失言」とメディア - Mass media and we are sensitived to the

「失言」とメディア
- Mass media and we are sensitive to the slip of the tongue by the politician -
日下
典裕 (Kusaka Norihiro)
1540040162
東洋大学社会学部
メディアコミュニケーション学科4年
(指導教員:関谷直也)
論文の構成
全4章構成
●第1章
・・・「失言」の定義と先行研究紹介
●第2章
・・・歴代の政治家達の「失言」と、そこから分かること
●第3章
・・・「失言」後、支持・不支持に分かれる要因の解析
石原慎太郎の特殊性
●第4章
・・・アンケート調査と、それによる仮説の検証・考察
「失言」後の政治家の経緯・1
支持される政治家が持っている要因
1、「実績」が有名
⇒ 政治家としての功績を国民が理解しやすい
2、「存在感」がある ⇒ 政治家として活動している事を認知できる
3、「認知度」が高い ⇒ 国民に知れ渡っている
4、「マスメディアへの露出」の機会が多い
⇒ 政治家としての存在をアピールできる機会があること
「失言だけの政治家」という印象・評価を打ち消す働きになる
「失言」後の政治家の経緯・2
支持されない政治家の場合
1、「実績」が分からない ⇒ 実際にはあるのだが、国民は知らない
2、「存在感」が薄い
⇒ 政治家として役に立っていないと感じる
3、「認知度」が低い
⇒ 「誰?」という印象が強い
4、「マスメディアへの露出」の機会がない
⇒ 政治活動の内容が不透明なイメージを抱かせる
悪い印象・評価を打ち消す材料がない
「失言」報道後、「失言だけの政治家」という印象が国民に浸透してしまう
特殊な政治家 ‐石原慎太郎東京都知事‐
「暴言」が非常に多いが、第3期目の東京都知事に当選
1、「実績」
2、「存在感」
3、「認知度」
4、「マスメディアへの露出」
4つの点の全てを持ち合
わせているが、暴言の多
さによって「失言」政治家
が支持される場合とは逆
の効果になっているにも
かかわらず当選する。
07年都知事選
「失言は政治家の適格性の欠如」という印象・評価が
あっても、石原氏が選ばれる珍しい事例
アンケート調査・1
「失言」に対して考えられる仮説
仮説1 「失言」報道で、政治家の評価は「失言」中心に変わる
仮説2 「失言」となった理由は国民の中でも曖昧である
仮説3 「失言」後「無能な政治家」と判断される政治家がいる
仮説4 どの「失言」で政治家の全てを否定する訳ではない
仮説5 実績と存在感が伴う政治家の「失言」は問題視されない
アンケート調査・2
・調査対象(学生)
東洋大学社会学部メディアコミュニケーション学科 101名
東京女子大学現代文化学部コミュニケーション学科 36名
計137名
・アンケートの内訳(全43問)
問1~問4
問5~問31
問32~問38
問39~問43
マスメディアと政治に関連する質問
森、麻生、石原、東国原、柳沢を例に具体的な質問
政治家の「失言」についての考え方に関する質問
回答者自身に関する質問
アンケート調査・3
知ら
な い,
10.2%
知ら な
い,
59.9%
知っ て
いる,
40.1%
図4.25 東国原 「タミフル」発言
認知度 (N=137)
知っ て
いる,
89.8%
図4.29 柳沢 「産む機械」発言
認知度 (N=137)
アンケート調査・4
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
0
25.5
58.2
よく評価する
まあまあ評価する
図4.28
0%
0.8
10%
東国原氏の評価
20%
13
よく知っていた
30%
40%
12.7
あまり評価しない
全く評価しない
わからない
(N=55=失言を知っている)
50%
60%
70%
51.2
少し知っていた
3.6
80%
90%
100%
35
ほとんど知らなかった
全く知らなかった
図4.30 柳沢氏の失言以前の認知度(N=123=失言を知っている)
アンケート調査・5
0.0%
20.0%
40.0%
60.0%
16.1%
1、とても影響されている
58.4%
2、やや影響されている
19.7%
3、あまり影響されていない
4、まったく影響されていない
5、わからない
図4.33
80.0%
0.7%
5.1%
「失言」報道からの影響
(N=137)
100.0%
アンケート調査・6
0.0%
20.0%
22.6%
3、今ぐらいの報道で適当である
6、わからない
図4.34
80.0%
44.5%
2、やや報道し過ぎだ
5、もっと報道すべきだ
60.0%
19.0%
1、報道し過ぎだ
4、もう少し報道してもよい
40.0%
6.6%
2.2%
5.1%
「失言」報道への印象
(N=137)
100.0%
アンケート調査・7
0.0%
20.0%
100.0%
4.4%
1.5%
5、「失言」は絶対に許さない
16.1%
6、わからない
16.8%
図4.36
80.0%
38.7%
2、一度の「失言」なら許せる
4、「失言」は三度まで許せる
60.0%
22.6%
1、政治家でも間違いは仕方がない
3、「失言」は二度まで許せる
40.0%
政治家の失言に対する考え方
(N=137)
アンケート調査・8
0.0%
1、役に立たない政治家だ
2、幼稚な政治家だ
20.0%
100.0%
15.3%
51.1%
6.6%
6、何とも思わない
5.1%
7、わからない
5.8%
図4.37
80.0%
4.4%
4、政治家の自覚が足りない
8、特に気にしない
60.0%
0.7%
3、教養が足りない政治家だ
5、政治界から退いて欲しい
40.0%
10.9%
「失言」をした政治家への考え方
(N=137)
アンケート調査・9
0.0%
10.0%
20.0%
40.0%
50.0%
20.4%
1、森喜朗
5.1%
5.8%
2、麻生太郎
3、久間章生
38.7%
4、柳沢伯夫
5、東国原英夫
30.0%
0.0%
13.1%
6、石原慎太郎
1.5%
8、小泉純一郎 0.0%
9、安倍普三 0.0%
10、福田康夫 0.0%
7、田中真紀子
20.4%
11、わからない
12、その他
0.7%
図4.38 最も重い「失言」問題を起こしたと思われる政治家(N=137)
アンケートで明らかになった点
1、「失言」となった理由は個人毎に違う
2、「失言」後に支持されない政治家がいる
3、「失言」は政治家の全てをマイナス評価にする
訳ではないこと
4、実績と存在感は「失言」問題を緩和させる働き
があること
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