
72.3
10年度(05比)
681.1
171.9(25%)
55.2( 8%)
11.0( 1%)
80.4(11%)
71.6(10%)
12年度(同)
15年度?
3696.0
10年 個人住民税
123.5( 3%)
34,368円/人
40.2( 1%)
生産人口
17.6(0.5%)
45.0( 1%) 10年比 -10%
94.1( 2%) 05年比 -16%
666.6
3219.7
79.5(-19%)
72.8(-25%) 人件費・扶助費・
公債費を除く
1,561
職員数
1,344(-13%)
1,373(-12%)
歳出額(≒調達額)
82.9
91.3
91.9
公債償還
2918億円(90%)
93.5
98.6
96.6
公営事業繰入
(国民健康保険)
(13.4)
(12.1)
(14.8)
後期高齢者
(上下水道)
(34.4)
(32.1)
(33.4)
(病院)
(17.3)
(18.8)
( 8.4)
10年比 + 3%
(他(介護保険 等)) (27.4)
(34.4)
(38.3)
05年比 +24%
扶助費(対 歳出)
65.4(9%)
100.4(15%)
97.6(3%)
632.4(3.7倍)
684.7(-10%)
44.3(-41%)
96.7(+33%)
135(1.1倍)
725( - 5%) 10年 393,259円/人
1177(+1445%)
1767(+2343%)
まちづくりは、誰のため? 何のため?
あいさつできる関係づくりのため
子どもたちの世代が誇りを持って
暮らし、働くため
 20年で人口が半減した町で、小中学生が
農畜漁林業の生産・販売を体験し、町長
に提言する年50時間以上の町おこし授業
(北海道・浦幌町、「NPOマネジメント」第63号参照)
災害時などの安心のため
 障碍者・高齢者のための「避難支援」と
「避難所の課題確認」訓練(別府市)
元気な地域は、人数ではなく姿勢が違う
 自分が住み続ける地域の未来の
ために、本当に大切なことを
実現できるように、全力を尽くす。
出し惜しみしない
できないフリしない
あきらめない
「誰かがどうにかしてくれる」なんて
甘えない
雲南市の地域自主組織のすごさ
・「公民館」から「地域交流センター」へ
・共益的な生涯学習施設から、住民自治の拠点へ
・多様な主体の「総働」による「小規模多機能自治」
・行政機能縮減を補う「適地適作(策)」の地域づくり
・幼稚園放課後に住民主導で預かり保育(海潮)
・旧・農協で産直市&100円喫茶(中野・笑んがわ市)
・水道検針を受託し毎月全戸訪問(鍋山)
・共通の「基本機能」と独自の「魅力づくり」
・最小限の安全・安心をどう維持するか?
・文化・伝統をどう残すか?
・経済的な循環・競争力をどう維持するか?
→年2回の「自慢大会」と課題別「円卓会議」で事例共有
真地(まーじ)団地自治会(那覇市)
・1981年開設の市営住宅、400世帯
・車両部で買物支援
「移動も寄り道も生きがい」、今後は役所にも!
・2011年度に「地域福祉部」新設!
「第1次福祉計画」(11-13年度):
見守り、活性化、運行、資金造成
・見守り:同棟の支援者、新聞・宅配も協力
・木曜:「ふれあいデイサービス」(14-16時)
・金曜:「百金食堂」(100円昼食会)
・土曜:カラオケ!
60人のお年寄りのために
77歳の看板娘が営むコンビニ「ノーソン」
(大分県中津市 旧・耶馬渓町)
・03年農協閉店、05年合併:「役場も店も遠くなる」
・農協から店舗を買い取り、日用品販売&お茶飲み
・調味料、菓子、種苗など300品目、年商400万円
・住民がつくった野菜・果物を市街地大型店に出荷
→ 年商400万!→耕作放棄地が相次いで畑に!
・中島さん「田舎には、仕事を探しに来る人じゃなく、
仕事をつくれる人に来てもらいたい」
独居高齢者のための
厳冬期限定共同住宅「のくとい館」
(岐阜県高山市)
・全14室、各室に台所・浴室完備、月額1万2千円
朝夕食は食堂で
・旧・教職員住宅を活用(08年12月)
・市社協の提案+国交省「新たな公」補助金で実現!
・「まちなかに暮らす息子と同居しても、
知り合いがいないけど、ここだと一日が早い」
自治会・町内会は、
行事を半減して、事業=福祉+経済を!
【現在】
親睦も安全も福祉も行事の連続。。
→地域の住民が気軽に付き合い、
日常生活に必要な情報交換や
安全確保などを行なうとともに、
地域生活をより快適にするため、
自主的・自発的に共同活動しな
がら、まちづくりを進める。
問題解決 (交通安全、防火・防災、
防犯・非行防止、資源回収)
生活充実 (福祉、青少年育成、
健康増進、祭礼・盆踊り、
運動会、文化祭など)
環境・設備維持 (清掃・整備、
集会所管理など)
広報・調整
【今後】
「小規模多機能」自治!
→行政機能の集約化を補い、
住民減少・高齢化などに伴い
必要性が高まる安全・安心の
確保のための「適地適作(策)」
型の地域づくりを進める。
共通の「基本機能」と
独自の「魅力づくり」
・最小限の安全・安心の維持
・文化・伝統の継承
・経済的な競争力の維持・向上
協働から総働へ
中長期の視点で、
地域を耕す意欲としくみ
NPO
協
働
?
当事者
専門家
行政
学校
公共サービスを担う
(教員+生徒)
意欲とスキル
総
働
事業者
金融機関
行政
NPO
「1対1の業務・責任分担」から「多様な主体による協働」へ
「団体の支援」から「(小規模多機能)自治の確立・維持」へ
すべての部署・業務が、調達も含め、よりよい成果へ
→定義・ねらいも、進め方も抜本的に見直す「協働2.0」へ!
NPO: Not-for-Profit Organization
民間で公益かつ非営利の活動を継続する組織

