第2章 市場調査と統計 p.11-28 1 2.1 マーケティングと市場調査 教科書 p12~13 2 1.マーケティング • 今日の企業は、これまでになく厳しい環境のもと におかれている。 変化の激しい市場 他企業との熾烈な競争 消費者のニーズ(欲求)にあった商品やサー ビスを絶えず提供しなくてはならない このような環境のもと、消費者や競争企業の動向 に適切に対応するための企業活動をマーケティ ングという。 3 2.市場調査 • 市場調査は、市場の現状やその変化の傾向に ついて、データを収集し、それを分析・加工・解釈 することによって、広範囲なマーケティング活動 をどのように行っていけばよいか、その方向性を 与える活動である。 4 市場調査の内容 市場調査の内容は、次の三つに大別できる 1)企業を取り巻く環境の分析 企業に影響を与え得る環境や条件を調査・分析 2)市場に関する需要の分析 市場における需要量、購買動機、特徴を調査・分析 3)企業活動に関する販売効率の分析 これまでのマーケティング活動の有効性を調査・分析 5 市場調査の方法 まず既存資料による調査を行う 調査・分析の目的にしたがって さまざまなデータを収集し、検討する 既存資料では問題の解釈に不十分 であった場合は、実態調査を行い 新たにデータを収集する 収集したデータは 統計のいろいろな手法により整理し分析する 6 Operations Research 度数分布の特性値 算術平均 標準偏差・分散 P20~24 7 中心的傾向 算術平均 算術平均・・・データの値の合計を個数で割ったもの x1 x2 x N 1 x N N N x i 1 i 表計算ソフトでは AVG関数 8 中心的傾向 中央値 中央値・・・データが属する階級の中央の値 来店客数 (人) 中央値X 度数(日数) f fX 150-199 175 4 700 200-249 225 15 3375 250-299 275 32 8800 300-349 325 36 11700 350-399 375 15 5625 400-449 425 2 850 104 31050 計 3105÷104≒298.6 度数と中央値から算術平均 ①中央値と度数をかけたfX を求める ②fXの合計を求める ③合計を総度数で割る 9 標準偏差・分散 1 標準偏差・・・算術平均からのデータの値の隔たり(偏差) の2乗の平均値の平方根 s 1 N N x x i 1 2 i 分散・・・標準偏差を2乗したもの。データの散らばりを 示す特性値 N 1 2 2 s xi x N i 1 10 標準偏差・分散 2 例題2-6 3,6,9,12,15の分散と標準偏差を求めよ 算術平均 3 6 9 12 15 X 9 5 2 2 2 2 2 2 ( 3 9 ) ( 6 9 ) ( 9 9 ) ( 12 9 ) ( 15 9 ) 分散 s 2 18 5 標準偏差 s 18≒ 4.25 11 標準偏差・分散 3 m データ数が多い場合の分散計算法 s2 来店客数(人) 中央値X 度数(日数)f 150-199 175 4 200-249 225 15 250-299 275 32 300-349 325 36 350-399 375 15 400-449 425 2 計 104 fX 700 3375 8800 11700 5625 850 31050 X^2 fX^2 30625 122500 50625 759375 75625 2420000 105625 3802500 140625 2109375 180625 361250 9575000 i 1 N 1 s N 2 fi ( X i X )2 6 fX i 1 i 2 i X 2 1 31050 9575000 104 104 ≒ 2930 s 2930≒ 54.1 12 2 統計による市場調査データの整理 1.度数分布表 13 1 度数分布表とは 集めたままの何も加工していない生のデータ からは、データ個々の数に差があることがわ かる。しかし、そのままではデータ全体の特 徴をつかむことは困難である。 →データをいくつかにグループ分けして、それ ぞれのグループに入るデータを示す度数分 布表を作成して、データを整理してみる。 14 2 度数分布表の作成手順 度数分布表は、次のような手順で作成する。 ①データの最小値と最大値を確認し、級(デー タを分類するための1つ1つのグループのこ と)の数が6から10くらいになるような級間隔 (級の幅)を決定する。 ②一つひとつのデータについて、どの級に入る かを決め、その級の度数(各級に入ったデー タの数)を増やしていく。 