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研削の状況報告
第18回新技術望遠鏡技術検討会
2009年11月14日
国立天文台 岡山天体物理観測所
所 仁志
前回までのおさらい
• 内周セグメント 粗加工(#170)
• レーザー変位計 + X-Y同期形状ならい、8方向
• 補正なしで ~4 mm (p-v)
最近の流れ
• #1,200 (f14mm)、#2,400 (f7mm)で研削
- 表面粗さが悪く、CGH測定できず
• CGH測定のため、部分研磨
- 研磨領域の形状が測定できた
• 部分研磨の跡を消すために、#2,400で再研削
• 全面研磨・修正研磨
- CGHでセグメント全面の形状測定に成功
• 一枚目の完成を目指し、#2,400で再研削
#1,200 研削
• 加工条件
- 左右送りロータリー研削
- 周速度一定(8.7 m/min.)
- 左右送り:0.6 mm/rev.
- 切込み:2 mm/pass
- 1pass加工時間:230 min.
1回転
#1,200 研削結果
• 表面粗さ 990 nm (p-v)、120 nm (rms)
• 形状誤差 2 mm (p-v)
- 非軸対称誤差あり
- 上下軸同期誤差、摩耗による砥石形状誤差
287.5 deg
72.5 deg
0 deg
上下軸の同期誤差
• 上下反転時に指令値からの
遅れが発生
R150 非軸対称性(上下軸固定+テーブル回転)
b
d
加工方向
理想形状
c
a
a
d
b
c
上下軸の同期誤差 対策1
• 補正項を追加して、補正できるか?
• 簡単な試験
- 上下-左右同期駆動で生じる上下軸の遅れを補正できるか?
R3600円弧,
600mm/min.
f30mm平面鏡
上下軸の同期誤差 対策2
• 補正なし
中央拡大
指令値からの残差
測定方向
近づく
離れる
上下軸の同期誤差 対策3
• 単純な補正(出力を補正項に足していく)
補正なし
上下軸の同期誤差 対策 まとめ
• 同期誤差を完全に補正するのは、かなり大変そう
• 指令値からの残差を凸(セグメント削りすぎ)を凹
(セグメント削り残し)に変えるのは比較的容易
• まずは、削り残しを修正研磨で除去
補正なし
補正項 = 補正なし×3
近づく
離れる
砥石摩耗による形状誤差 1
• 加工点は砥石上を移動する
• セグメントが入っ
てくる側が、より
多く摩耗する
• 非軸対称な形状
誤差
セグメント
回転方向
砥石摩耗による形状誤差 2
• 砥石形状に1 mmほどの非対称性
• ある程度、定
常状態が保
たれる
• 補正が可能
R7400mm
加工後(2um×6)
加工前
#2,400 研削
• 問題点が分かったので、仕上げに移行(対策はせ
ず)
• 当初計画では、#3,000の予定だったが、研削能力に
難があることが分かってきたため#2,400を使用
• 加工条件
- 左右送りロータリー研削
- 周速度一定(4.4 m/min.)
- 左右送り:0.4, 0.8 mm/rev.
- 切込み:1 mm/pass
- 1pass加工時間:690, 350 min.
#2,400 研削結果
•
•
•
•
表面粗さ 740 nm (p-v)、83 nm (rms)
形状誤差 1 mm (p-v)
表面粗さが悪すぎて、CGH測定できず
部分研磨へ
部分研磨後の#2,400研削1
• CGH測定のため、部分研磨を実施
• V字の研磨跡(最大深さ~2 mm)を#2,400で除去
部分研磨後の#2,400研削2
• 3 mmも切り込めば除去できる(研削面になる)と
考えていたのだが...
-3
-6 mm
-7
部分研磨後の#2,400研削3
• 研磨領域も材料除去は行われている
• 除去効率は、研削面よりも低い
0 deg
90 deg –方向
90 deg
0 deg –方向
研削による材料除去
• 通常は脆性加工(細かい凹凸に砥粒がぶつかって
材料を破砕)が支配的
• 通常は、砥石の粒度を上げていくことで、破砕の規
模を小さくしつつ、延性加工に移行
• 細かい凹凸の無い面(研磨面)の場合、脆性破壊
は起きにくく、延性加工が支配的になる
• #2,400でも、CGH測定可能な表面粗さを実現でき
る可能性有り
今後の予定
• 非軸対称誤差(上下軸遅れ、砥石断面形状誤差)
を補正
- とりあえずは、修正研磨しやすい凸誤差へ
• 上記補正には、レーザー変位計による測定データ
を使用
• 研磨に移り、年内に1枚目を完成
• その後、TMTセグメントの試験加工へ