スライド タイトルなし

野生生物管理における
ベビーブーム効果
松田裕之(東京大学海洋研究所)
遠洋水研
魚住氏より提供
1
回復し始めたミナミマグロ
2
ミナミマグロ再減少の兆し
• 有効な国際資源管理を実施してか
ら10年後に成魚が回復する兆しが
見えた
• 同時に、未成魚の回復が伸び悩み、
再び減少する気配さえある
• 管理の失敗か?
3
レスリー行列模型
 n1 (t  1)   0

 
 n2 (t  1)   p1
 n (t  1)    0
 3
 
 n4 (t  1)   0
 n (t  1)   0
 5
 
0
0
m4
0
p2
0
0
0
0
0
p3
0
0
0
p4
m5  n1 (t ) 


0  n2 (t ) 
0  n3 (t ) 


0  n4 (t ) 



p5  n5 (t ) 
4
仮想生物の資源回復計画
• 成熟=8歳、最高齢=20歳
• 漁獲開始=3歳
• 漁獲率=0.3/年、減少率=年17%
1)漁獲率を0.1/年に下げると年2.4%の
増加に転じる
2)漁獲開始年齢を8歳に上げると年
1.9%の増加に転じる
5
1)漁獲率を下げる
2000
1800
Population size
1600
1400
1
2
3
4
5
6
7
adults
1200
1000
800
600
400
200
0
-4
1
6
11
Year
16
21
6
Population size
2)漁獲開始齢をあげる
2000
1800
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
1
2
3
4
5
6
7
adults
-4
1
6
11
16
21
Year
7
セタシジミ資源回復計画
• 成熟までに
約3年
• 平均年7%
ずつ減少
滋賀水試
西森氏より提供
8
セタシジミ
漁獲体長を15mmから20mmへ
(1,15)
(1,20)
(1.5,20)
(0.5,15)
Hayashi's model
漁獲量
2
1.5
1
0.5
0
0
5
10
15
9
資源回復の時間遅れ
• 管理計画を実行してから資源が回復す
るまで、およそ1世代かかる
• 資源が回復し始めた後も、単調には増
えず、振動しながら回復する
• 生存率が高くても、生まれた絶対数が
少ないと数は減る(第2次ベビーブー
ム)
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