電子回路Ⅰ 第1回(2006/10/16)

電子回路Ⅰ 第12回(2008/01/24)
演算増幅器
今日の内容
理想増幅器の定義
 演算増幅器(オペアンプ)とその応用回路
 反転増幅器(インバータ)
 非反転増幅器
 加算回路
 積分回路
 理想ダイオード

理想増幅器の定義
1.電圧利得Avが無限大
2.入力インピーダンスZiが無限大
-
3.出力インピーダンスZoがゼロ
+
Av
4.帯域幅Bが無限大
5.オフセットおよびドリフトがゼロ
実際に理想増幅器はありえないが、近い特性をもつものに
演算増幅器(Operational Amplifier、オペアンプ)がある
演算増幅器の例
NECのホームページより
演算増幅器の等価回路
NECのホームページより
差動入力
演算増幅器の端子とパッケージ
(DIPタイプ)
写真はアナログデバイセスOP07
演算増幅器の端子とパッケージ
(CANタイプ)
写真と左の端子は別のオペアンプ
V+、V-とは?
V+
バイアス電源(VCC,VEE)が必要
(通常はプラス、マイナス両方)
-
+
V-
増幅率が大きい
H
+
-
v1
Av
+
v1
vo
-
Av
+
vo
vo   Av vi
Av~105 なので
正常に動作しない
一般的には負帰還をかけて使用
基本的な回路
(反転増幅器、インバータ)
Z2
vo   Av vi
vi 
Z1
Z2
v1  vo   vo
Z1  Z 2
Z2
Z1

v1 
vo
Z1  Z 2
Z1  Z 2
上式よりvi を消去すると
-
v1
vi
Av
+
vo
Av Z 2
v
Z1  Z 2
G o 
v1 1  Av Z1
Z1  Z 2

Av  とすると
v
Z
G o  2
v1
Z1
増幅器の利得Avに無関係
帰還回路だけで利得を決めることができる
別の考え方
(仮想接地、イマジナリーショート)
i2
入力インピーダンスが無限大なので
i1
i1  i2
v1  vi vi  vo

Z1
Z2
vi  
vo
なので、Avが大きいと
Av
vi  0とみなせる(仮想接地)
v1  vo

より
Z1
Z2
vo  
Z2
v1
Z1
Z2
-
v1
Z1 v
i
Av
+
vo
普通のショート(短絡)と
イマジナリーショートの違い
i0
v0
i0
v0
オープン(開放)
ショート(短絡)
i0
v0
イマジナリーショート
•電圧的には短絡
一般の回路
•電流的には開放
非反転増幅器
vo  Av (v1  vi )
vi 
R1
vo
R1  R2
上式よりvi を消去、Av  として
+
v1
vi
Av
-
vo
voをv1で表しなさい
vo 
R1
R2
ボルテージフォロワ
+
v1
vi
+
Av
-
R1
v1
vo
Av
-
vo
R2
 R2 
vo  1  v1において、R1  , R2  0とすると、
R1 

vo  v1
回路間で前後の影響を排除する(バッファ)
バッファの例
(サンプルホールド回路)
vi
+
Dv
s+
S
C
viの波形
vsの波形
vi
G
vo
-
ボルテージフォロワ間にFETとコン
デンサを入れる
でDS導通(FET on)
●
FET・・・サンプリングのタイミング
コンデンサ・・・電圧保持
でDS開放(FET off)
○
AD変換に使用される
t
加算回路
仮想接地より、各抵抗を流れる電流は
i1 
v
v1
v
, i2  2 , i3  3
R1
R2
R3
入力インピーダンスが無限大なので
v1
v2
電流は全て R f を流れる
v3
vo 
R1 i1
R2 i2
R3 i3
Rf
-
Av
+
vo
積分回路
C
仮想接地より
v1
i1 
R
入力インピーダンスが無限大なので
電流はコンデンサCに流れる
vo 
i1
-
v1
Av
R
+
vo
理想ダイオード(1)
立ち上がりはゼロボルトではない
I  I 0 expqV / kT  1
I 0 : 逆方向飽和電流
q : 素電荷 (1.6  1019 C)
k : ボルツマン定数(1.38 10 23 J/K )
T : 絶対温度
理想ダイオード(2)
vo
R2
v1>0のとき、D1が導通、D2がオフ
vo  vi  0
D1
v1<0のとき、D1がオフ、D2が導通
i1
R2
vo   R2i1   v1
R1
-
v1
vo
R2
 v1
R1
vi
R1 vi
Av
+
D2