民間: 官から独立し、依存しない運営

自発性・自律性が本質!
活動: 考える・話すだけでなく、行動して実現する
 組織: 目的を共有するチーム



公益: 「共益・私益」=利己ではなく、利他


目的の共有が、責任の共有と、役割の分担を可能にする
「不特定多数」ではない!→求められ、開かれているか
非営利: 「営利」=収益を分配するのではなく、
社会に再投資する

「収益性の有無」ではなく、「収益の使途」の問題!
NPOも同好会も「市民活動団体」
事業や活動は、
何のため・
誰のため?
NPO
同好会
公益=利他
必要としている
こと・人のため
共益・私益=利己
「私たちだけ」
のため
何を満たすために
ニーズ
事業・活動する? =求められること
必要な資源は
どうまかなう?
受益者負担も
求めつつ、不足は
寄付・助成・補助
など公費で補う
ウォンツ
=したいこと
自費
→ ニーズをどう把握し、表現できるか?
事業の自立性?→対価と事業がめざす運営形態
必要な資金の負担
例
目指す運営形態
受益者・利用者からの
対価収入により、
収益が見込める。
(対価自立事業)
スポーツ・芸術文化活動
主婦・障碍者の起業
環境配慮製品・サービス
受益者・利用者から
対価も取れるが、
継続には外部からの
補助が必要。
(補助継続事業)
フリースクール
伝統文化財の維持・継承
里山保全
難アクセス地の公共交通
介護保険事業
市民による
事業経営の効率化を
進めつつ、行政からの
補助は続ける。
→補助の制度化必須!
基本的人権の保障上、
不可欠な事業であり、
受益者・利用者からの
対価による継続は困難。
(基本的人権保障事業)
ホームレスの緊急救援
子どもの電話相談
途上国への開発協力
DV被害者の支援
医療情報の翻訳・通訳
社会的な課題解決の
先駆者として市民が
先行しており、行政
サービスとして法制化
する必要あり。
→事業の制度化必須!
市民による
自主・単独事業へ
→立ち上げ期のみ支援
(リサイクル、有機農業など)
協働の目的は「自治の回復」であり、
「まち・むらの課題を、
まち・むらの力で解決する」ために行う

1+1>2が必須
だから協働は、
→ 持続する相乗効果が期待できるか?
そもそも、相互が「自働」しているか?
 互いの強みを理解し、活かしているか?


