梅沢人間力アカデミー 『ゼミナール 経営学の基礎』 第6章 「規模・範囲の経済性 」 1.固定費、変動費 ・固定費: 研究・開発償却費、機械設備償却 費、工場建屋償却費、事務社屋償却費、 一般管理費 ・変動費: 原材料費、労務費 2.費用、平均費用 費用 C(x) = F + v x 平均費用 c (x) = 費用/産出量 = C(x)/x = F/x + v 利益 E(x) = 売上高 - 費用 = p q - ( F + v q ) = p x - ( F/x + v ) x = ( p - ( F/x + v ) ) x = ( 価格 - 平均費用 ) × 産出量 C : 費用, c : 平均費用, F : 固定費, p : 価格, v : 単位あたりの変動費, x : 産出量 売上高曲線、費用曲線、利益曲線 S ,C ,E 売上高 S(x) = p x 費用 C(x) = F + v x 利益 E(x) = p x - ( F + v x ) = ( p -v ) x - F F o x 損益分岐点 -F 平均費用曲線 c c = F/x + v p v o 損益分岐点 x 3.短期平均費用曲線、 長期平均費用曲線 ・長期の場合に関連してくるファクター: 設 備の規模・容量、技術進歩、経験・ノウハウ の蓄積、労働生産性の向上 4.規模の拡張が利益に及ぼす影響 利益曲線のシフト E E1(x)= ( p -v1 ) x - F1 o -F1 -F2 x E2(x) = ( p -v2 ) x - F2 拡張前 : 固定費 F1 変動費 v1 拡張後 : 固定費 F2 変動費 v2 F1 < F2 v1 > v2 平均費用曲線のシフト c1(x) = F1/x + v1 c p v1 v2 o c2(x)= F2/x + v2 x 短期平均費用曲線、長期平均費用曲線 平 均 費 用 短期平均費用曲線 長期平均費用曲線 o 産出量 x 5.規模の経済性 (economies of scale) 産出量の増大に伴って平均費用が減少 すること。 規模の経済性は、短期的には、産出能 力一定のもとで 産出量の増大によって、 また長期的には、産出能力の増大自体 によって、もたらされる。 6.範囲の経済性 (economies of scope) 企業が複数の事業活動をおこなうことにより、 それぞれの事業を独立におこなっている時よ りも、より経済的な事業運営が可能になること。 複数の事業間で販売チャネル、技術、ブランド、 生産設備などの経営資源を共有することによ り、単独でその事業をおこなうよりも、より経済 的に事業をおこなえることが多い。 7.シナジー (synergy 相乗効果) 「企業の資源から、その部分的なものの総和よ りも大きな結合利益を生み出すことのできる効 果」(Ansoff [1967] )。一挙両得、一石二鳥 販売シナジー(共通の販売チャネルやロジス ティクス(配送システム)から生じる。)、生産シナ ジー(設備や従業員の活用、間接費の分散から 生じる。)、投資シナジー(工場・機械の共同利 用や研究開発の残存効果から生じる。)、マネジ メント・シナジー(経営者のマネジメント経験から 生じる。)の四つが主体。 8.経営多角化 複数の事業/製品を手がけること 多角化の事例 果物屋とフルーツパーラー(千疋屋フルーツパーラー)、 電鉄会社と地域開発(東武デパート、東武不動産、東武 トラベル、東武動物公園)、石鹸会社とフロッピィ―・ディ スク(花王のフロッピィ―・ディスク)、航空会社と旅行 サービス業(日航ホテル、JALパック、JALアカデミー)、 家電・自動車メーカーと住宅産業(パナホーム・トヨタ ホーム)、ス―パーと銀行業(アイワイバンク;イトーヨー カ堂銀行)、エレクトリニクスメーカーと金融業(ソニー銀 行、ソニー損害保険、ソニー生命保険)、宅配業者と料 金回収代行(ヤマト運輸のコレクトサービス)、・・・。
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