経営統合を成功させる

2014.11.19
第7章
知識と行動のギャップを乗り越えた企業
2014後期 E班 羽鳥・林・宮崎
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知識と行動のギャップを乗り越えた企業
【例に挙げる3社】
1. ブリティッシュ・ペトロリアム
2. バークレイズ・グローバル・インベスターズ
3. ニュージーランド・ポスト
【問】
• 知識を行動に移すときに何が問題になるのか
• どういった行動や慣行があれば企業は知識を手
に入れたり実践したりできるのか
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知識を伝え、活用する
【ブリティッシュ・ペトロリアム】
1909年 アングロペルシア・オイル・カンパニー・リミテッド
(APOC)として英国に設立。
1992年 8億1100万ドルの赤字。(創立以来初めての赤字)
1997年 売上712億7000万ドル、46億2000万ドルの利益を計上。
1999年 1月:アモコと合併成立。英国本社社名がBPアモコとなる。
世界第3位の石油企業グループの誕生。
【問】
• なぜあれほど厳しい時期を経験したのか
• どのようにして大転換を成し遂げたのか
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○ロバート・ホートン:恐怖心を植え付けるやり方
・ダウンサイジング
-コストの削減を目的とした、規模の縮小化
・経費削減
・会社の価値観の表明
-『オープンな社風,思いやり,チームワーク,権限の委譲,信頼』
○デビッド・サイモン
○ジョン・ブラウン
「部門の壁を超えて、知識を積極的に育むこと。これが会社の
競争力になる。」
社内から知識を吸収し、 実行に移そうとする
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【知識の共有を奨励する活動】
1.プロジェクトを評価する用語と方法の決定
例)油井の掘削,新しい油田の開発,石油の採掘,石油の輸送
確認する4つのメカニズム
①ピア・アシスト(同僚の援助)
-複数の部門からメンバーを出して、部門の問題を解決させる
小さなプロジェクト。
②ピア・グループ
-技術上や戦略上で同じような問題にぶつかった部門が連携
する。
③その他の連合組織
④人事交流
2.バーチャル・チームワーク・プログラム
・起きた問題をリアルタイムで解決(ビデオ会議用機器などを利用)
・目的:各部署にいる人々の『ネットワークづくり』
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【ブリティッシュ・ペトロリアムの経験からわかること】
●組織の業績をあげるためには、知識を伝え、活用する
☆知識の伝達には正式なメカニズムが必要
・人間を介して伝える
・経営トップから行動を起こす
⇒リーダーの言動から、協力を重視する文化が生まれる
⇒評価,報償→人々は協調的な行動をとる
⇒率先して新しいアイデアを試す→会社の姿勢が伝わる
・知識の共有に向けた動き
・新しい方法を進んで試す意欲
・試行錯誤から知識を身につける態度
☆経営トップのやり方
×恐怖心を植え付けるような言動
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経営統合を成功させる
【バークレイズ・グローバル・インベスターズ】
1970′初 ウェルズ・ファーゴ(米)信託部門の一部として設立
のちに ウェルズ・ファーゴと日興証券の合弁事業の所有
1996
バークレイズ(英)に買収される
【3つの大問題】
1.急成長 (従業員数 93’:350名⇒97’:1400名) ex.人間関係の希薄化
2.真のグローバル企業になること
3.親会社の変化 ウェルズ・ファーゴ日興からバークレイズへ
バークレイズの投資活動を引き継ぎ、
いわゆる“逆乗っ取り”の形をとった。
ここで、知識を行動に変えるお手本をみせる
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【はっきりした方針・共通の価値観】
“一つのしっかりした企業になること”
起業家精神に富むBGIと、官僚主義的なバークレイ
「われわれと彼ら」英国人と米国人
“行動第一主義と独立独歩の精神”
人材開発部門の手薄⇒自ら必要な研修をやってのける
高い問題対処力を発揮
“最高のものを目指す”
価値観・原則・ビジョン・企業文化の共通理解が大切
⇒グローバル企業をつくる基盤
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【特別な行動】
「3つの役職」 マネージング・ディレクター、プリンシパル、アソシエイト
複雑な人々の格付けを減らし、不必要な競争意識をなくし、会社との一体感
グローバルなイントラネットの開設
HPの立ち上げ、季刊の社内報、会議回数・構成の変化
マネジメント委員会
世界中のオフィスからあつまるグローバルな委員会(月一回)
人間関係の緊密化と、各部門への報告による全社員の当事者意識
ワークショップ
外部講師による「ナンバー1を目指す」
【成功の証】
評価額の急騰、ユーロへの通貨切り替え、アジア市場暴落への対応、
フォーチュン誌の表紙、フレッドグラウワーの辞任後
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よいと思ったことを実行する
~ニュージーランド・ポスト~
○ ニュージーランド・ポストの問題点
・古い組織からの人々をそっくり抱えたまま,
新しい組織に生まれ変わること
○1986年のニュージーランド・ポスト(政府機関)
▲3800万ドルの赤字
▲過剰な人員
▲郵便物の遅延
▲お役所仕事の感覚
○1987年のニュージーランド・ポスト(国有企業)
◎利益アップ
◎郵便物の遅延がなくなる
◎人員削減
◎サービス向上
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○ 改革の合言葉は「常識と単純さ」
① 前例に頼らない,よその郵便制度と比較しない(重さではなくサイ
ズによる料金制度→低料金)
② 自社のインフラ整備(郵便物の遅延防止・スピードアップ)
③ クリア・フロア(郵便物の積み残しをなくす)
④ 従業員の固定(組合との関係もよくなる)
※リーン生産方式・・・役に立たない人を減らし,合理化・サービス向
上・コスト削減
○ 経営スタイルの変化
・権力の分散化=地方のマネージャーが採用にあたる
・人材育成
・能力給の支給
・労働組合との積極的な協力関係
以前からこの組織に関わってきた人々の手で経営改革をおこなった。
<まとめ>
知識を行動に変えることは,前例や過去に縛られず,社内にある知識や
スキルを利用し,人々を積極的に活用することである。
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