だから失敗の3要因は、
「単年度」 、「思いつき」 、「官主導・依存」
「協働って、委託や補助とどう違うの?」

協働の手法として、委託も、補助もありえる。

まちのレストランにたとえると、
「行政がつくる定食を、食べるだけ市民」から
「行政と市民による共同経営」へ
営業時間は? 内装は? メニューは? 価格は? 材料は?
→ 「料理法」ではなく、「経営法」の問題
→ 仕様決定後に業務と責任を渡すのではなく、
ニーズ調査も仕様設計も実施も成果も協働で!
→ 「非協働的な委託・補助」から
「協働的な委託・補助」への転換を!
参加・支援から、協働・総働へ
地域における市民と行政との協働の領域
政策立案(policy making)
(企画・財政部門が主導)
市民「参加」型の政策立案
市民「参画」型の政策立案と実現の協働
市民に「意見」を求める:public involvement
市民が提言し、実践で協働する
:public commitment (collaboration)
例:委員会、審議会
アンケート調査、関係団体へのヒアリング
パブリック・コメント
対話集会(意見交換会)、出前講座
例:介護保険事業(NPOがモデルをつくり、行政が制度化)
地域の環境保全事業(立案・調査から実施まで)
多文化共生のための条例づくりと支援事業
←単発・問題対処的(case based)
継続・基盤形成的(infrastructure oriented) →
「制度化された資金」の分配
事業の持続性の向上
市民は単なる利用者:policy consumer
市民の「担い手化」を支える:citizenship support
例:緊急雇用対策・ふるさと雇用再生事業
決定済み事業の執行のみ委託
(請負の発注)
地域活動団体への補助、運営資金交付
例:不登校児支援団体への補助の制度化
学校ボランティアの役割の拡大
総合学習を支援する団体との授業の開発
独居高齢者を支える活動への支援の制度化
業務執行(operation)
(事業・現業部門が担当)
協働が進まない5つの理由
①目標と計画がない
→ トップも現場も本気じゃないから??
②流れもルールも決まっていない
→ 他地域研究や「協働スケジュール」がないから!
③推進するツールや体制がない
→ 中期的な目標も、ニーズ調査もないから!
④評価・監査されていない
→ 継続的な改善と、トップの関与がないから!
⑤NPOが協働していない
→ お互いに関心がなく、仲が悪いから!?
詳しくは「NPOマネジメント」第69号参照
行政の誤解

「行政改革と住民参加から、協働が不可欠」?
 行政改革
≠ 財政改革
 コスト削減のために悪用しようという首長・議員が多い
 しかし、海外の例からも、
行政・公共サービスの「クオリティ」と「スピード」を
向上すれば、その成果として「コスト」が削減する
 行政改革の成果として、財政改革が実現する

「企業より安い委託先」「ボランティアだから当然」
責任を委ねるなら、予算と権限も委ねるのが当然!
 地域の時間と力を奪い、育つ機会を失わせている!

指定管理者制度は、
本来の趣旨どおり導入されているか?

「今般の改正は、多様化する住民ニーズに
より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に
民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図ると
ともに、経費の節減等を図ることを目的とする」
(総務省自治行政局長通知、03年7月)
→ 「多様化する住民ニーズ」の検討は?
「より効果的・効率的な対応」の定義は?
「住民サービスの向上」を実現しうる体制とは?
→ 文化会館の舞台スタッフOB団体への委託?
運営委員会による市民活動センター?
委託期間の途中で予算カット??
協働を生み、育てるために、
行政の協働推進主管課がすべきこと

「なぜ協働が必要か」を定義し、
「どのように協働するか」の基本プロセスを決める


基本プロセスを普及・浸透する体制を整える


Q&A集、「推進員」制度、職員研修、「協働化テスト」・・・
基本プロセスを記録・検証し、改善を継続する


「協働推進ロードマップ」を総合計画に織り込む・・・
常設の評価制度、監視と改善の制度化・・・
市民と共有し、団体を育てる

「推進会議」、事業力を高める研修・・・
詳しくは、「NPOマネジメント」第48号参照
協働を生み、育てるために、
NPOがすべきこと










NPOのネットワークをつくる
協働の評価・監査に参加する
指針・条例の見直しを、市民参加で進める
協働のニーズ調査を、市民も行う
「出前講座」を活用する
審議会・委員会をフォローする
中間支援機関を強化する
職員研修にNPOも参加する
「合同お見合い」を開く
議員向けの連続勉強会を開く
詳しくは、「NPOマネジメント」第50号参照
アジア・フィルム・ネットワーク(愛媛)
映画好きが高じて、撮影の誘致・支援(フィルム・
コミッション:FC)も。
 県も、観光交流課内にFC設置。
 県は「許可」を、AFNは「情報収集、エキストラ、
現場支援、プロモーション」を。
 それぞれの得意を生かして、撮影希望続々!


