関東地震 02T3013K 梅田 亮真 ・震源地情報 震源地=相模トラフ上 規模=関東地震(マグニチュード7.9) 季節と時刻=冬の夕方 午後6時頃 気象条件=風速6m/秒 夜間人口=332,722人 世帯数=153,331世帯 昼間人口=756,362人 夕方の推定人口=716,292人 想定震度=震度6(区面積の80.6%) 震度7(区面積の19.4%) 関東地震(関東大地震と呼ぶこともあります)は、相模湾、神奈川 全域、房総半島の南部を含む相模トラフ沿いの広い範囲を震源域と して発生したプレート間地震です。なお、真鶴岬や伊豆半島東岸沖の初 島がこの地震で隆起したことから、震源域はこれらの地域まで及ぶとの 考えもあります。関東地方の南部を中心に強い地震動が広範囲に生じ、 関東地方の南部の広い範囲で震度6が観測されました。 関東地震の震度分布図 当時の震度階級は6までしかありませんでしたが、 家屋の倒壊状況などから相模湾沿岸地域や房総半 島南端では、現在の震度7相当の揺れであったと推 定されます。各地で家屋の倒壊、山崩れ、崖崩れな どが生じたほか、沿岸部に津波が襲った。津波の高 さは静岡県の熱海で12m、房総半島の相浜で9.3 mとなり、震源域に近い熱海では地震発生後約5分 で津波が到達しました。さらに東北地方や九州地方 にかけての太平洋沿岸域でも津波が観測されました。 また、地震直後に発生した火災が被害を大きくし、当 時の東京府、神奈川県を中心として、全体として、死 者、行方不明者合わせて142,000余名などの被 害が生じました。この地震による災害は「関東大震 災」と呼ばれています。 関東地震による各府県の被害 関東地震による木造家屋の全壊率 木造=4,178棟 (大破1,726棟、中破2,452棟) RC造=1,001棟 (大破123棟、中破878棟) S造=68棟 (大破24棟、中破44棟) 被害写真 関東地震に伴って、小田原付近から房総半島先端にかけての地域で、地面が最 大約2m隆起し、南東方向へ2~3m移動したことが観測されました。また、それより 内陸の東京都南西部から神奈川県北部にかけては、地面が数十cm沈降しました。 本震直後から翌年にかけて、関東南部の広い地域で多くの 余震が発生しました。 3度揺れた東京 関東地震の際に東京では3度の大きな揺れがあったという証言は数多い。しかし大正末 期の当時は,地震発生のメカニズムは分かっていなかった。いわゆるプレートテクトニクス理 論が確立され,震源が地下で動く断層であることが確認されるのは,1965(昭和40)年ごろ のことである。 3度の揺れのうち,最初が本震,あとの2回は余震である。そして本震は,ふたつの大きな 断層の滑りが短時間に連続した「双子地震」であった。 本震の双子地震とは,最初の大きな断層の滑りが神奈川県の小田原の直下で発生し,約 10~15秒後に三浦半島の直下で2度目の大きな滑りが起こったと考えられる。ふたつの滑り による揺れの差を感じたのは震源の近くで被災した人々だけだ。最初の滑りの真上にあたる 小田原ではいきなり上下動をともなう激震に見舞われ,2度目の滑り地点に近い藤沢の小学 校では,やや緩い揺れがしばらく続いたのちに,校舎が瞬く間に倒れるほどの激しい上下動 をともなう揺れが襲ったという。 一方,震源から離れた東京では,双子地震の本震を30~60秒にわたる“一度目の揺れ”と して感じたことになる。そのあとに2回の余震の揺れを感じたため,都合“3度の揺れ”を感じ る結果となったのだ。1回目の余震の揺れが,本震以上だったとする体験談もあるほどだ。と ころが,地震計の針が本震ですぐに振り切れて余震を記録できなかったものが多く,3度の揺 れが解析されない原因となってきた。 岐阜測候所の上下動の地震計が,本震と2回の余震を区別して完全に記録していることが判 明した。この記録とさまざまな資料や体験談を分析し,2回の余震の震源を推定したのが下 図である。 震源の規模を示すM(マグニチュード)でいえば,長さ130kmもの巨大な断層面でM8クラス の本震が双子地震で起こり,その3分後にM7クラスの大余震,さらに1分半後にM7クラスの 大余震が再び発生したことになる。その度に関東各地は強い揺れに見舞われ,断続的に5分 間の激震が襲った──これが関東地震の揺れの正体であった。 関東地震の本震と余震の記録 関東地震の震度分布および本震と余震の震源 本震の双子地震は、小田原直下と三浦半島直下で発生した。本震直 後の2回の余震は東京湾北部と山梨県東部が震源となった。断層面は 長さ130kmにも及ぶ巨大なもので、震度7の激震域が広範囲にわたった。 兵庫県南部地震の激震域に比べると、面積にして10倍以上となります。 また、3度の大きな地震のあとにも、震度7くらいの大きな地震が6回ほど おきています。
© Copyright 2024 ExpyDoc