TQMとその支援技術 ~QCの7つ道具~ 資料の構成 第1章 • 企業の働きとTQM 第2章 • TQMの思想 第3章 • TQMの支援技術(QC7つ道具) 第4章 • QCサークルへの展開 第1章 • 企業の働きとTQM 企業の働きの中のTQM 第2章 • TQMの思想 第3章 • TQMの支援技術(QC7つ道具) 問題意識 • 問題とは何か? – 「あるべき姿や目標と現状の差(ギャップ)」 • あるべき姿を描く (目標を立てる) – 経営上の要求 – 顧客からの要求 – 社内からの要求 • ギャップを認識する – あるべき姿に到達できない理由 – 将来的に困りそうな現象 問題の種類 • • • • お客様からの苦情・クレーム 会社内の決めごとに対する違反 年度目標などの未達成 問題であると認識しにくい問題 – しくみが複雑であるがゆえに・・・・・問題が見えにくい体制、 体質 – 未来の現象であるがゆえに・・・・・今困っていない、問題 の兆候しか見えていない – 自己・組織を防衛するがゆえに・・・・・自己否定、変わるこ とを嫌う体質 問題解決のステップ • TQMでは「QCストーリー」と呼ばれる問題解決のス テップが推奨され、実績をあげている。 • 「QCストーリー」は品質管理に限定した考えではな く、広く一般的な科学的方法である。 観察 特定 仮設 法則 検証 ステップ 1 テーマと目標 (テーマを示し、理由・目標を示す) • これから取り組もうとしている問題に対してテーマを 明確にする。 • その際、なぜこのテーマを取り上げたのか、背景と 目標を示す。 – 問題の重要度・優先度を示し、理由を具体的に示す。 – 定量的目標(金額、件数、率など)及び期限、日程を示す。 – 定量的 ⇒ 達成度合いの判断ができること。 ステップ 2 現状把握 (現状を把握し、的を絞る) • 対象としている問題の現状を事実・データで明確に し、その特性を把握する。 – 数値データ ⇒ QC7つ道具の活用 – 言語データ ⇒ 新QC7つ道具の活用 – 時間、場所、人、種類、症状別などに層別して、共通点・ 差異を見る。 ステップ 3 解析 (要因を明らかにする) • 現状把握のステップにて得られた事実・データを解 析し、要因を明らかにする。 – 衆知を集める・・・・・関係者による討議、「新和図法」など – 仮説を設定する・・・・・原因候補の列挙 – 仮説を検証する・・・・・候補原因のいくつかの実証試験 ステップ 4 対策 (要因に対して対策を打つ) • 検証された要因に対して対策を打つ(要因に対する 処置をする) – 応急対策(現象除去)と再発防止策(要因除去)を区別す る。 – 対策による副作用(新たな問題の発生)に留意する。 ステップ 5 効果の確認 • 対策結果についてその効果を評価する – ステップ3の現状把握をした時の方法(図表)を用いて、 対策前後の事実・データを比較する。 – 数値目標の達成を確認する。 ステップ 6 標準化(歯止めとしくみの改善) • 問題の再発防止を永続させるために標準類の整備、 しくみの改善をする – 社内標準類、QC工程表を作成、或いは改定する。 – 教育訓練を実施する。 QCストーリーの実施事項と留意点 ステップ 実施事項 留意点(◎:重要点) 1.テーマと 目標 ・問題発見のための調査 ・問題点、目的の明確化 ・組織編成と分担 ・目標値と期限の明確化 2.現状把握 ・テーマの対象となった特性(結果)の 詳細(時間別、場所別など)把握 ◎重要問題点を取り上げているか ・見過ごし ・あきらめ ◎取り上げた問題点の悪さ加減、重要度を示してい るか ○評価基準を示しているか ○現場・現物・現実を直視しているか 3.解析 ・問題発生のメカニズムの明確化(要 因分析) ・要因の問題に対する影響度の把握 ・固有技術面からの検討 ◎原因の追求は充分行われてるか ・漏れなく要因の抽出が行われているか ・事実、データにより因果関係を確認したか ○可能ならば実験により影響度を推測したか 4.対策 ・対策の内容を明確にする ・対策の実行計画を作成する ・対策を実施する ◎真の原因に対する対策になっているか ◎これらの対策を実行すれば所定の問題点は解決 できるか ○この対策が他の特性(結果)に悪影響を与えない か 5.