シーイングによる輝度変化

シーイングによる輝度変化
2014/07/08
TK
シーイングとは
対象天体
★
・
・
・
球面波
十分遠くにある観測対象天体
から出てくる光は,対流圏まで
はほぼ平面波
平面波
地球対流圏
空気中の屈折率揺らぎ
対流圏内では,大気の乱流による温
度分布の揺らぎが生じ,それにより屈
折率揺らぎが生じている
地上で観測する際には,対象
天体からの光はゆがんだ波面
として見え,それが時間変動
観測者
像の位置揺らぎ,ぼやけ,
((★)) シンチレーションなど
2
一様乱流の性質
Kolmogorov turbulence
乱流のエネルギー
E(k)
波数空間において,区間[k,k+dk]に
おける乱流のエネルギーE(k)dkは,
エネルギーが発生するスケール
1/L0とエネルギーが散逸するス
ケール1/l0の間では
k -5/3
エネルギー
発生領域
慣性小領域
1/L0
エネルギー
散逸領域
1/l0
E(k )dk  k
2 / 3
が成り立つ。
波数k (=1/乱流サイズ)
3
大気による波面揺らぎ
★
地球対流圏内では大気は
一様乱流と見なせる。
地球対流圏
Cn
2(h
j
L0からl0の空間スケールにおいて,大気の屈折率揺らぎは
コルモゴロフスペクトルに従う。(強度の比例係数~ Cn2 (h) )
)
・
・
・
Cn2(h1 )
3次元的な屈折率分布に対して
2次元的な平面波が伝播するに従い,
各高さにおける屈折率揺らぎに応じて位相差が生じる。
φ
波面位相φの二次元平面における
パワースペクトルはフリードパラメータr0を用いて
W (k )  0.0229r05 / 3k 11/ 3
観測者
((★))
と表される。(Hufnagel (1978))
4
シンチレーション
• 波面揺らぎにより空間
的に小さなレンズがたく
さん生じ、非一様に集光
される。またそれが風に
よって波面が移動するこ
とにより時間変化する。
Φ𝐼 𝑘 =
0.0387𝑘 −11/3
2𝜋
𝜆
Tokovinin 2007
2
sin2 (𝜋𝜆𝑧𝑘 2 )𝐶𝑛 2 𝑧 𝑑𝑧
波面揺らぎの時間変動
波面
V
Dt秒後
左:シャックハルトマン波面センサを用いた
太陽のリムの像
右:左で検出した像の局所的な傾きから波
面を再現したもの
「乱流による乱れの速度u << 主流速度
V」が成り立つとき,微少時間Dtに関し
て,乱流由来の物理量f(x,t)に対し
𝑓 𝑥, 𝑡 + Dt = 𝑓(𝑥 − VDt, 𝑡)
が成り立つ。
(テイラーの凍結乱流仮説)
6
シーイングによる輝度変化の要因
• 太陽の場合
– シンチレーション
– 結像位置の変動により、複数の太陽面上構造が
一つのピクセルに含まれる
• の2つを考慮する必要がある
• Taylorの仮説より空間周波数から時間周波数
への換算は次式で書ける