日本のエネルギーの将来 なぜ原発が推進されてきたのか? 原発推進の表の理由 日本のエネルギーの4割強は発電によって消費。 (「エネルギー環境論」の対象) 近年の流れ ①生活パターン 住宅:オール電化 車:電気自動車 ②地球温暖化でCO2を減らすべきとの世論 原発の推進 ①、②→ 原発推進の( )理由 裏の • 発電の独占→莫大な利益 1. 東電は民間企業だが、売電を独占してきた 2. 一部、売買電が可能になったが、原子力発 電は他の事業体は参入できない。なぜな ら、 原発の燃料はウラン。ウランを燃やすとプ ルトニウムが出来る→原子爆弾 3.原子爆弾の材料確保 注)自民党の石破政調会長は2011年8月16日のテレビ朝日の報道 ステーションで、原発の必要性について述べ、原発は核武装のために 原発の問題点 ①原発の燃料は原爆の材料 ・日本は世界唯一の被爆国。広島:ウラン、長崎:プルトニウム ・米国はフセインが大量破壊兵器=原爆を作ろうとしているとし て、イラクを侵略してフセイン大統領を殺害。日本も米国に同 調。しかし、イラクに大量破壊兵器は無かった。 ・イランが原爆を作ろうとしているので攻撃すべきとの議論 ・中国、北朝鮮が原爆所有→持たなくて大丈夫かとの議論 ②放射性廃棄物の処理をどうするか ・地層処分 ③原発事故の問題 ・これまでは仮定の話だったが、今は現実となっている 福島第1原発事故直後の問題点 2011年時点での予想 1.事故の収束 東電の工程表は希望表でしかなく、工程を実行できる裏付 けが無い。いつ収束するのか 2. 経済的不安 自動車などの工業製品は数万点の部品から成る。ある部品 の専門工場が東北にあることにより、世界の、特に日本の工 業生産が滞っている。その間に、中国、韓国がシェアを奪わ れるだろう。 参考)1986チェルノブイリ事故→1991年ソ連崩壊 3.政治的不安 指導者への苛立ち→国民は強い指導者=独裁者を渇望 参考)1923年関東大震災→1937支那事変(日中戦争) 事故の収束という大嘘 1.事故の収束宣言(2012) 東京電力福島第1原発事故で、政府は16日、原子力災害 対策本部(本部長・野田佳彦首相)の会議を首相官邸で開き、 原子炉が安定した「冷温停止状態」が実現し、事故収束に向 けた工程表「ステップ2」が完了したと確認した。野田首相は 「原子炉は冷温停止状態に至った。不測の事態が発生して も敷地境界の被ばく線量は十分に低い状態を維持できる。 発電所の事故そのものは収束に至ったと判断した。早く帰還 できるよう政府一丸となって取り組む」と宣言した。 注1)冷温停止とは、原子炉が損傷していないときの用語だが、 水素爆発した原子炉は大破しているので、この言葉は使用 できない。 日本の首相の大嘘第二弾 Some may have concerns about Fukushima. Let me assure you, the situation is under control. It has never done and will never do any damage to Tokyo. ⇒ではオリンピックは東京で 考えるべき問題 1.電力会社による電力独占の是非 ・自由競争がない ・集中化 vs 分散化 2.原子力発電の是非 ・存続か廃止か 電力独占 • 原子力発電は電力会社という民間会社の独 占事業。 特に原子力は許可された者しか使 えない(∵原爆の材料)。 • 沖縄電力以外は、 東電以下全ての電力会社 は原発を有する。その独占企業の長所と短 所は何か? 独占企業の長所と短所 長所 ・集中した投資ができる ・長期の見通しを持った投資が可能である 短所 ・競争原理が働かないため、技術革新が進まな い→自然エネルギー衰退 ・競争原理が働かないため、価格が高い ・組織が腐敗しがちである 集中化 vs 分散化 • 原発1基で100万kWの発電。