15 3 度数分布表の作成例 例題:表2-1に示す港北店の過去1年間 の土曜と日曜の来店来客数のデータに もとづいて、級間隔を50人として、度数 分布表を作成しなさい。 ○表2-1土・日の来店客数の1年間データ 292 373 282 251 322 392 366 300 226 314 325 300 356 319 213 229 244 347 283 372 253 317 306 390 287 268 257 247 318 232 306 274 231 370 275 186 327 297 260 300 285 365 272 335 167 289 352 321 341 313 319 351 299 327 405 259 376 360 259 252 339 301 337 229 244 279 243 272 211 303 316 311 287 248 199 274 286 367 317 311 434 346 329 338 319 244 329 329 274 262 288 306 189 248 344 262 385 302 366 249 250 297 292 261 16 4-1 度数分布表の作成例の解答 来店客数の最小値は167人で、最大値は434人である。級 間隔を50人として級(グループ)を作るので、150~199人 を最初の級とする。続いて第2番目の級は200~249人、 第3番目の級は250~299人というように級を作っていく。 そして、最後の級は400~449人となり、全部で6個の級を 作る。 17 4-2 度数分布表の作成例の解答 次に、1個ずつデータを調べ、どの級に入るかを決め、その級の日 数を増やしていく。その際、級に入る日数を数えるために、正の字 用いたりすると便利である。 来店客数(人)日数(度数) 日数() 150-199 正 200-249 正正正 250-299 正正正正正正正 300-349 正正正正正正正正 350-399 正正正 400-449 正 18 4-3 度数分布表の作成例の解答 作業をすべてのデータについて行い、各級に入る日数を合計して、表2- 3のような度数分布表を作成することができる。 ○表2-3 来店客数の度数分布表(級間隔50人) 来店来客(人) 150-199 200-249 日数(度数) 4 15 250-299 32 300-349 350-399 36 15 400-449 2 19 発展 度数分布表からヒストグラムを 描く 表2-3の度数分布表からヒストグラムを描いてみ た。ヒストグラムを描いたことによって度数分布表よ りも度数が中央の二つの階級に集中して分布が山 なりになっていることが視覚的にわかる。 度数 回 来店客数のヒストグラム 40 35 30 25 20 15 10 5 0 150-199 200-249 250-299 300-349 来店客数(人) 350-399 400-449 20 オペレーションズ・リサーチ 経営情報入門P16、P17 H103058 月岡健一 21 3.度数分布表の特徴 • 級分けする際、細部の情報がなくなってしまう。 • データ全体の特徴を示す情報は得られる。 22 4.コンピュータを使った度数分布 表の作成 • 度数分布表はコンピュータ を利用して簡単に作成する ことができる。 • 表計算ソフトの頻度の機能 を利用すると便利である。 23 ワークシートの作成① • 罫線を引き、数値データと文字列 データを入力する。 24 ワークシートの作成② • 度数の計算をし、度数の合計を 入力する。 25 標準偏差と度数分布 (P25~28) H103061 常盤 真由子 26 コンピュータを使った 分散・標準偏差の計算 ・例題2-8 表計算ソフトを使って例題2-7の分散と標準偏差を求め なさい。 