手足のしびれ・こむらがえり これも糖尿病の症状? 医療法人沖縄徳洲会 四街道徳洲会病院 糖尿病看護認定看護師 看護部 獅子田 あかね 糖尿病性神経障害 インスリンの作用不足・慢性の高血糖状態に 起因する末梢神経障害 合併症の中でも比較的早期に発症し、頻度も多い →糖尿病患者の約40%が有する 糖尿病罹病期間・年齢・血糖コントロール状態・ その他の合併症の有無に比例して増加する yotsutoku DMCEN SHISHIDA 臨床的分類と症状 左右対称性 びまん性 神経障害 多発性 神経障害 異常感覚(しびれ・じんじん 冷感) 感覚鈍磨 こむらがえり 自律 神経障害 発汗異常(味覚性発汗・無汗) 起立性低血圧・便通異常・ 胃無力症・勃起不全 脳神経障害 単一神経障害 顔面神経麻痺・聴神経麻痺 体幹、四肢の 尺骨神経麻痺・腓骨神経麻痺 神経障害 体幹の単発性神経障害 糖尿病性 筋委縮 yotsutoku DMCEN SHISHIDA 危険因子 喫煙 血清脂質異常 神経障害 肥満 高血圧 yotsutoku DMCEN SHISHIDA 糖尿病多発性神経障害の簡易診断基準 必須項目 以下の2項目を満たす 1.糖尿病が存在する 2.糖尿病多発神経障害以外の末梢神経障害を否定しうる 条件項目 以下の3項目のうち2項目以上を満たす場合を 「神経障害あり」とする 1.糖尿病多発性神経障害に基づくと思われる自覚症状 2.両側アキレス腱反射の低下あるいは消失 3.両側内踝の振動覚低下 注意事項 1.糖尿病多発神経障害に基づくと思われる自覚症状とは・・・ 1)両側性 2)足の指先および足の裏のしびれ・痛み・異常感覚 のうちいずれかの症状を訴える 2.アキレス腱反射の検査は膝立位で確認する 3.振動覚低下とはC128音叉にて10秒以下を目安にする yotsutoku DMCEN SHISHIDA 無症侯性期 自覚症状は認めず、神経学的所見で異常を認める 高血糖状態が持続すると、しびれなどの自覚症状 が出現する 可逆性の段階 この時期は 血糖コントロール がとても重要!! 何も症状は ないんだけど・・・ yotsutoku DMCEN SHISHIDA 症候性期 軽症~中等度の神経障害が含まれ、足底部の違和感、 冷感や軽度のしびれ感などを呈する 同時に知覚鈍磨も明らかとなる アキレス腱反射、振動覚低下の異常は顕著 起立性低血圧、便秘、発汗異常などの自律神経障害を伴う ことも多い 高血糖の是正と有痛性であれば内服薬の対症療法も必要 yotsutoku DMCEN SHISHIDA 廃失期 知覚鈍磨や高度のしびれや痛みのため日常生活が かなり制約される 睡眠障害やうつ症状も出現する 下肢の感覚鈍磨と閉塞性動脈硬化症の合併などか ら 皮膚潰瘍や壊疽を起こす 更なる悪化予防のためには血糖コントロールは重要 であるが本質的治療効果は期待できない yotsutoku DMCEN SHISHIDA 世界糖尿病Day 毎年11月の糖尿病Dayには 東京タワーや奈良の大仏様 など名所が糖尿病のシンボル カラーである青にライトアップ されます。 とても奇麗ですよ yotsutoku DMCEN SHISHIDA お口のケア 歯周病チェックリスト ①口臭が気になる(指摘される) ②歯を磨く時、血がにじむ事がある ③食べ物が歯に挟まりやすくなった ④口の中がネバネバする ⑤歯ぐきが赤く腫れている ⑥歯ぐきがムズムズする ⑦以前よりも歯が伸びた気がする ⑧歯がグラグラする ⑨固いものが噛みにくい これらは全て 歯周病の症状 です。一つでも 該当すれば、 歯周病の可能 性があります。 