看護学生がオムツ体験で得られた 体験内容と学びの分析 ー実践力を高めるための教育方法の検討ー 横浜国立大学教育学研究科 健康・スポーツ系教育専攻 学籍番号 氏 名 指導教員 2015/10/1 2008年 06A8503 松本 佳子 高橋 和子 2月9日(土)1 Ⅰ 研究の動機 病院実習で患者への オムツ交換が なかなか“できない” 疑問? 看護学生に遭遇 オムツ体験をして、 演習で方法も教えたし、 練習もしたのに・・・ 2015/10/1 2 先行文献で オムツ体験は 学生にとって負担 オムツで排せつしたことのある人から、 「体験を聴く」という追体験でも 学びは変わらないと報告 2015/10/1 3 Ⅱ 研究目的 オムツ体験の学習効果を明らかにする 教育方法を検討する 2015/10/1 4 Ⅲ 研究の概要 研究Ⅰ ・学生のオムツ体験のレポートから、身 体感覚についての記述を抽出した。 ・身体感覚と学びのつながりを検討した。 2015/10/1 5 研究Ⅰ 結果1 オムツ体験の感覚についての記 述で一番多かったのは 不快感で、その他様々な身体感 覚の記述があった。 2015/10/1 6 結果2 体験と学びのつながり 体験の実感の程度をシェンドリンの体験 過程スケール(EXPスケール)評定 基準早見表を用いて分析。 レポートは体験した感覚の実感が伝わってく るものと、伝わってこないものとがあった。 『学生の実感が薄い』のか、『感じたこと を記述する力』が影響しているのかわから ず、記述から読みとるには限界があった。 2015/10/1 7 研究Ⅱ • 臨床実習後に学生に面接して、 オムツ体験と患者さんへの援 助とのつながりについて調査 • 面接内容はすべて逐語録に起 こし、分析した。 2015/10/1 8 結果1オムツ体験の学びの効果 オムツ体験で 感じたこと ・羞恥心 ・自尊感情の低下 ・オムツの不快感 ・排せつ後の不快感 ・体位の不自然さ 援助の際に気にし て実施していたこ と ・羞恥心への配慮 ・不快感を最小限に ・排せつはトイレで つながっていた 2015/10/1 9 結果2 患者さんに声をかけない、手を出さない 学生 教員 患者さんが 恥ずかしいので はないか・・ 戸惑い・・・ 出来ない なぁ・・ ズレ 10 研究Ⅲ • 研究Ⅰ・Ⅱの結果と学生の授業評 価アンケートを参考にして教育計 画の検討 • 授業23回の内7回について、体 験学習を取り入れた授業を計画し た。 2015/10/1 11 授業計画のポイント 感覚を刺激する体験学習を 積極的に導入する。 体験したことを記憶にとどめ、 印象づける工夫をする。 体験した後の具体的な振り返りと、 意味づけを行なう。 2015/10/1 12 Ⅳ 結 論 ・オムツ体験での学びは実際の患者援助 につながっていた。このことは、 看護教育において、オムツ体験をはじめ とした感覚を刺激する体験学習により、 からだ(身心)で感じ、自己を覚知(セ ルフアウェアネス)し、感覚を意識化す ること、自己の振り返りからの「気づ き」を促すことが、実践力を高める教育 方法であることが示唆された。 2015/10/1 13 今後の課題 授業での体験学習は、感覚を刺激する だけでなく、十分に振返れるよう工夫し、 気づきからの学びを促していく。 また、臨床実習で学生の行動が気に なった時は、“どうしたのか”と尋ねて 学生の状況を知り、教員と学生のズレを なくすようにする。 2015/10/1 14 • ご清聴ありがとうござい ました。 2015/10/1 15
© Copyright 2024 ExpyDoc