詳しくは「NPOマネジメント」第52号参照
地域循環ネットワーク(新潟県長岡市)

70年代に自宅の生ごみを堆肥に。

90年代に25名に。
97年に、小中学校9校の給食調理残渣回収。
 00年・01年に、市内全校の給食残渣・食べ残し
の量、処理費用、環境負荷などを調査し、同会が
代替した場合の試算を市教委学務課に提案。
 02年度から市内小・中・養護学校と保育園全53
校で、ほぼ毎日、給食残渣の回収開始!
 07年には合併先含め104校で実施中!


詳しくは「NPOマネジメント」第51号参照
横浜型地域貢献企業支援事業(07年~)
地域と企業を信頼とネットワークで結ぶ!
地域や社会を意識し、
地域貢献の視点を持って社会的事業に
取り組み、
地域とともに成長・発展をめざす。
地元ブランド販売
4.雇用:女性活躍促進(よこはまグッド
バランス賞)、出産育児 ・介護支援、
高齢者・障害者
5.環境:認証取得、地域活動、リサイクル
6.品質:認証取得、高齢者対応・健康配慮
・「最上位」「上位」「標準」の3段階
・公共工事におけるインセンティブ発注 【一般】
(認定企業であることが入札参加条件) 7.財務・業績:黒字、出納・帳簿作成分離
会計参与設置
・低利融資資格認定+保証料3/4助成!
(金利2.1%以内、最長7年、2億円まで) 8.労働安全衛生:認証取得(OHSAS等)、
健康・労務相談窓口設置
CSRマネジメントシステム(PDCA)評価 9.消費者・顧客対応:顧客対応窓口設置
+地域性評価((1)項目+(2)地域性基準) 顧客対応教育・訓練制度
10.情報セキュリティ:PC・文書管理、
(1)取り組み項目評価
Pマーク、顧客情報管理
【必須】
1.コンプライアンス:法令遵守宣誓書、 (2)地域性基準評価(下記のいずれか)
1.地域志向性:特性・文化を重視した取組
納税証明書、許認可
2.地域限定性:在住・所在限定の取組
【重要】
2.地域社会貢献:ボランティア、文化事業、3.地域性比率:対象者中在住者5割以上
地域への寄附
すでに200社以上!
42
3.地元活用・志向:業者選定(地元優先)、→「横浜スタンダード推進協議会」
行政は総働をどう促すか?
(団体自治偏重から、住民自治充実へ)
地縁団体は「行事・活動→事業」
「役割・運営→経営」へ
行政は「要望を聞いて対応
→事業と組織の経営支援:
定量情報の提供+基盤の整備」
(→地域が自ら現状を理解して、
小規模多機能化を進める支援を)
地域が「自治=経営」者として自ら現状を知り、
小規模多機能化を進めるために
まず行政がすべき準備
⓪小規模多機能自治の必要性を
首長・議会・職員に徹底する
← 長期見通し(±10年)をつくる
+地域状況を定量化・相対化する
+先進地域から学ぶ
①小規模多機能自治を促す制度
・施策をつくる
(例:公民館→自治拠点)
②小規模多機能自治の必要性を
住民に伝え、取り組みを促す
③「自慢大会」や「円卓会議」で
状況や知恵の共有を促す
④次世代育成を促すために、
雇用者に働きかける
地域が自ら進めるべき取り組み
①地域状況を長期的・定量的・
相対的に把握・共有する(知る)
②地域内外から学び続ける
地域の詳しい見通しをつくる
(後期)高齢者率、独居世帯率
→買物、移動、見守り、配食、
清掃・雪下ろし、耕作放棄 など
生活必須ニーズの推移予測
③行事・会議・組織を棚卸しする
地域の行事(小規模も含む)、
会議、組織をすべて書き出し、
労力(=時間)を可視化する
④多機能化の取り組みを進める
⑤組織づくりを進める
各部署で協働を力強く進めるために
・協働推進担当を置き、事例収集を進める
・月1回以上、10分間程度の勉強会を開く
・協働候補リストを作成する
協働対象「事業・業務」リスト
協働対象「団体」リスト(市・県外含む)
・協働推進担当の引き継ぎは、
新任者「以外」に行う
2020年・30年に備えるために
①特に重要な変化は?
