貿易センタービル 20060419 ビル崩壊の理由 • 米国緊急事態管理局の報告書 – ビルには構造上の欠陥はない – ビルは、強固な骨組みが施されていた、衝突後しばら く崩壊しなかった、階段が広かった – 激突した乗っ取り機に満載されていた航空燃料が引 き起こした火災が最大の崩壊要因 – 崩壊は、①乗っ取り機激突による衝撃、②燃料炎上 による熱、③建物内部の炎上による熱 – 航空機の衝撃と火災に耐えられるビルの建設は技術 的に不可能 ビル崩壊 • 衝突で鉄骨の耐火被覆がはがれ、火災の熱で 耐久力が低下 • 上層の床が崩れ、それがほぼ真下に落下した衝 撃で下層の床も連鎖的に落ちた • チューブ構造も崩落の一因だ • 日本のビルは、風と地震に耐えられるようにして いて、上からの力の安全率はWTCの2-3倍 データ • ツインタワービルの総重量は約60万トン • 各階は一辺が63mの正方形 • 外周を取り巻く鉄鋼製の管状の柱(9階以上は35 ㎝角)と、フロア中心部のエレベータホールに集 中的に配置された40本の柱で全体を支える • チューブ型構造 • B767-200は2万ガロン(76000ℓ)の燃料を搭載可 能、航空燃料は38℃で発火、1200℃~2000℃ 構造 • 現場打ち:型枠の中に鉄筋を組み、コンク リートを流し込む ⇒ 壁、床、柱が一体の 構造物になり強度が高まる • カーテン構造:鉄骨の骨組みに軽量コンク リートの外壁をぶらさげる ⇒ 隙間ができ て熱や煙が入り込む、上方からの圧力に 弱い エンパイアステートビル • 1945年7月28日 B-25爆撃機が時速400㎞で、 エンパイアステートビルの79階(278m)の北面に 突っ込み、建物の外壁に5~6m四方の穴をあけ た • 乗員など13人はガソリンの炎で死亡 • 10トンの飛行機が、8万トンの建物に衝突 • 一回の前後運動と、停止。大きな構造上の被害 なし • 架構構造の余裕度:リベットで梁と柱が剛接合 WTC • 当時のボーイング707型や767型機がぶつかって も大丈夫なように計算されていた。 • 大量の航空燃料に引火して起きた火災⇒ • 1号館は1時間40分、2号館は1時間弱で崩落 • 外壁に沿った柱だけでなく、中央のエレベータ ホールにも柱を配置、ただ、床は柱に接続する 簡易構造(上層階が落ちると下の階まで連鎖的 に落ちる) • 冗長性の確保によって、避難時間の確保、独立 した避難経路の確保ができる 原発での実験 • 日本原燃が核燃料サイクル基地の航空機 防護設計のために、F4EJ戦闘機をコンク リート壁に衝突させた実験 • 時速560㎞で22トンの戦闘機を1.2mのコン クリート壁に衝突させた • 戦闘機が壊れた • エンジンが衝突した場合には、80cm以下 のコンクリートは貫通する 企業のリスクマネジメント • 中国銀行:1993年の国際貿易センタービル爆破 テロを受け、緊急時マニュアルを作成⇒邦人行 員7人全員無事 • 第一勧業銀行:地震、火災、テロ、誘拐などの緊 急時対応マニュアルを作成⇒邦人80人全員無事 • 山陰合同銀行⇒マニュアルでは近くの邦銀支店 に避難、現場で危険と判断して、4キロ離れた群 馬銀行の支店とホテルに別れる(第二候補) 環境問題 • 1972年にアスベスト禁止措置を講じたとき、WTC は建設中、一つは40階まで、もう一つは20階まで アスベストが鉄骨の耐火用、配管の緩衝材とし て使用(400t~1000t) • 崩壊した近隣ビルでは、市の緊急司令室に電源 を供給する目的で地下に数千ガロンのディーゼ ル燃料が備蓄 • その他のビルも合わせて7万ガロン • 『フォールアウト』ゴンザレス 岩波書店 アスベスト訴訟 • 原告の数は130万人から310万人、支払い総額 は2000億ドルになるだろうと、予想 • アスベスト訴訟で倒産した会社は、55社 • アスベストのメーカー、世界最大のマンビル社 (1982年倒産) • 1970年代以降規制、アスベスト疾患の潜伏期間 が40年 • 健康なのに1人2500万ドル、アスベスト・メーカー は存在しない、別の州の零細企業 • 誰に、賠償請求するか、将来ガンになる恐怖 WTC再建 – 日系ミノル・ヤマサキの設計だった – グラウンド・ゼロの利用計画のアイディアを募る: ロアー・ マンハッタン開発公社LMDCが2002年9月に6チームを指 名、国際設計競技 – リベスキンド案と坂茂、ラファエル・ヴィニオリらのチーム案 が残る – リベスキンドの代表作は、ベルリンのユダヤ博物館 – リベスキンド案は、アラブ対ユダヤという構図の真只中に 位置する建築だ – ミノル・ヤマサキの経済性を表現したビルから、リベスキン ドの政治的選択を経たビルへの変化(鈴木博之:毎日新 聞2003.3.31) 原発の航空写真 • 敦賀原発1,2号機を紹介した冊子から、航空写真 と配置図が消えた(2005年8月刊) • 2001年の米国同時多発テロ以来、見学者の中 央制御室への入室を禁止、イラク戦争後は建物 内へ入れず、バスでの周辺見学にとどめる • 航空写真では、正門から核物質を保管している施設への道 筋が分かってしまう • 中央制御室、防護フェンス、監視カメラなどの防護関連設備 が分かるような写真や平面図を削除 – 原発への情報公開←→核物質防護 病原体 • 病原体の製造・所持を処罰 • 生物テロ対策を強化 – 天然痘ウィルス、エボラウィルスなどは、国立感染症 研究所が公務として研究する場合を除いて、所持や 製造を禁止 – 炭疽菌、SARSコロナウィルス、ペスト菌などは、厚労 省の許可を受けた場合を除き禁止 • 病原体は発症するまでの潜伏期間があるために、(化学テロ と異なり)被害が表面化するまで時間がかかることがある。そ のため、製造や所持の段階で発見し、被害を未然防止する
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