デフレの正体 ー経済は「人口の波」で動く 第8講 声高に叫ばれるピントのずれた 処方箋たち 上町 悠哉 日本で唱えられた経済成長のための処方箋 • 経済成長率を下げてはならないので当面公共工 事の水準は守るべきだ • インフレ誘導やデフレ退治をするべきだ • モノづくりの技術の革新こそが日本の生き残りの 最大のカギである • 外国人労働者受け入れをするべきだ 経済成長率を下げてはならないので当面公 共工事は守るべきだ 筆者の主張 公共事業を進めていくのなら、 国の政策で使われる歳出削減をする 増税に踏み切る の二つの選択しかない。そのどちらをとっても マクロ的内需の加工圧力を受ける →つまり、経済成長に繋がらない インフレ誘導やデフレ退治をするべきだ • インフレ誘導とは 所得が一部富裕層の貯蓄として蓄積するばかり で消費に回らないことを問題視しある程度のイ ンフレ状態(物価の上昇状態)をもたらすこと で「貯金がインフレで目減りする前に使ってし まおう」という行動を喚起しようとするもので これを唱える論者を「リフレ論者」という。ま た、この主張のマイルド版がデフレ退治と筆者 は表現している 筆者の主張(日銀が金融緩和をして貨幣供給 量を増やせば物価は上がるという主張に対し て) ゼロ金利政策が行われていたが実際に個人所得 の大幅な増加が起きた2004~2007の間において さえ、一向にインフレ傾向にならなかった。 その理由が、個人所得の大部分が高齢者の貯蓄 に回ってしまったことである。金融資産が2008 年に減ってしまっているのだが、実物消費に回 そうとする姿勢は薄かった。 →つまり、経済成長には繋がらない 筆者の主張(資源や食糧の価格が需給逼迫で 再び高騰するという主張に対して) 石油の価格水準が大きく上昇したと きに、すべての消費項目を含めた 「消費者物価指数」がつられて上昇 しただけで、消費者のニーズが上昇 したわけではない。 →つまり、経済成長には繋がらない。 モノづくりの技術の革新こそが日本の生き残 りの最大のカギである 筆者の主張 しかし、日本の新車登録台数は2割も減っ ている。日本国内において需要が減って いるからである。 また、日本の企業が自動車輸出で稼ぎ出 したのは外貨であり、その外貨が日本国 内の内需に回る仕組みが十分に備わって いない。 →つまり、経済成長に繋がらない 筆者の主張に共通するもの 日本の生産年齢人口が減少しているため、内需が起きな い。そのためにいくら名目上のGDPをあげようとしても 売れるものを作ってみても経済成長には繋がらない。人 口の減少が制約となっている。 この事実を認識し「個人消費が生産年齢人口によって下 ぶれしてしまい、企業業績が悪化してさらに勤労者の所 得が減って個人消費が減るという悪循環を何とか断ち切 ろう」とする姿勢が必要と筆者は考えている。 参考文献 • http://www.jasso.go.jp/statistics/intl_student/data07.html • http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/resume/041130/g20041130ishida1.pdf • http://www.akanekai.jp/seisan.htm • http://www.chuomitsui.jp/invest/pdf/repo0903_3.pdf • http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis160/e_dis158b.pdf • http://www.ier.hit-u.ac.jp/pie/Japanese/discussionpaper/dp2001/dp52/text.pdf • http://www.ipss.go.jp/pp-newest/j/newest02/1/suikei_g.html • http://www.ipss.go.jp/pp-newest/j/newest02/3/t_3.html • http://www.jada.or.jp/contents/data/type/index00.php • http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/bbl051006.pdf • http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3820.html • http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3830.html 論点: 生産年齢人口を外国人労働者で補えないか
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