第14章 調査に基づく影響の評価 仮想評価(仮想市場)法 政策評価(06,12,15)三井 1.仮想評価(contingent valuation)の役割 <仮想評価が適用されてきた例> • • • • レクリエーション地の水質 分譲地周辺の樹木 鴨狩り 野外でのレクリエーション 政策評価(06,12,15)三井 2.仮想評価法の概要 (1) 母集団から回答者の標本を特定 (2) 回答者にある財の評価を質問 (3) 回答から標本のWTPを推計 (4) 母集団の総WTP =標本平均WTP×母集団の大きさ 政策評価(06,12,15)三井 質問方式 1. (支払意思額)自由回答方式 (open-ended willingness-to-pay method) 2. 限定反復付け値方式 (closed-ended iterative bidding method) 3. 仮想ランキング方式 (contingent ranking method) 4. 二項選択法 (dichotomous-choice method) 政策評価(06,12,15)三井 3.支払手段(payment vehicle) 仮想的な支払の「現実性」を高めるために、 支払手段を特定化する必要がある。 <支払手段の特定化の具体例> • 当該財のための目的税(基金) • 公共料金の値上げ • 所得税・消費税の増税 • 製品価格の値上げ 政策評価(06,12,15)三井 4.調査における一般的問題 (1) 調査の実施:面接、電話、郵便、インターネット (2) サンプルデザイン(sample design)の注意点 – – – – 潜在的利用者も含む 「個人 or 世帯の代表」の理解 消極的利用者を含むか含まないかの明示 地理量の範囲は広く (3) 標本と無回答バイアス – 回答拒否 & 回答不能 政策評価(06,12,15)三井 5.仮想市場評価法への批判 1. 仮説、意味、背景の問題 2. 中立性(neutrality) 3. 意思決定バイアスと判断バイアス 4. WTP vs. WTA 5. 戦略的反応問題 政策評価(06,12,15)三井 意思決定バイアスと判断バイアス • 不履行バイアス(non-commitment bias) • 順序効果(order effect) • 包含効果(embedding effect) • 開始点バイアス(starting point bias) • 仮説バイアス vs. 判断バイアス 政策評価(06,12,15)三井 WTP vs. WTA(受取意思額) • WTPに比べWTAは4倍から15倍になるという 結果が報告されている。 • 基本的にCV調査ではWTAではなくWTPの 質問形式を用いるべきである。 政策評価(06,12,15)三井 戦略的回答に関する問題 • 調査結果が回答者に影響するケース ⇒メカニズム・デザインに関する一連の研究が回答 者の回答を予想する際に適用できる。 • 調査結果が回答者に影響しないケース ⇒経済理論は回答者の回答を予想できない。 政策評価(06,12,15)三井 6.仮想市場評価の正確性 • CVのWTPはTCMから得られるWTPにほぼ一致する。 • CVはヘドニック価格法の結果にもかなり近いものである。 • CVの回答は実際の行動をやや過大評価する傾向がある。 • 2項選択方式のCV手法の評価は大きな上方バイアスをも つときがある。 政策評価(06,12,15)三井
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