日程計画 (scheduling) 大規模なプロジェクトの日程を計画し、その進行 を管理する手法。 ◎PERT (program evaluation and review technique) PERT/time PERT/cost PERT/manpower ◎CPM (critical path method) ◎ガント・チャート (Gantt chart) ©ATSUTO NISHIO ネットワーク・ダイアグラム 作業(activity):→で表す(長さは関係ない) 結合点(node):○で表す 1 作業 2 3 ノードは作業の開始点(始点)と終了点(終点)を表している ©ATSUTO NISHIO ネットワーク・ダイアグラム 作業Aは、作業Bの先行作業 作業Bは、作業Aの後続作業 1 A 2 ©ATSUTO NISHIO B 3 ダミー作業(dummy activity) 以下のような場合はダミー作業を利用する。 A 1 2 B 原則として、作業番号は左から右、上から下の順で付ける。 A 1 3 B ダミー作業 2 ©ATSUTO NISHIO CPMの手順 ①最早結合点時刻(earliest node time)を求める 作業を最も早く開始出来る時刻:最大値 ②最遅結合点時刻(latest node time)を求める 作業が遅くとも終了していなければならない時刻:最小値 ③各結合点で、最早結合点時刻と最遅結合点 時刻が等しい作業のつながりがクリティカル パス。⇒ 日程に余裕のない作業 ©ATSUTO NISHIO 例題(作業表) 作業 A B C D E F G H 期間 先行作業 後続作業 2 なし B,C,D 2 A E 2 A F 3 A G 2 B G 1 C H 1 D,E H 2 F,G なし ©ATSUTO NISHIO 例題(ネットワーク) 2 2 1 A 3 B 2 E2 3 D 1 G 5 2 C 1 F 4 ©ATSUTO NISHIO 6 2 H 7 例題(最早結合点時刻) 0 2 2 1 A 3 B 2 E2 3 D 1 G 5 2 C 6 2 H 7 1 F 4 ©ATSUTO NISHIO 最早結合点時刻 最遅結合点時刻 例題(最早結合点時刻の算出) 5+3 と 7+2 の最大値 0+2 5 0 2 3 2 A 7 ©ATSUTO NISHIO 2 9 例題(最早結合点時刻) 4 0 2 2 1 A 2 3 B 2 6 E2 3 D 7 1 G 5 2 C 1 F 4 4 ©ATSUTO NISHIO 6 9 2 H 7 例題(最遅結合点時刻) 4 0 2 2 1 A 2 3 B 2 6 E2 3 D 7 1 G 5 2 C 1 F 4 4 ©ATSUTO NISHIO 6 2 H 9 9 7 例題(最遅結合点時刻の算出) 4-2 と 6-3 の最小値 4 2 2 3 ©ATSUTO NISHIO 6 例題(最遅結合点時刻) 同じ値 0 0 2 1 A 2 2 2 2 同じ値 4 4 3 B 6 6 5 E2 3 D 2 C 1 G 7 7 6 2 H 9 9 7 1 F 4 所要期間は9 4 6 ©ATSUTO NISHIO 例題(クリティカル・パス) 最早結合点時刻と最遅結合点時刻が等しい作業を結ぶ ⇒ CP 0 0 2 1 A 2 2 2 2 4 4 3 B 6 6 5 E2 3 D 2 C 1 G 7 7 6 2 H 9 9 7 1 F 4 所要期間は9 4 6 ©ATSUTO NISHIO 例題(作業表) 作業 A B C D E F G H 期間 先行作業 後続作業 2 なし B,C,D 2 A E 2 A F 3 A G 2 B G 1 C H 1 D,E H 2 F,G なし ©ATSUTO NISHIO ガント・チャート 1 A B C D E F G H 2 3 4 5 ©ATSUTO NISHIO 6 7 8 9 期間の見積り 実際のプロジェクトでは、各作業の所要 期間はランダムに変化する。即ち、各作業 の所要期間を確率的な値として扱う。 確率的な時間見積り(probabilistic time estimates)では、 各作業の所要期間を、 楽観値(最短期間)、最可能値(最も起こり 得る期間)、および悲観値(最長期間)の3 点で見積る。 ©ATSUTO NISHIO 3点見積り(three time estimates) ベータ分布を仮定し、 楽観値:a 最可能値:m 平均値 = a+4m+b 6 分 散= bーa 6 悲観値:b とすると、 確 率 ベータ分布 2 作業時間 a ©ATSUTO NISHIO m平 均 値 b 計画の変更(updating) 4日経過後に、日程の変更があった 作業 期間 先行作業 後続作業 進行状況 A B C D 2 2 2 3 なし A A A B,C,D E F G 完了 完了 完了 進行中 E F 2 1 B C G H 未着手 未着手 有 有 G H 1 2 D,E F,G H なし 未着手 未着手 有 ©ATSUTO NISHIO 変更 計画の変更 4日経過後に、日程の変更があった 3 B 2 E2 1 D 1 G 5 1 F C 4 ©ATSUTO NISHIO 6 2 H 7 計画の変更 4日経過後に、日程の変更があった 4 3 2 B 2 6 E2 1 D 7 1 G 5 6 9 2 H 7 1 F C 4 4 ©ATSUTO NISHIO 通常、計画を変更する とCPは異なったものと なる 期間短縮の要請 8 8 0 0 0 3 A 3 2 10 5 3 B 11 D 1 C 18 18 3 7 E 25 25 4 期間の25日を20日に短縮したい ©ATSUTO NISHIO 標準時間・特急時間 標準時間:普通の状態で作業を実施したとき要する時間 特急時間:可能な限り急がせて作業を実施したとき要する時間 そのときの費用 費用 標準費用、特急費用 特急費用 費用勾配= 特急費用-標準費用 標準時間-特急時間 標準費用 特急時間 標準時間 所 要 時 間 費用勾配:期間を1日短縮するために必要な費用の増加分 費用勾配の一番小さな作業に着目することにより、付加的コストを最小に するプロジェクトの日程計画や、限られた予算内での効率的なプロジェクト の期間短縮などを検討する。 ©ATSUTO NISHIO 期間の短縮 作業 標準時間 特急時間 特急費用 標準費用 費用勾配 A 3 3 135 135 ∞ B 5 3 228 214 7 C 11 9 41 29 6 D 10 7 119 107 4 E 7 5 113 97 8 標準時間=特急時間の作業は短縮不可能 ⇒ 費用勾配は∞とする ©ATSUTO NISHIO 期間短縮① 8 8 0 0 0 ∞ 3 A 4 7 3 2 10 18 5 3 18 B 11 D 1 3 C 6 8 7 E 25 25 4 総費用=135+214+29+107+97 =582 (25日) ©ATSUTO NISHIO 期間短縮② 8 8 0 0 0 ∞ 3 A 4 7 3 18 2 5 7 3 18 B 11 D 1 3 C 6 8 7 E 25 25 4 最小の費用勾配を持ち、しかもクリティカルな作業を短縮する ⇒ 作業Dを可能な限り短縮する(Dは10ー7=3日短縮可能) 総費用は4×3=12増加し、582+12=594となる (22日) ©ATSUTO NISHIO 期間短縮③ 変化する 8 8 0 0 0 ∞ 3 A 4 7 3 15 2 5 7 3 15 B 11 D 1 3 C 6 8 7 E 22 22 4 次に、費用勾配の小さい作業Bを短縮する(CはCPでない) ⇒ 作業 Bは5ー3=2日短縮可能 特急日数 しかし、作業Cが11日かかるので、11ー7ー3=1日しか短縮不可能 ©ATSUTO NISHIO したがって、総費用= 594+7×1=601 (21日) 期間短縮④ 変化する 7 7 0 0 0 ∞ 3 A 4 7 3 14 2 4 7 3 14 B 11 D 1 3 C 6 8 7 E CPが2通りできた 即ち、A→B→D→E と A→C→E ©ATSUTO NISHIO 21 21 4 期間短縮⑤ 変化する 7 7 4 7 20 0 ∞ 3 14 2 7 14 8 20 0 3 4 D 3 B 11 6 4 0 A 1 3 E C 6 あと1日短縮するために、作業BとCを同時に1日短縮すると 総費用は (7+6)=13 増加する したがって、作業Eを1日短縮した方が有利である NISHIO 総費用=601+8=609 ©ATSUTO (20日)
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