口頭流暢性の客観的指標による研究-その意義と指標値算出の実際

口頭流暢性の客観的指標による研究-その意義と指標値算出の実際
Research on oral fluency using objective measures: its significance and actual
computation of measures
深田淳 (パデュー大学)、松本一美(ボールステイト大学)、広谷真紀 ( ローズハルマン工科大学)、桝本沙織 (パデュー大学)
ATSUSHI FUKADA (PURDUE UNIVERSITY) KAZUMI MATSUMOTO (BALL STATE UNIVERSITY) ,
MAKI HIROTANI (ROSE-HULMAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY) SAORI MASUMOTO (PURDUE UNIVERSITY)
口頭試験において学習者の口頭流暢性(oral fluency)は主に主観的に判断され評価されてきた。採点基準はテストごとに異なって
いたり、同じテストでも採点者間で差があったりするため、テスト間でどの程度流暢性の伸びがあったのかなどの比較が難しい。
教育機関が異なればテストも採点基準も違い、ある学習者の流暢性を同一尺度上に位置づける手立ては今のところない。
この現状を打開するのに有力と思われるのが、主観評価と併せて用いることのできる流暢性関連の客観的指標である。客観的指
標自体の研究、またその指標を使った学習者の流暢性の発達に関する研究は90年代あたりから注目されるようになってきてい
る。しかしながら(1)大量音声データの収集の難しさや煩雑さ、(2)音声データの分析、(3)指標値の計算の煩雑さなどがこの種の
研究の発展を阻んできた。この分野に必要なのは、これらの作業を簡便に行うことができるようにするツールである。
当発表では、今回開発した指標値の計算をするソフトウェアツールを含めた上記三つの問題点を克服するためのツール群を紹介
する。そしてこれらのツールを組み合わせることによってどのような過程を経てどのような指標値を得ることが可能なのか、そ
してその指標値の意味するところは何かを解説したい。