ワシントンから見たニッポン

ワシントンから見たニッポン
5月20日
世界銀行 信託基金戦略・援助協調ユニット
山田 浩司
発表者の経歴
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民間銀行による対途上国投融資:十六銀行
二国間援助実施機関:国際協力事業団(JICA)
多国間援助実施機関:世界銀行
NGO:シャプラニール
学生:日本福祉大学
「銀行」だけではない世界銀行(1):
グラント(無償資金協力)
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IDAグラント
信託基金
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技術援助グラント
コンサルタント信託基金
他ドナーとの協調融資
マルチドナーファンド
開発グラントファシリティ(DGF)
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地球規模イニシアチブへのファイナンス
域内イニシアチブのファイナンス
「銀行」だけではない世界銀行(2):
Knowledge Bank(知識の銀行)
政策助言
 キャパシティビルディング
 情報センター機能
 遠隔地教育の導入
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「銀行」だけではない世界銀行(3):
世界の援助の潮流をリード
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包括的開発フレームワーク(CDF)・貧困削減戦
略ペーパー(PRSP)
コミュニティ主導の開発(CDD)
ソーシャル・キャピタル:社会制度、組織の評価
LICUS(Low Income Countries Under Stress)
Millennium Development Goal (MDG)
定期協議に見るニッポン(1)
ヨコの連携不足
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世界銀行との定期協議・政策対話に「ナショナル
チーム」で臨まないのは日本だけ
(財務省)、外務省、JICA、JBIC、ECFA、JCIF、経団連、
NGO
 「わが国」(外務省)の意味
 他組織の関心事への無関心
 アジェンダの重複→協議相手の時間を奪う
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定期協議に見るニッポン(2)
協議されるアジェンダの違い
北欧、ドイツ
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財政支援、援助方法の統一化、セク
ターワイドアプローチ
援助効果の測定方法
民間セクター開発戦略
ガバナンス
ジェンダー
貿易と開発
アフリカ
LICUS
HIPC、PRSPの経験
日本
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世銀とのパートナーシップ
ポストコンフリクト
ガバナンス
セクターワイドアプローチ
農業研究分野での連携
遠隔地教育ネットワークの相互接続
セクターワイドアプローチ
合同評価
持続可能な開発世界サミット
(WSSD)に向けた連携案件
ワシントンから見た日本のODA:
効果的なODAとは?
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日本が二国間援助だけでフルセットの援助計画
を組める国は少ない。
他者との連携を考える必要性
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二国間援助でフルセットの援助メニューが提示できな
い国(アフリカ、南アジア)
地球規模&域内イニシアチブ
二国間援助と多国間援助の効果的な使い分け
 ODAとNGOの連携(プロジェクトレベル、政策レベル)
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変わらなければいけないのは政府のみにあらず
“Institutional Capacity Building”
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コンサルタント業界
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ODA援助業界
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発注する側の専門性、作業監理能力強化
二国間援助と多国間援助を組み合わせる創造性
開発における他プレーヤーとの交渉・調整能力
大学、研究機関
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社会開発分野の専門性強化
世界に通用する研究、開発フレームワークの提示
他社と競争して仕事を取る努力
援助関係者全てが必要とする情報、ノウハウの研究と集
積
世界銀行におけるNGO、市民社会の役割
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CDF・PRSPプロセス:NGO、市民社会の参加は、
途上国の開発計画の形成と実施に不可欠
国別援助戦略(CAS)策定プロセス
融資案件準備
日本社会開発基金(JSDF)
世界銀行研修所(WBI)キャパシティビルディング
“Learning Across Borders” ワークショップ
ワシントン援助関係者が見たニッポンのNGO
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「主体型」から「コントラクター型」への移行過程
NGO同士の足の引っ張り合い
NGOの世代格差
不明確な理念、政策、戦略
未成熟な人事・財務管理
客観性に欠け、活動内容を他者に納得ゆくように説明で
きない。
国際交流型NGOから脱却できず、専門性に欠ける。
言語、文化の問題
“Learning Across Borders” Workshop Series
NGOキャパシティビルディング
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NGO側の期待:世銀TM、途上国NGOとのネットワーク
形成が形成され、JSDF案件に参加できる
財務省側の期待:資金拠出したJSDFに日本のNGOが
参加し、「日本の顔」が見える
世界銀行の期待①:日本のNGOが、世銀の政策形成に
おいても重要なパートナーとして成長すること
世界銀行の期待②:日本のNGOが、途上国NGOとの交
流により、グローバリゼーションから貧困者の生活権を
保護する国際的ネットワークに参加すること
ニッポンの市民社会の国際協力支持基盤強化:
問題提起
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「財団-NGO-ODAのセクター間バランスの取れた成長
の必要性」(DC開発フォーラム)
「開発協力活動と国内の資源動員を結びつける必要性」
(外務省NGOキャパシティビルディング参加団体)
「自分のコミュニティと途上国との相互依存関係が理解
されないと、日本の地域住民の関心は途上国の貧困問
題に向かない」(国際交流基金)
「日本の市民社会が成熟してこないと、『コミュニティ財
団』コンセプトは日本では普及しない」(助成財団セン
ター)
ニッポンの市民社会の国際協力支持基盤強化:
国内広報の改善
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ODA支持基盤強化は、二国間、多国間を問わず共通の
課題→共同での国内広報策の検討
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多国間援助は単独では国内広報インパクトに欠ける。
二国間援助の広報は、多国間援助への配慮に欠ける。
NGO活動の国内広報を資源動員に繋げる方策
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開発教育(小中学校、高校、大学、地方自治体)
国内問題の延長線上に開発問題が存在→国内NPOやネットワーク組
織との連携 例)「地域主体の国際協力WG in 岐阜」
マスコミの有効活用(特に地方紙ではODAよりも市民活動の方が広報
的インパクトが強い。)→地方自治体の役割?