日本の高校における英語の授業は英語でがベストか?

言語教育論演習プレゼン
日本の高校における英語の授業は
英語でがベストか?
A12LA020
浦 夏菜
Input仮説
• Krashen : 豊富な理解可能なinputを与えれば言語
獲得は可能
But…
カナダのイマージョン教育における多量のinputにも関
わらず能力が伸びない
→inputだけでなくoutputが必要だ!
→Output仮説・Interaction仮説
Output仮説・Interaction仮説
Swain : アウトプット活動こそが、「スピーキングにおける自動
性」の獲得に不可欠
白井 : インプットをサポートするアウトプット活動をプラスして初
めて言語の形式面の獲得が生じる
Long : 他者との交流の中でコミュニケーション上の支障に直面
したときに習得が促進される
→豊富なinputは重要だが、積極的に使用もしていくべき
willingness to communicate (WTC)
WTC : 英語を話したいという気持ち、英語で自発的に
コミュニケーションしようとする意思
Sato & Koga
大学2年生を対象に
ほぼ英語のみの授業→WTCが有意に上昇していた
主に日本語の授業→WTCは向上しなかった
willingness to communicate (WTC)
But…
被験者は国立大などの大学生であり、多様な高校生
には一般化できない。
→レベルの低い学生には英語嫌いにつながるかも
それでも…
大学生には効果があった
→勉強する意欲のある学生、レベルの高い学生には
「英語のみ」の授業は効果的
Own Language use in ELT:
exploring global practices and attitudes
Hall, G & Cook, G
• 低いレベルの学習者には自言語使用がより適切
→高校生であってもレベルが低ければ日本語を介在
した学習が行われるべき
→英語のみの授業を行うことによって、レベルの高い
学生は恩恵を得られても、レベルの低い学生は置いて
けぼりにされてしまう。
結論
• 英語の豊富なインプット・アウトプットのために英語で
行われる授業は重要
• 英語で行われた授業はWTCを伸ばす効果が見られ
た
• だが反対に「英語嫌い」を増やす可能性がある
• レベルの低い学習者には日本語の使用が必要
→公教育においては全ての学生一律に英語のみの授
業を行うべきではない。
(参考)習熟度別指導
市立直江津中学校
英語の授業を「海コース(基礎)」「山コース(充実)」「空コース
(発展)」の3つにコース分け
→いずれのコースでもテストの得点の上昇が確認された
英語学習に対する意欲が高まったと約半数の生徒が答えた
高校英語でもレベル分けを行った上で、上位コースでの「英語
のみ授業」は効果がでるのでは?
加藤幸次『少人数指導・習熟度別指導 一人ひとりのこどもを
いかに伸ばすか』ヴィヴル 2004