どうですか? yotsutoku DMCEN SHISHIDA 歯周病の危険因子 ①細菌因子:プラーク(細菌と細菌産物の塊)内にある 種類と量 ②宿主因子:個々の免疫状態や歯周病に罹患しやすい条件 加齢・糖尿病・遺伝・歯の噛み合わせ 糖尿病患者の歯周病発症危険度は2.5倍になる ③環境因子:歯周病を起こしやすい生活習慣 喫煙・ストレス・飲酒・食習慣など これらが絡み合って歯周病が発症・進展する yotsutoku DMCEN SHISHIDA 糖尿病があると歯周病になりやすい理由 ①口腔内の乾燥:高血糖によって利尿が起こり、唾液量の 減少する。唾液による自浄作用が減少する ②唾液内の糖分濃度上昇:高血糖下では、唾液や歯肉からの 滲出液の糖分濃度が上昇し、歯周病菌が繁殖しやすい ③好中球の低下:高血糖下では感染に対する抵抗力が低下する ④組織修復力の低下:歯周組織の主成分であるコラーゲンの合成 が高血糖によって阻害され歯周組織の創傷治癒不全が起こる yotsutoku DMCEN SHISHIDA 歯周病の予防・治療 プラークコントロール ブラッシング 禁煙 血糖コントロール よく噛んで食べる 定期的歯科受診 ストレス解消 食事内容の見直し yotsutoku DMCEN SHISHIDA ブラッシング 歯ブラシの選び方 形・・・柄の部分や毛の部分がストレート 大きさ・・・植毛部は小さめのもの(3×7列程度) 毛の硬さ・・・普通 (炎症が強い時は柔らかめ) 毛の材質・・・ナイロン(動物の毛は細菌が繁殖しやすい) 柄の形・・・握りやすいもの <歯ブラシの握り方> 必要以上の力が入らない ようペンを持つように yotsutoku DMCEN SHISHIDA 糖尿病足病変 神経障害 足の状況 皮膚の損傷 身体防衛機能の低下 生活状況 リスクとなる靴をはく仕事 足の圧迫やずれを増す生活 など 末梢血管障害 糖尿病 足病変 全身状態 姿勢・歩き方の変化 高血糖、低栄養、 運動機能障害、視力障害 など 必要性を知らない、 ケアの方法を知らない 実行しづらい状況がある、など セルフケア状況 yotsutoku DMCEN SHISHIDA 買ったばかり の靴 足への関心 視力低下 観察の仕方 気がつかな かったよ 神経障害 長時間靴 を履く生活 靴ずれ 靴下はいて いるか 合わない靴 大きい? 小さい? 歩行時の姿勢 歩き方の癖 靴の選び方 yotsutoku DMCEN SHISHIDA 清潔への関 心・手入れ方 法 長時間靴 を履く生活 ハイヒール 足を圧迫する 革靴 靴の選び方 足への関心 視力低下 観察の仕方 外反母趾 陥入爪 おしゃれした いからね おしゃれへの思い 価値感 歩行時の姿勢 歩き方の癖 足の問題に 関する経験 yotsutoku DMCEN SHISHIDA 足病変の一例 伸びた爪 胼胝 yotsutoku DMCEN SHISHIDA 巻き爪 熱傷 特に低温やけどに注意 潰瘍 yotsutoku DMCEN SHISHIDA 自分の足に関心を持ち、大切にしましょう これまでの足の手入れの方法 足の観察 足の清潔 爪の手入れ yotsutoku DMCEN SHISHIDA <引用・参考文献> 1)安酸史子(2010)糖尿病ケア、メディカ出版 2)糖尿病神経障害を考える会(2002) 3)日本糖尿病教育看護学会(2005)、日本看護 協会出版会 yotsutoku DMCEN SHISHIDA 御清聴ありがとうございました みなさんは一人では ありません。 困った事があったら お声をかけてください。 yotsutoku DMCEN SHISHIDA
© Copyright 2024 ExpyDoc