科学研究費補助金説明会 平成18年4月21日(金) 山形大学研究プロジェクト戦略室教授 山﨑 淳一郎 ◆制度の概要◆ 科 学 研 究 費 補 助 金 と は ◇ 「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を対象とした 競争的研究資金。 ◇ 人文・社会科学から自然科学まですべての分野をカバー、基礎 から応用までのあらゆる段階の研究活動をサポート。 ◇ 審査は、延べ5,400人に及ぶ審査員(ピアレビュー)による。 ◇ 予算規模は1895億円(平成18年度)。政府全体の科学技術 関係経費の約5%、競争的研究資金全体の約40%を占める。 2 科 学 研 究 費 補 助 金 の 位 置 付 け ◇政府による研究推進の分類◇ イ 研 究 内 容 ・ 研 究 者 ・ 研 究 組 織 等 ニ シ ア テ ィ ブ 政府による主導 【mission-oriented research】 研究者の自由な発想 【学術研究 (curiosity-driven research)】 めあ 設ら 定か じ 政府主導の国家プロ ジェクトの実施(約2兆円) 大学共同利用機関、大学附 置研究所などにおける特定 目的の研究の推進 【 競 争公 的募 研・ 究審 資査 金 】 各省がそれぞれ定める 目的のための公募型 研究の実施 研 自究 由者 の 科学研究費補助金 による研究の推進 基盤的経費 による研究の推進 (矢印は、研究が拡大・発展していく一般的なプロセスを示す。) 3 「30年後の重点分野」を育ててきた科学研究費補助金 「半導体多層薄膜構造による光集積 回路用レーザの研究」 昭和41年度~ 光 通 信 の 実 現 (超高速ブロードバンド時代の実現) 末松安晴(国立情報学研究所長) 「ポリアセチレンフィルムの半導体と しての応用に関する研究」 昭和44年度~ 白川英樹(筑波大学名誉教授) 昭和47年度~ 「遷移金属錯体を用いる新規合成反応」 野依良治(理化学研究所理事長) 電気を通すプラスチックの実用化 (携帯電話の電池などさまざまな電子 部品に利用)ノーベル化学賞(平成12年) 化学物質の画期的な合成法実現 (副作用のない薬品の製造に幅広く 応用)ノーベル化学賞(平成13年) 4 科 学 研 究 費 補 助 金 の 拡 充 第2期科学技術基本計画において競争的資金の倍増が打ち出されており 予算は年々増加し、平成18年度予算では1895億円を計上。 科学研究費補助金の予算額の推移 百万円 240,000 220,000 1,895億 円 200,000 180,000 160,000 1,018億 円 140,000 1000億円突破 120,000 100,000 526億 円 80,000 500億円突破 60,000 40,000 20,000 100億 円 0 S40 S41 S42 S43 S44 S45 S46 S47 S48 S49 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 5 研究者の自由な発想に基づく学術研究を幅広く推進 平成18年度予算額 189,500百万円 (17年度予算額 188,000百万円) 「経済財政運営と構造改革に関する 基本方針2005 」 (閣議決定) ○「科学技術基本政策策定の基本方針」 ○「平成18年度の科学技術に関する予算、 人材等の資源配分の方針」 ○「競争的研究資金制度改革について (意見)」 (総合科学技術会議) ・競争的研究資金の拡充 ・若手研究者の育成 ・間接経費の拡充 ・年複数回応募の実施 ・独立した配分機関体制の構築 ・審査体制の充実・強化 「科学研究費補助金の在り方 について」(中間まとめ) (科学技術・学術審議会 学術分科会研究費部会) ◎ 独創的・先駆的な研究の 重点的推進(1億円増) ◎ 年複数回応募の試行(2億円増) ◎ 若手研究者育成の充実 -スタートアップ支援- (11億円増) ◎ 日本学術振興会への更なる研究 種目の移管 ◎ 審査・評価体制の充実(1億円増) 6 科学研究費補助金の配分結果(件数) 平成17年度科学研究費補助金 配分状況 -研究機関別の応募件数・採択件数(新規採択分+継続分)- その他 10.7% 12,393 【分野別】 その他 1.9% その他 10.2% 4,579 私立大学 24.9% 28,738 【設置者別】 応募件数 採択件数 人文科学系 7.5% 生物科学系 11.7% 私立大学 21.1% 9,481 社会科学系 10.9% 薬学系 1.9% 公立大学 6.7% 3,013 その他 1.9% 脳・神経科学系 3.6% 国立大学 62.0% 27,821 公立大学 6.6% 7,685 人文・社会系 18.4% 数物科学系 4.9% 歯科疾患関係 3.9% 国立大学 57.8% 66,728 環境・自然災害・ エネルギー科学系 3.3% 生物系 44.6% 地球・宇宙科学系 3.3% 成人病・感染症・その他 疾患関係 16.1% その他の内訳 研究機関種別 その他 短期大学、高等専門学校 大学共同利用機関法人 国・公立試験研究機関 特殊法人・独立行政法人 企業等の研究所 その他 応募件数 12,393 3,229 1,571 1,694 4,399 250 1,250 ( ( ( ( ( ( ( 理工系 35.1% 物質・材料科学系 10.0% 採択件数 10.7% 2.8% 1.4% 1.5% 3.8% 0.2% 1.1% ) ) ) ) ) ) ) 4,579 812 779 675 1,759 70 484 ( ( ( ( ( ( ( 10.2% 1.8% 1.7% 1.5% 3.9% 0.2% 1.1% ) ) ) ) ) ) ) がん・エイズ等 難治疾患関係 7.4% 情報・電気電子 工学系 6.7% 構造・機能工学系 6.9% 7 科学研究費補助金の在り方について ◆中間まとめ◆ Ⅰ 若手研究者育成の充実 ◎ 若手研究者のスタートアップに係る研究経費は、研究機関が責任を持って措置するのが基 本であるものの、特に優れた研究者については科研費による支援を実施。 ◎ 年齢によらない研究経歴による応募資格とし、4月頃に公募を行う研究種目(「若手研究 (スタートアップ)」(仮称))の新設が望ましい。 Ⅱ 年複数回応募の試行 ◎ 研究種目「特別研究促進費」により試行。 ◎ 対象者 ・ 公募終了後に応募資格を得た者 ・ 育児休業等により研究活動を中断していたが、公募終了後に研究現場に復帰する者 ◎ 研究内容・研究費の規模と研究期間 ・基盤研究(A)、(B)、(C)相当 ⇒ 2~4年 ・若手研究(A)、(B)相当 ⇒ 2~3年 ◎ 審査方法 ・日本学術振興会が行う二段階審査制相当 8 9
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