第4回サプライチェーンの枠組み 【サプライチェーンの枠組み】 協力 企業 協力 企業 協力 企業 協力 企業 協力 企業 協力 企業 協力 企業 卸売 協力 企業 小売 卸売 組立 工場 協力 企業 部品・半完成品 費 小売 小売 卸売 消 小売 直販 卸売 協力 企業 調 達 ・ 製 造 活 動 川上 (上流) 原材料 小売 者 小売 流 通 活 動 製品 川下 (下流) 1 【日常的なサプライチェーンの活動】 (日・週・月単位) 部品・半完成品 川上 原材料 (上流) 調 達 ・ 製 造 活 動 採取 受注 協力 梱包 在 庫 出荷 発注 受注 協力 加工 在 庫 出荷 発注 受注 工場 組立 在 庫 出荷 製品 川下 (下流) 流 通 活 動 発注 受注 卸売 受領 在 庫 出荷 発注 小売 販売 受領 消 費 者 ※サプライチェーン内の各段階における マーチャンダジング ・ サイクルを統合的に表現したものである。 2 【図の説明】 • マーチャンダイジングとは、商品の仕入れや品揃えのことであ る。マーチャンダイジング・サイクルは、販売と 補充 の繰り 返しとそれに関連する一連の活動のことであり、発注(受注)、 受領(出荷)、在庫、管理などが含まれる。 • 最終消費者が小売店で製品を購入することによって、小売店 の在庫が減少し、卸売り(問屋や物流センター)からの補充が 必要になる。 • そして、卸売りも製品を出荷した後は、在庫が減るので、セット メーカー(工場)からの 補充 が必要になり、注文を行う。 • 工場では、注文を受けた場合、新たに生産するか在庫から対 応する。工場でも、材料や部品あるいは製品の在庫が減るの で、協力企業から 補充 が必要になる。 ※サプライチェーンでは、消費者の購買(需要)から補充(供 給)の連鎖が始まる。 3 【SCMの目的;サプライチェーン全体の利益最大化】 そのためには、需要に応じて確実かつ効率的に調達・生産・流通さ せることが必要となる(=仕組み作り)。 • SCMでは、消費者が欲する製品を確実・効率的に供給することが 大前提である。 • 効果的(売上増につながるよう)な流通網を構築し、それを効率 的に運営する必要がある。 • さらに、生産計画に沿って効率的に調達・生産(あるいは受注に 迅速・効率的に対応)ことが必要となる。 日常的なSCMの具体的な内容; • サプライチェーンの各段階および各場所で適切な 在庫水準 を維持する。 • 拠点間で物資の移動を確実かつ効率的に行う(物流共同化・配 送ルート)。 • 高精度の需要予測に基づいた生産計画を確実かつ効率的に実 4 行する。 【物流管理の基礎】 【物流管理サイクル】 • 管理とは、計画し、それを実施し、実施状況を統制すること(= Plan-Do-Check-Action: PDCA サイクル;計画達成に向けた具 体的改善を行うこと)。 • 物流管理サイクルとは、物流においてPDCAを行うことであるが、 期間で3つに区分。 • 中長期管理(3~5年);物流システムの改編などの根本的な改革 を行う。計画より遅れている場合は、追加投資等の対策を講じる。 • 年次管理(月単位での計画);中長期計画を受け、月単位での計 画を策定し、実行・統制する。年次予算と実績の管理や月による 波動への対策を講じる。 • オペレーション管理( デイリー );オペレーション(=現場作業) を改善し、作業コストや輸送コストの削減あるいは物流品質の向 上を達成する。日以上作業のきめ細かな改善を行う。 5 【物流管理(輸送・保管に関する管理)の領域】 • 物流サービス;迅速かつ確実に安い費用で物品を運ぶこと。 • 物流システム;設定した物流サービス水準を達成するために、 倉庫などの拠点配置、人員・トラックの配置などの物流を行うた めの仕組みの全体像。 • 物流生産性;数値で目標値を定め、改善に向けた取り組みを行 う。一日50件配達等。 • 在庫;過剰在庫や品切れを防ぐための、在庫の適正な量の確 保。 • 物流コスト ;物流効率の尺度。他部門との連携が必要な時 が増えている。 • 安全管理;労務管理上、法律の遵守は当然だが、作業環境の 安全性確保は重要。 • 環境対策;CSR(企業の社会的責任)の一環で温室効果ガスや 廃棄物削減が必要。 6 【企業内の各部門とロジスティクス】 関連部門間が連携することにより、効果的な活動や効率的に運営 • 製品開発部門:ロジスティクスに効果的な設計DFL(Design for Logistics)が着目されている。 -輸送・保管しやすい包装(形状やサイズ、強度) -パラレル処理(受注を受けてから、並行して部材製造や加工を 行う;直列だと時間が長い) -製造の最終工程をできるだけ売る直前に持ってくる(中間部材 を標準化し、流通加工化) • 生産部門:原材料や部品の調達物流と完成品の流通においてロ ジスティクスと深い関わりがある。欠品(品切れ)と過剰在庫(売れ 残り)を削減するために、正確な需要予測(情報システム)や市場 への反応速度を高める(近接地域での加工や保管)必要がある。 生産計画をサプライヤー(協力企業)との間での共有や発注の電 子化(紙ベースだと2~3度手間)などが有効な手段である。 ※返品や回収などの静脈物流は費用が高いので、不良品の削減や売れ残 7 りは削減が望ましい。 【企業経営と物流】 • 営業(マーケティング)部門:受注(顧客との折衝)が販売物流の 起点となる。その際に、締め時間の遵守(生産や配送計画のやり 直し)やイレギュラー納品の受注制限(配達時間帯の変更やドラ イバーの変更などは余計な手間になる)し、物流業の効率化や品 質向上を目指す。 ※EDI(電子データ交換)による受発注のオンライン化やVMI(ベンダー在庫管 理方式)による受注から宅配までの流れの円滑化などを図っている。 ※キャンペーンなどによる販売促進は需要の一時的な波動を生む。事前に 把握していれば、在庫や車両の手配など円滑に行える。リベート、協力金、 ディスカウントなども波動を生み出すが物流効率を促すように設定すること も可能である。 • 財務部門:在庫は資産なので、在庫削減・処分、評価減(見直し) が必要 • 情報システム部門:中心的な存在で、物流業務効率化に向けた 作業支援や物流業務実態の把握が求められている。物流情報シ ステムはメンテナンスが他のシステムより必要になる場合が多い。 8
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