アービトラージ戦略 ―比較優位の再発見 報告者: イ ゴウ 学籍番号:14-MC001 イメージ アービトラージとは所謂、安いところ で買って高いところで売るといった 「格差」を利用して儲ける取引方法で、 特にグローバル経営では当たり前の考 え方です。人件費の安い国で生産して コストを押さえて先進国で売る、とい うのは最も一般的な経済的アービト ラージの例です。 規模の経済と差異の利用 企業のグローバル戦略を語る場合、一つの マーケットで成功したビジネス・モデルをそ のまま他のマーケットへ展開し、規模の経済 が追求される、すなわち、可能な限り広範な マーケットにおいて共通の競争優位が追求さ れることが多い。その場合、各国のマーケッ トに存在する差異は、克服されるべき「障 害」と見なされることになる。 四次元に広がる差異の領域 グローバリゼーションという前提で 国々の間の距離は四次元の枠組みに よって測ることができる。 「CAGEフレームワーク」 文化的アービトラージ(cultural) 例:フランス料理、ワイン、香水、アメリカのファースト フード 政治的アービトラージ(administrative) 例:税制格差、経済制度の相違 地理的アービトラージ(geographic) 例:(かつての)香辛料貿易、オランダのアールスメア中央生 花市場 経済的アービトラージ(economic) 例:人件費の格差、資本コストの格差、知識格差 国ごと、地域ごとの差異は、産業や製品特性ごとにも存在する。 文化的アービトラージ イメージ:フランスのワインを(フラ ンスのようなワインが作れない)日本 で売る、といった文化的アービトラー ジ ブラジルという文化的アービトラージを活用 すれば、若年層向けの製品やサービスの マーケティングで大きな効果を発揮する。 (ビールメーカーのモルソンは19~24歳 までの男性というターゲット顧客にアピール する) 政治的アービトラージ それぞれの国に、法的、制度的、政治 的な特性がある。その差異によって、 数多くのアービトラージのチャンスが 生まれる。 間接投資 利潤誕生 地理的アービトラージ 時差、気候、物流コストを指す 例:空港運賃は旧タイプの輸送手段よ りも大幅に値下がり、昔と比べると実 質90%以上も下がっている。 ⇨地理的アービトラージのチャンスが 生まれる。 経済的アービトラージ 労務費や資本コストの格差、あるいは より多くの業界に特有の条件、たとえ ば知識、補完製品、技術、インフラな どの格差を利用したアービトラージで ある。 差異と共通性を左右する 成功している併用戦略の一例として、メキシコに 本社を置くセメント・メーカーのセメックスが挙 げられている。彼らは、財務上のリスクを減らす ため NYSEへ上場 資本コストのアービトラージ 世界有数のビジネススクールやその他専門大学院 から人材を獲得 知識格差のアービトラージ 業務は徹底して標準化(物流ではフェデクスを基 準) 規模の経済 といった形で規模の経済とアービトラージの併用を 図っている 適応戦略:海外ローカル市場の特 殊性に適応した戦略を展開して競 争優位を獲得する。 複数の国を一つの市場単位とする ことによって、規模の経済を追及 する戦略。 サプライチェーン構成する各要素 適 をそれぞれ違う国に置く 応 ことで、国や地域を単位 戦 略 とする市場の差異を 活用する戦略。 (出所:http://www.sbbit.jp/article/cont1/22166?page=2) まとめ グローバル戦略を取る企業はいずれの方 向に進もうと、国ごとの共通点があれば 規模の経済、差異があればアービトラー ジをそれぞれ追求できる。 換言すれば、 CAGEフレームワークに よって各国ごとの特殊性と共通性を分析 し、それによって特殊性への適応化と、 共通要素の集約化を図り、同時に各国ご との差異を戦略的に活用するところにあ る。( 出所:http://www.sbbit.jp/article/cont1/22166?page=2 )
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