生産人口▲人減 → 税収▲億円減?
高齢者〇人増 → 扶助+介護○億円増?
②その変化に、どう備える?
(協働を進めるべき事項は?)
道路などの簡易補修
避難所運営・要援護者支援
買物・移動・ゴミ出し支援
中期計画の精度を上げるには?
・そもそも、計画って?
→ 9つの質問に答えること(6W3H)
・計画は、誰のため、何のために?
→ 一緒に動く人が、主体的に動くために
・良い計画のポイントは?
→ 具体的な目標、合理的な手法、現実的な資源
・中期計画の精度を上げるには?
→ 精度の高い中期目標から、なすべき業務を逆算
・目標の精度を上げるには?
→ 意欲的でありつつ、データ・事実をもとに、
幅のある目標(最低・標準・最高)を
目標はSMARTに!
Specific(具体的に)
→ いつまでに、なにが、どれだけ?
Measurable(測定可能で)
→ 量的に把握できる
Attainable(がんばれば実現可能で)
→ 今のチカラの115%ぐらいで
Reasonable(合理的で)
→ 組織の理念・設立趣旨に合致しているか?
Traceable(検証可能な)
→ 進捗も成果も課題も確認できるか?
(1)これまでの経緯:発足時の理念、発足以来の(主な)実績、
昨今の重要な課題(リストのみ)
(2)昨今の重要な課題の詳説:
「本当は○○でありたいのに、現実には△△な状況。
その原因・背景には、◇、□、▽が挙げられる」という形で、
課題と原因・背景を。
(3)対策の一覧表:緊急(すぐ実施するもの)+中期的な取り組み
(2・3年かけて積み上げ)の一覧表
(4)対策の詳説:緊急→中期的取り組み、の順で。
対策には必ず、①期限付きの目標、②実施する業務内容、
③責任者、④担当スタッフ、⑤想定される所要時間とコスト、
⑥スケジュール、⑦期待される成果(目標と同じでOK)を明記
書き方としては、「実施する業務内容」だけを詳述して、
あとはガントチャート(縦軸に項目、横軸に時間)でもOK
(5)3~5年間の、既存の通常業務と合わせた業務計画表
いつごろ、どんな業務が発生するのかを一覧で見られるもので
横軸に時間、縦軸に業務を置き、(4)のガントチャートに、
既存の通常業務を重ねあわせるイメージ。
(6)3~5年間の、既存の通常業務と合わせた収支見通し
(5)に挙げられた組織のすべての業務について、支出と収入
(最低限・ちょっとがんばれば・上限の3段階で)積算。
(7)3~5年間の、組織図
人名入りのほうがリアリティが高いので、毎年(または
主なシーズンごとに)どんな体制で臨むのかを描く。
(8)(7)の各段階に応じた権能図:
「何を決めるのは誰か?」の一覧表
中期的な戦略の基礎を確認する
①団体の設立理念
X国との相互理解と
国際社会の発展・・
②団体がもたらした、
成果や社会の良い変化
⑥他団体・企業・行政などの今後の
取り組みの見通しと、協働の可能性
組織名 事業のポイント 協働の可能性
A会 高品質+拡大 人材育成!
B社 X国・Y国展開 現地大学交流
C大学 留学生拡大
留学生交流
③他団体・企業・行政による ⑦継続すべき事業と、進化・変更・
成果や社会の良い変化
他との協働のポイント
事業名 進化・変更点 協働のポイント
◇△ 終了後フォロー! C大学と!
④団体が挑むべき
新たな・今後の
社会の変化
⑤残された社会の課題
留学希望者増!
出国前の日本語教育不足
⑧縮小・停止・撤退すべき事業と
その進め方
事業名 いつまで・どの程度 ポイント
△□
来年・10回で終了 OB/OG会
⑨新たに始めるべき事業の、他との
協働のポイントと、求められる専門性
新たな課題 協働のポイント 専門性
留学生の孤立 A会・B社と・・ 語学!
他の班の「中期戦略・協働事業案」に
コメントする(~17:10)
■8枚
■5枚
気付きを与える 協働できる!
質問、
申し出・提案
助言・ヒント (お名前を)
×感想 ×励まし すべて書いてから着席