風車1基で1000kW の発電→風車1000基で原発1基 • 原発の方が効率的に思えるが、原発で一旦事故が 起こると、その原発から電気を受ける世帯の電気を 補うのが困難 • 風車1基の故障の影響は限定的 • 原発から電気を東京まで通す→途中でロスが生じ る 参考)コンピュータの世界では分散化が進んでいる 大型コンピュータ→多くのワークステーション 分散化のメリット • 分散化とは仕事の分散化であるが、同時にり リスク(危険性)の分散化でもある • 電力でも、家庭での太陽光発電、太陽熱発 電、企業での小型火力発電等を行えば、計 画停電などの愚行は不要 どうしたら脱原発が可能か ヨーロッパでの成功の秘訣 自然エネルギー推進のために、全発 電の買い上げ 参考)ドイツ 円/1kWh 参考)スペインでの発電量1位は風力 参考)デンマークでの電力自給率200% 再生可能エネルギーの固定価格 買取制度 エネルギー資源が少ない日本で今注目されて いるのが、太陽光や風力、バイオマス、太陽熱 、地熱など自然の力による再生可能エネルギ ーです。これらは、エネルギー自給率の向上、 地球温暖化対策、さらには将来の産業育成に つながると期待されており、平成24年7月から「 再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が 始まった。 原子力発電の是非 存続派 • 日本の電力の3割~4割を占める。 • いざというときに、直ちに原爆が作れる。 • 世界は、これからも原発を作り続ける(中国、 インド)。プラントの輸出が可能 • 安い • 核燃料サイクルで限りある資源の有効利用 原子力発電の是非 廃止派 ・安全でない ・一旦事故が起こると取り返しがつかない ・核廃棄物の処理には、ずっと先の子孫まで迷 惑がかかる ・高い ・原爆の材料を作っている 各国の原発の状況 • 独は原発廃止を決めた • 仏でも原発廃止運動が盛り上がっている • 韓国は、「知識経済省は2012年5月4日、日 本海に面した同国東部蔚珍(ウルチン)で商業 用原子炉2基の建設着工式を行った」。 一 方、汚職等で、昨年夏は複数の原発が止 まっていた。 • 米国は新規原発を計画しているが、3・11事 故後には着工を遅らせている 原発ゼロの日(2012/5/5) 原発再稼働の攻防 • 枝野経済産業相の「原発一瞬ゼロ」発言 「一瞬ゼロ」とは再稼働有りということ • 夏の電力不足(関西電力、九電、北電) 関西電力の主張 14.9%不足 原発再稼働をすれば足りる 事実は5%不足。「電力不足」詐欺で再稼働 平成24年7月1日スタート! 再生可能エネルギーの固定価格買取制度 • 日本のエネルギー自給率はわずか4%にすぎません • 再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず繰り返し使え、発電時に二酸 化炭素(CO2)をほとんど排出せず地球環境にやさしい、優れたエネル ギーです • 再生可能エネルギーの普及・拡大を目的に、平成24年7月から「再生可 能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートします • 買取制度により、電気事業者は、一定の期間・価格で、再生可能エネル ギーでつくられた電力の買取が義務づけられます • 買取に要した費用は「賦課金」として消費者が負担し、電気代の一部とし て支払います 例)http://www.city.inagi.tokyo.jp/kankyo/kankyou/saiseikanou.html 日本の原発の歴史 ・米国の「政策転換」による原子炉の日本への投入。日本側協 力者が正力松太郎。 ・政治家側では科学技術庁初代長官中曽根康弘が原発推進 ・73年の第1次オイルショック。石油からの転換として、田中角 栄が原発推進 ・79年に米スリーマイル島事故、86年にはソ連でチェルノブイ リ事故が起き、欧米で脱原発の機運が高まる。しかし日本で は、政治は自民党一党で安定し、通産省も原発を継続 ・90年代半ばに発電事業者の新規参入を認めた電力自由化 ・05年ごろまでに再び原発継続の方向で固まったが、市場原 理に基づけば原発は成り立たない。電力会社も国策に従っ た 原子力の歴史(孫崎 享) 1 日本は危険な原子力に何故手を染めたか。石油、 LNG,石炭など資源は充分存在。電力会社が事故 の危険を冒して踏み切らなければならない状況はな かったはず。一つの鍵は1955年日米原子力協定。 その後56年に原子力委員会設立、科技庁発足。 