経営安全 企業・経営が健全な活動を展開しているかど うかを調べる。 ・ x-R管理図 ・ 経営安全率 ©ATSUTO NISHIO 経営安全率 損益分岐点(break even point) 利益も損失も出ない売上高。 収益と費用が均衡したときの売上高。 企業の利益計画の根拠となる。 経営安全率 損益分岐点の位置が高いか低いかを示す 数値。 ©ATSUTO NISHIO 損益分岐点 例 売価3万円/ダース、変動費2万円/ダースの商品を製造してい る工場がある。 この品物の固定費は150万円/月である。 損益分岐点は? (生産高の単位はダース、その他は万円) 生産高 固定費 変動費 0 150 0 50 150 100 100 150 200 150 150 300 200 150 400 費用 150 250 350 450 550 売上高 0 150 300 450 600 損益 -150 -100 -50 0 50 この表より、売上高450万円のとき損益がゼロとなることが分かる。 この点を境にして、売上高が超過しておれば、その超過分が利益と なる。もし、売上高が損益分岐点に及ばなければ、その及ばない分 だけ損失となる。 ©ATSUTO NISHIO 損益分岐点 売上高 (万円) 利益 利益 600 損益分岐点 変 動 費 450 (費用線) 300 原 価 (売上高線) 損失 150 固定費 50 100 150 200 ©ATSUTO NISHIO 生産高(ダース) 売 上 高 損益分岐点 損益分岐点は、以下のような経営諸問題の解明 に役立つ。 ① 希望利益を達成するためには、売上高を いくらにすればよいか。 ② 設備投資の投資限度額はどこまでにするか。 ③ ベース・アップの要求にどう対処するか。 ④ 収益性の健全度はどの程度か。 ©ATSUTO NISHIO 損益分岐点(売上高)の求め方 損益分岐点(売上高)= 固定費 変動費 1- 売上高 または 損益分岐点(売上高)= ∵ 変動比率= 固定費 1-変動費率 変動費 売上高 ©ATSUTO NISHIO 損益分岐点(売上数量)の求め方 損益分岐点(売上数量)= 固定費 変動費 販売単価- 売上高 ©ATSUTO NISHIO 経営安全率 下図から分かるように、利益を増大させるためには、損益分岐点の位置を下げな ければならない。 そのためには、売上高線の角度を大きくするか、 あるいは費用線を下げる(固定費を減少するか、変動費線の角度を小さくする)か しかない。 金 額 利益 売上高(金額または数量) 固定費:高 固定費:高 固定費:低 固定費:低 変動費:高 変動費:低 変動費:高 変動費:低 ©ATSUTO NISHIO 経営安全率 新たな設備投資を行って生産能力を増大させようとすると、 当然、固定費の増加をまねき損益分岐点は上昇する。し たがって、将来の確実な売上高の伸びが期待できないの に設備投資することは非常に危険である。 経営安全率(%)= 売上高-損益分岐点 売上高 ©ATSUTO NISHIO ×100 経営安全率から見た企業タイプ 経営安全率 タイプ 必要な対策 45%以上 超健全型 売上高をどうやって伸ばしたらよいかを図る。 30~45% 健全型 〃 20~30% 普通型 経費の節減を検討し、費用線を下げる。 10~20% 不健全型 積極的な市場戦略が必要。 10%未満 超不健全型 計画的に企業を縮小する。 経営安全率が4%以下の場合は、別の製品を 製造することに切り替える必要がある。 ©ATSUTO NISHIO 例12・2 ある会社の今月の予算数字は以下の通りである。この会社は減収何割 まで持ちこたえられるか。 売上高 14,450万円 費 用 11,500万円 (内訳 固定費 6,966万円 変動費 4,534万円) 税込利益 2,950万円 【解説】 損益分岐点=6966÷ 1- 4534 14450 =10151 14450-10151 経営安全率= ×100=29.8% 14450 答.2割9分8厘 ©ATSUTO NISHIO 例12・3 A社の7月分の予算数字は以下の通りである。 売上高 7,000万円 変動費 3,640万円 固定費 3,100万円 利 益 260万円 したがって、経営安全率は7.7%で超不健全企業である。 そこで、経営安全率を20%にするためには変動費と 固定費をどれほどに押さえなければならないか。 ただし、変動費率は60%とする。 ©ATSUTO NISHIO 例12・3 (解説) 【解説】 経営安全率を20%にするための損益分岐点をx万円とすると、 7000-x 20= 7000 ×100 より x=5600 (万円) この損益分岐点が売上高5600(万円)のときの変動費と固定費は、 変動費=売上高×変動比率=5600×0.6=3360 (万円) よって、 固定費=5600-3360=2240 (万円) 従って、売上高7000(万円)のときの変動費と固定費は、 変動費=7000×0.6=4200 (万円) 固定費=2240 (万円) よって、利益は 70000-(4200+2240)=560 (万円) ©ATSUTO NISHIO 例12・3 (図解) 売上高 売上高線 (万円) 費用線 7000 5600 変動費 3360 (4200) X 2240 2240 ©ATSUTO NISHIO 固定費 (2240)
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