練習問題7 経営組織論 問題1 個人の成長過程(7段階)に関するアー ジリスの理論を説明する下表を完成せよ。 段階 成長過程 第1段階 受身的 能動的 第2段階 依存状態 独立状態 第3段階 行動の限定 行動の多様化 第4段階 衝動的趣味 持続的趣味 第5段階 短期的展望 長期的展望 第6段階 従属的地位 上位・同等的地位 第7段階 自己意識の欠如 自己統制の発達 問題2 物的報酬を重視する従業員は多 いと思われるが、その理由を説明せよ。 •現代的経営組織において、個人の自己実現とフォ ーマル組織の原則の矛盾が存在し、このような矛 盾が第1線の従業員において著しく現れている。特 に、分業のため、指先などわずかの一部の能力し か活用されていないため、個人の自己実現のため 、その対策は組織を去る、昇進して社長になるため に懸命に働く、自己防衛のために順応するおよび 無気力・無関心になるなどの対策が採られている。 問題2 物的報酬を重視する従業員は多 いと思われるが、その理由を説明せよ。 •組織を去ることは問題を根本的に解決できない し、社長になる機会は極めて少ないので非現実 的である。そのため、組織において、インフォーマ ル組織が形成し、物的報酬を重視する傾向が現 れる。 問題3 個人の自己実現とフォーマル組織の合 理性を実現する組織の原則の矛盾を説明せよ。 •組織の原則は組織の作業能率の向上策として重要であ ると考えられてきたが、一部の原則は次のような矛盾が考 えられる。 •仕事の専門化(task specialization):生産の能率→能力の 一部しか生かすことができない。専門化のため、階層がで き、調整する必要が生じる •命令の連鎖(chain of command):秩序の維持→指導者へ の依存性を強要する。 •指揮の統一(unity of direction):組織の能率の向上→個 人目標と組織目標との乖離、心理的エネルギーの減少。 問題3 個人の自己実現とフォーマル組織の合 理性を実現する組織の原則の矛盾を説明せよ。 •結論→フォーマル組織では、①個人の能力のうち 、ごくわずかしか生かされないような環境が形成さ れている。また、②上司によって定められた目標は 個人の欲求と無関係であるため、彼らの強い動機 を期待できない。したがって、③こうした目標と個人 との関連性は失われがちとなる。その結果、④組 織内の各個人間の相互作用も表面的なものに終 わる。従って、結果的に組織の原則を強調すれば するほど、作業能率の低下をもたらす。 問題4 次の言葉を翻訳せよ。 • • • • • Organic: 有機的 Mechanistic: 機械的 Function: 職能 Argyris: アージリス Personality: パーソナリティ・人格 問題5 以下の文の正しいものに○を、誤って いるものに×を付け、その理由を説明せよ。 • 上司の責任を負うという有機的管理組織に対し て、責任が共有されるという特徴を持つのは機械 逆 的組織である。 × 【 】 • 安定した環境に適応する組織は有機的管理組織 機械的 × である。 【 】 • 組織の基本原理は権限であるのに対して、市場の ○ 基本原理は自由競争である。 【 】 問題6 バーナードによると、組織が成立する要件として、三つ の要素が求められている。この三つの要素を簡潔に答えよ。 •バーナードによると、組織が成立する要 件として、共通目的common purpose、協 力の意志willingness to cooperation、コミ ュニケーションcommunicationの三つの 要素が求められている。 • 問題7 バーナードによると、組織 は組織を構成する個人ではなく、 【 関係 】によって形成されるもので ある。したがって、各個人は組織の メンバーではなく、組織形成の 【 貢献者 】であると呼ばれている。 問題8 経営組織論における経済人モデルと管理人モ デルの意思決定の相違について述べ、下表を完成せよ。 • 経済人:人間は物的、経済的欲求を満たすた めに、常に論理的に物事を考え、もっとも合理 的に行動する存在であり、経済合理性に基づ いて合理的な意思決定を行うものである。 • 管理人:人間の行う意思決定は必ずしも最適 な基準に基づいて行われるものではなく、その 個人の主観的な意味での合理性しか追求し得 ない。 • 意思決定は通常情報活動、立案活動および選 択活動の三つに分けられる。両者の違いを次 のようにまとめられる。 情報活動 経済人モデル 管理人モデル ありとあらゆる 情報が与えられ ている。 情報は収集する必要がある。こ の収集活動は時間と空間の制 約を受けるので、満足の基準 で情報を収集する。 すべての代替案 一部の代替案しか列挙できな い。各代替案の結果は実際の 立案活動 を列挙する。 結果ではなく、あくまでも予測 の結果にすぎない。 • 意思決定は通常情報活動、立案活動および選 択活動の三つに分けられる。両者の違いを次 のようにまとめられる。 選択活動 経済人モデル 管理人モデル その中からもっ とも合理的代替 案を選択する。 (そのため、合 理的といえよう) その中から目的をもっとも実現 できる満足の代替案を選択す る。(そのため、合目的的であ るといえ、限定された合理性で あるといえよう)。 ご清聴、ありがとうございます。
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