初級日本語学習者の流暢さの発達-縦断的計量的研究

初級日本語学習者の流暢さの発達
-縦断的計量的研究
講演者:深田淳(Fukada, Atsushi)
アメリカ,パデュー大学(Purdue University)
要旨:本研究は、日本語学習者の流暢さの発達の諸相を、長期にわたって多数の音声サンプルを
収集し調査した。研究の目的は、(1)流暢さに関連する指標が二学期間にわたってどのように
変遷したか、(2)どのような言語的要因がどの指標と相関関係を持つか、を調べることであっ
た。データ収集においては、米国某大学の一年次日本語のコースに在籍する母語が英語の学習者
を被験者とし、Speak Everywhereシステムを用いて音読とQ&Aの二つのタスクにおけるパフォー
マンスを収集した。一要因反復測定分散分析の結果、流暢さの指標のうちのいくつかは、両方の
タスクにおいて、下がっている時期があることがわかった。そこで混合モデルを用いた分析を行
ない、どういう言語的複雑性の要因がこれらの指標に影響を与えたのかを調べた。結果的に、流
暢さの発達には様々な要因が影響するため、経時的な指標だけでは捉えきれない、ということが
わかった。発表においては、分析結果に加えて、Speak Everywhereシステムによるデータ収集、
Praatによる音声データ分析の方法の解説も行なう予定である。
日程:2013年5月27日(月曜日)午後6時15分~午後7時45分(6コマ目の授業時間帯)
場所:名古屋大学全学教育棟・北棟405号室
<参加自由・無料>
連絡先:名古屋大学 玉岡賀津雄(たまおか かつお) [email protected]