従って原子力発電の需要が日本に存在したのでな く日米が先導。ということは米国先導。この時の日 米の橋渡しが読売社主の正力松太郎。では何故な のか。1955年、56年は日本にとり大変化の起こる 可能性があった時期。原子力関係では54年福竜丸 ビキニ被爆事件、55年8月、第一回原水爆禁止世 界大会。 原子力の歴史(孫崎 享)2 一方政治的にみると当時鳩山内閣。重光外務大臣 は日本の米軍基地撤退を目指し、鳩山首相は日ソ 国交回復を目指していた時期。米国からみると日本 が米国支配から離れる危険性を見せた時期。この 中で日本に原子力発電をさせる意味は何であった のか。平和利用を与えることで、原水爆反対運動を 阻止する目的は存在したはず。そうだとすれば原子 力発電は出発点から無謬、事故があり得ないものと して国民に提供される必要あり。米国主導の原子力 開発であれば今回事故当初から米国以上に介入 し、現状将来日本政府縛ったかがわかる。東電の 主体性なさも理解 原子力発電推進 • 東電広報費300億円?T大への寄付5億 円? • 経団連副会長:清水東電社長 • 佐藤栄佐久元福島県知事はMOX燃料導入 に反対。東京地検が収賄で起訴。免罪であっ た。県知事が変わり、MOX燃料導入 原子力発電を推進するPA • 内橋克人「原子力安全神話はいかにして作ら れたか」/ 正統性を喪失したエリート支配層 PA:public acceptance:国民の賛同、支持 原発PA(public acceptance)戦略 1)電気事業連合会が行ってきた言論に対する抗議戦略。 様々 な報道機関・メディアに抗議書や「関連報道に関する当会の 見解」という共通見出しの文書を送り続ける。 2)小学校低学年から中学・高校までエネルギー環境教育とい う名の原発是認教育を授業として実施。社会・理科・総合な どの授業で児童・学生らに教師が教え込んでいく。それが生 徒の成績も左右する。 3)有名文化人を起用していかに原発は安全かを語らせるパブ リシティ記事をメディアを使って展開。費用も膨大。男女の文 化人を原発の地下施設などに案内し、ヘルメット姿で語りを やらせ、それを記事にする。 注)public acceptance:国民の賛同、支持 パブリシティ記事について 広告は企業が費用を負担して情報を流すが、 パブリシティはその企業や製品についてテレビ や新聞、雑誌などのメディアがニュースや記事 として取り上げることで、情報が流れる。 1.安全神話の教育(3・11以前) 教育現場に配布された「電事連版・教育指導要領」 「巨大複合災害に思う」 内橋克人、「世界」5月号 □小学校高学年向けエネルギー教育(理科)の学習 指導案 理科の「ねらい」 ①エネルギーとしての『電気』を理解し、発電の仕組み を知る ②環境にやさしいエネルギーを考えるきっかけをつく る ③電気についての興味を高める 評価 ①エネルギーや電気について興味をもつことが できたか ②電気を発生させたり、電気を蓄えたりすること を理解することができる ③持続可能な釈迦の必要性に気づき、どうした ら良いか考えることができる 2.教師の役割 教師の役割は、生徒に 1.便利なエネルギーを使う代償(地球温暖化) 2.今の生活を捨てられる?(計画停電) 3.クリーンな発電(原発はCO2は出ません) 4.未来を生きていくのは私たち(化石燃料は数十年の寿命) と示し、結論として、 原発は安全かつクリーン、そして持続可能 で地球に優しいエネルギーである と生徒を導く。 放射線副読本(3・11以後) 文科省副読本「放射線」で、「教育」を行なって いる benifitを取りたいならばriskがあるのは当然 未来はあるのか? • ガスタービン 三菱重工業は、タービン入口温度1,600℃級 で世界最大・最高効率の「J形ガスタービン」 の開発を自社の独自技術により完了し、商用 化に着手した。60Hz送電地域向けでは定格 単機出力(ISOベース)約32万kW。排ガス熱 発電を組み合せたコンバインドサイクル(CC) 出力は約46万kWで世界最大容量、熱効率 は世界最高水準の60%以上。
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