度数分布表と分散・標準偏差 来店客数 中央値 X 150-199 175 4 200-249 225 15 250-299 275 32 300-349 325 36 350-399 375 15 400-449 425 2 計 度数 f 104 fX X^2 fX^2 算術平均 分 X ̄ = 散 s2 = 標準偏差 s= 27 例題2-8計算 • • • • • • fX = 「中央値 X × 度数 f」 X^2 = 「(中央値 X)^2」 fX^2 = 「度数 f × x^2」 算術平均 X ̄ = fXの合計÷度数fの合計 分散 s^2 = fX^2の合計 ÷ 度数fの合計 - ( 算術平均X ̄ )^2 標準偏差 s = 分散から SQRT関数で求める 度数分布表と分散・標準偏差 来店客数 中央値 X 150-199 175 4 200-249 225 250-299 X^2 fX^2 700 30625 122500 15 3375 50625 759375 275 32 8800 75625 2420000 300-349 325 36 11700 105625 3802500 350-399 375 15 5625 140625 2109375 400-449 425 2 850 180625 361250 計 度数 f fX 104 31050 9575000 算術平均 X ̄ = 298.6 散 s^2 = 2930.6 標準偏差 s= 分 54.1 28 標準偏差と度数分布との関係 標準偏差が来店客数の度数分布についてどの ようなことを示しているのか。 解説 算術平均 標準偏差 X ̄ = 298.6 s= 54.1 算術平均 ≒ 300 標準偏差 ≒ 50 29 算術平均を中心に 標準偏差の2倍の幅をとる 4日 150 15日 32日 200 250 標準偏差 50 来店客数 度数 f 150-199 4 200-249 15 250-299 32 300-349 36 350-399 15 400-449 2 計 104 36日 300 15日 350 2日 400 450 標準偏差 50 ・算術平均300から左右に50をとる ・250~350= 250~299、300~349 ・度数 32+36=68 全体の日数104の65%にあたる30 算術平均を中心に 標準偏差の4倍・6倍の幅をとる 4倍 4日 150 15日 200 32日 250 36日 300 標準偏差 100 15日 350 2日 400 450 標準偏差 100 15+32+36+15=98 全体の94% 6倍 4日 150 15日 200 32日 250 36日 300 標準偏差 150 15日 350 2日 400 450 標準偏差 150 全体の100% 31 対称分布の場合の 標準偏差と度数分布 99%以上 約95% 65~70% 標準偏差 標準偏差 標準偏差 標準偏差 標準偏差 標準偏差 算術平均 2倍 4倍 6倍 算術平均と標準偏差で度数分布 の状態のおよその見当をつける ことができる。 32 練習問題 1・過去50日間のあるスー パーの駐車場における駐 車台数(正午現在)の度数 分布表(階級幅10台)を作 成し、算術平均および標 準偏差を求める。 駐車台 数 中央値 X 度数 f 5~14 10 3 30 100 300 15~24 20 6 120 400 2400 25~34 30 4 120 900 3600 35~44 40 10 400 1600 16000 45~54 50 8 400 2500 20000 55~64 60 9 540 3600 32400 65~74 70 4 280 4900 19600 75~84 80 5 400 6400 32000 85~94 90 1 90 8100 8100 50 2380 算術平均 X ̄ = 47.6 計 分 fX X^2 散 s2 = 422.2 標準偏差 s= 20.5 fX^2 134400 33 練習問題 2・生命保険会社のセールスマン 50人の月間契約獲得高(単位百 万)の度数分布表(級間隔5百万 円)とヒストグラムを作成する。 中央値 X 度数 f 5~9 7 1 7 49 49 10~14 12 6 72 144 864 15~19 17 2 34 289 578 20~24 22 6 132 484 2904 25~29 27 12 324 729 8748 30~34 32 6 192 1024 6144 35~39 37 10 370 1369 13690 40~44 42 4 168 1764 7056 45~49 47 2 94 2209 4418 50~54 52 1 52 2704 2704 50 1445 算術平均 X ̄ = 28.9 獲得高 計 分 fX X^2 散 s2 = 107.9 標準偏差 s= 10.4 fX^2 47155 34 練習問題 算術平均 X ̄ = 分 散 s2 = 標準偏差 s= 28.9 107.9 10.4 X ̄-s ~ X ̄+s に入るサラリーマンの数は 68% X ̄-2s ~ X ̄+2s に入るサラリーマンの数は 96% 35
© Copyright 2024 ExpyDoc