効果の確 認 ・結果のチェックとねらいに対する効果 を確認する ◎結果と目標値とを対応させているか ○有形効果、無形効果及び他の効果に対する評価 はなされているか 6.標準化 ・効果を上げたやり方を標準化する ◎効果を上げた対策(事例)を水平展開及び標準化 したか パレート図 200 150 不 良 100 数 要因 累計 50 0 A B C 要因 D その他 パレート図 重点指向 • 個数、金額などのデータを大きさの順に要因を並 べ、その割合を見える化したもの。 • 例えば、 – 存在する全ての要因について改善目標を設定することが 効果的なのか? – 全てではなく、より占有率の高いものに絞って改善してい くことが良いのではないか? 特性要因図 金型 (機械) 摩耗している 作業者 (人) 目視確認能力 ガス抜き不足 リサイクル 配合率 乾燥不足 バリ発生時の条件 変更の力量 冷却温度異常 成形サイクル異常 成形材料 (材料) 成形条件 (方法) 成 形 品 の バ リ 発 生 特性要因図 原因究明 • 問題(悪さの程度)を“特性”とし、その原因を掘り下 げていくもの。 – 「特性」 ⇒ 「大骨」 ⇒ 「中骨」 ⇒ 「小骨」 ⇒ 骨」 ・・・・・と展開していく。 「孫 – 「大骨」には原則 「5M」 (人、材料、機械、方法、検査) を取り込むことが推奨される。 – その問題を発生させるメカニズムを掘り下げていく。 • 「目標と対策」の関係を示す場合もある。 • 掘り下げには「なぜなぜ分析」の考え方を参考に。 ヒストグラム 120 100 80 人 60 数 人数 40 20 0 140 150 160 170 180 身長(男性) 190 200 ヒストグラム データの分布 • チェックシートなどを活用して収集したデータ集団の 分布傾向を見える化したもの。 • 例えば、 – – – – – データ全体の姿(分布状態)は? データの中心位置は? データのばらつき(標準偏差)は? 規格値との比較は? 異常値や離れ小島は? ヒストグラム 平均 ・ 分散 ・ 標準偏差 数学テスト 生徒 の点数 (x) A 61 B 74 C 55 D 85 E 68 F 72 G 64 H 80 I 82 J 59 合計 700 平均(μ) 70 偏差 (x-μ) -9 4 -15 15 -2 2 -6 10 12 -11 0 分散=偏差の 2乗 (x-μ)2 81 16 225 225 4 4 36 100 144 121 956 平均(μ) 分散 標準偏差 μ= 700/10 =70 分散= 956/10 =95.6 σ= √95.6 =9.8 グラフ/管理図 3.5 3 測定値 2.5 測 定 値 管理上限 (UCL) 管理下限 (LCL) 規格値 2 1.5 1 0.5 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 測定№ グラフ/管理図 データの推移・傾向・相互関係 • データの変化(問題の増減、効果の有無など)を把 握し、多くの人に知らしめる。 • グラフ/管理図の利点 – 分析がしやすい。推移、傾向、相互関係などの考察。 – 直観的な全容の把握、容易な理解、説得性。 • 最適なグラフを選択する。 • 管理図は、中心値、上方管理限界線、下方管理限 界線で構成され、工程の管理状態を把握する。 チェックシート 不良内容 10月1日 10月2日 10月3日 10月4日 10月5日 10月6日 10月7日 合計 導通 67 半田 52 ワレ 33 キズ 23 基板不整 20 基板キズ 19 その他 43 散布図 100 90 体 80 重 ( k g 70 ) 列1 60 50 150 160 170 180 身長(cm) 190 200 層別 スマートフォン普及率 10代以下 20代 30代 40代 50代 60代超 年代別 75% 89% 81% 64% 28% 男 女 42% 48% 12% 男女別 会社員 職業別 製造業 55% 非製造業 サービス 業他 56% 62% 自営業 37% 農林水産 業 20% その他 41% 北海道 東北 関東 東海北陸 近畿 中国 四国 九州沖縄 22% 21% 39% 29% 31% 30% 24% 21% 地域別
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